映画『日々是好日』の原作を買う。巻末の「解説」(柳家小三治著)を読みたいばかりに。自分の独演会を予告無しに突然朗読の会に「理由は急にそうしたくなるのでお客さんには申し訳ない」が、『日々是好日』を読んだとある(笑)。「いつだって涙無しに読めない『まえがき』」は欠かさず、「序章 武田のおばさん」も続けるという。実に14頁分。他に、国木田独歩著「『忘れ得ぬ人々』、尾股司著『鳶職(とび)のうた』、宮沢賢治著『虔十公園林』を読み、それで落語目当ての客を無事帰って貰う。凄い。『日々是好日』を買いに行く下り、感動する箇所、この本が自分にどんな意味を持つのかを達意の文で読ませる。
柳家小三治は小学生の頃から印象深い。飄々とした顔つきと声の調子が何とも愛嬌がある。新宿紀伊國屋で今読んでいる柳家小三治著『ま・く・ら』と『別冊太陽 十代目柳家小三治 永久保存版』の選択で迷い、軽い方にしたが、重い方を図書館で借りられたので、除雪もいい加減にして読みふける。その途中に、文庫本『日々是好日』が届き、すぐさま解説読み笑って唸る。このにじみ出る人間性と言葉の的確さ、落語というか、芸というか。波風氏が言葉に出来ない森下氏に惹かれる理由を、次々に教えてくれる。詳しいはずの別冊太陽よりも柳家小三治の人柄というか、人間性が伝わって来る。興味ある人が、どんな人にどう惹かれるかがわかることで、読めなかった新聞の活字がピントのあう老眼気をかけた時のように、その人の深いものがわかる気がする。自分と同じ相手に惹かれていたのがわかる時、相当に嬉しい。これも、読書の楽しみの一つだ。
今日は、先週25日『第4回 ほんのつもり』を書くつもりだったが東京散歩以降、「日々是好日」と「柳家小三治」と「暮らしの中の小さな大切なこと」がフツフツと化学反応しこんなブログに。明日、読書交流の記録掲載予定午前と午後、除雪。20センチくらいの積雪。例年に比べ驚くような根雪の気配。