万年筆を20年ぐらい使っている。パソコンを使い始めた頃からだ。ワープロを便利だ便利だと喜んでいたが、もっと便利な道具の出現で逆に不安になった。イラストやポスター、文字組のデザインにとても便利だが、写真より手描きイラスト、既成フォントでなくデザインした見出し文字にこだわってきた。やたら時間がかかるが、手描きの風味が好きで、それが気持ちよいからだ。機械任せのテクニックで、自分の残したいものや技量を自分で誤魔化してしまってはたまらない。
50歳ぐらいから、毛筆、鉛筆、色鉛筆、そして万年筆を手に取る。前は卒業証書(さすがに文面は印刷)も生徒名も筆で、今は手紙を万年筆で。鳩居堂の無地便箋に黒インクの文字は書いていて気持ちいい。文字でなく「文字の形の絵」を描いている感じで飽きない。字は誰が見ても下手で、書き方も間違っている。達筆の友人から「全部がルールに違反している」と笑われた。万年筆から力まずに言葉が流れ出てくるような感じは他に代え難い。青インクのは日記、黒の中字は少し長い手紙、黒の太字は便箋1枚用に使っている。
カートリッジを買えなかった話しをしたら、多くが水性ボールペンを使っていると言う。自分の使わなくなった万年筆をあげる、という方もいて色々な理由で困惑した。インクの方なら喜んでいただくのに。今や絶滅危惧種ならぬ絶滅器具種の万年筆。この前ママヨさんが、立男君のことを『積極的 引きこもり生活』と笑っていたことを思い出した。
昨日、第6回『ほんのおつきあい』を4人参加で。小説が紹介されなかったのは初めてかもしれない。近日中に概要紹介 万年筆のイラストは、油性クレパス(白)と鉛筆(4B)で。こういう感じが、理由はわからないけれど好きだ。公式裏ブログを「積極的 引きこもり」で更新インクカートリッジを大手通販サイトで発注。仕方ない。便利と思わない、管理されている感じ。