さだまさしさんがラジオで話していた『カカ・ムラド ~中村のおじさん』(双葉社)。アフガニスタンで凶弾に倒れた中村哲医師の功績を伝える現地で刊行された絵本。「訳・文/さだまさし他」。そんな関係は広く知られていることかもしれないが。
養老孟司さんが、中村哲さんの生き方を淡々と語りながら、深く敬愛していることも知った。先進国もタリバンも荒廃したアフガニスタンに平和な暮らしを現地の人たちと実現している中村さんを心底怖がっていることを知り何とも言えない気持ちになった。2人が子どもの頃からの昆虫好きで、中村さんがアフガニスタンに足を踏み入れた理由の一つに蝶のことがあるとも言っていた。
養老孟司さんも、さだまさしさんも特に理由はないが何となく軽薄に思うところがあった。波風氏がベストセラーを簡単には手にしない性格から来ているのだろう。『バカの壁』も随分後に読んだ。二人の中村さんとの関係を知って驚き見直すところがあった。それ以上に、中村哲さんと言う本物の医術を使う人のことを思った。中村さんを「カカ・ムラド」=ナカムラのおじさんと現地の人が言う名医を。
今朝の新聞に、アフガニスタンに駐留している米軍撤退の記事。トランプがタリバンと合意して今年5月に米軍撤退を決めたが、バイデンがそれを見直すかもしれないと書いている。中村さんのことを知らなければ、まず読まない国際政治記事。アフガンとアフガニスタンは同じことなのかどうか、いったい地球上のどこにあるのか、なぜテロが続いているのか・・・・いや、そんな知識も大事かもしれないが、中村さんの志を知りたい。人間として生まれたはずだから、少しでも人間らしく消えていきたいと思う。
昨日届いたこの絵本、発注して2週間かかった。奥付に、第1刷発行2020年12月6日、第4刷発行2021年1月19日とあり、売れているのだなあと嬉しかった 明日、今年初の読書交流会。とても楽しみだ公式裏ブログを『新 一円切手』で更新。昨年冬の『一円切手』のその後のことで何だか嬉しかった話。