本を紹介してもらうたびに買っているうちに、少しずつ読むペースが追いつかなくなってきた。そんな中で最近買った絵本が、「からすたろう」※。読んだとき、教室・教師・学校という場所が持っている、怖い部分、素晴らしい部分、その両方が、ぎゅっと詰め込まれた絵本だ、と思った。 ・ ・・・
はじめは学校にいてもいなくてもわからないような「チビ」だったのが、「からすたろう」になっていく。先生が子どもをどうとらえるかで、教室の中でのその子のあり様が変わる。その子の一側面しか見ていないと、その子の扱い方が変わっていく。
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もとは教師を目指していたのに、そことは少し違う道に今はいる。その理由のひとつに、教師の力の大きさに不安になったということがあった。先生が変わるだけで「チビ」が「からすたろう」になったように、教室の中の「先生」は、よくもわるくも偉大だと今でも思う。その偉大さを、「教育」として発揮する自信が、何年か前の私にはなかった。