波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

いき≦センス<カッコいい

2025年02月01日 | ご連絡

(2/28ブログ記事『いき≦センス』から続く)
分かるようで分からない『いき』と『センス』と『カッコいい』の解き明かしもこれで終わりにしたい。考えるほどモヤモヤするが出口見えず、「なぜそれを考えるのか?」の方が大事に思えてきた。前回、『いき』(粋)と『センス』(感覚)の違いを考えた。後者は面白さを感じる心の余裕、前者は歴史的定義持つ様子だから使い方も語意の範囲も違う。結論から書くと、『カッコいい』(格好いい)はそれらを含めてもっと広い範囲の素敵に感じるヒト・モノ・コトでないかなあ。

 

人生は失敗の連続だけどそれでも生き続けるのは、前よりもカッコいい反省と失敗をするためという韓国ドラマ(『ただ愛する仲』だったと思う)のお婆さんの印象的なセリフがある。自分が納得出来る出会いや発見に対する感じ方だ。話は少し飛ぶが、詩は既に知っていることの中に未知のものが割り込んだ状態の表現(吉野弘著『詩のすすめ』から)とあり、これを体現できるのがセンスで、感じられるのがカッコよさじゃないかな。つまり、粋を含めて言葉にできない(=説明できない)理由は、本質が『詩』(ポエム)の体験だからだ。例えばだが、自分が好きな絵は絶対に詩を感じる、というか言葉に出来ない何か、それは詩と言うしかないものだ。

 

映画『PERFACT DAYS』が好きか嫌いかの分岐点は、説明不可の『詩』的体験を有意義な価値と思えるかどうかにある。映画のドラマ性や主人公の過去の深読みはほぼ意味が無い。波風氏は思った、カッコいい人生だ。寝る前に古本屋で100円で買った文庫本を(幸田文著の随筆集『木』)をスタンドの灯りで読む映像に惚れぼれする。波風氏の義弟が校長退職後に公園トイレの掃除を仕事にしていた、心から「カッコいいなあ」と思った。なかなかできないことだし、妹が「偉い」と言って弁当作って持たせるのもカッコいい。
ブログ記事『いき  センス  カッコいい』を書いたのは、73歳を前に自分で納得のいく自分らしさ、面白さを感じる余裕を持ち続けたいからだ。


映画の文庫本を買って読んでいる(笑)。幸田文の随筆で父露伴の厳しい掃除の躾け、とりわけ水仕事は生半可な奴には任せられないのところが忘れられない。娘文の文章、なんて粋でセンスよくて格好よいのだろう ママヨさん酢飯担当、波風氏海苔巻き担当(マグロ、サーモン、帆立、胡瓜、卵焼き)の昼食で少し早めの節分画像は坪内和夫さんのイラスト。たぶんハガキ大だと思うが大きく感じる。

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今月の読書交流会 ご案内

2024年10月22日 | ご連絡

今回で44回目になる『ほんのおつきあい』(=読書交流会)を次の日程で行います。
■日時 10月27日(日)14:00~16:00
■会場 波風宅(波風食堂は先週をもって春まで休業)
■会費 お茶代200円(子ども食堂の応援費にします)
■内容    読んだ本(3冊まで)の粗筋と感想と5段階評価を参加者どうしで交流します。
■その他 ・準備の都合もあり、参加希望される方は次のアドレスでご連絡下さい。
                     → namikazetateo@gmail.com
     ・聞くだけの参加も歓迎します。 


買い物で歩いていたら、果物屋さんの軒先に、段ボール紙にマジックで「リンゴ箱です。自由に持っていって下さい」とあり、前から欲しかったので次の日に車でもらいに行った。無いかもしれないなあという心配に反して全部あり、店の人にありがたいです、全部持っていって下さい、この先も出ますからよろしくと逆に感謝された これを工作でどう使うか考えるとワクワクする。いらなくなった裁縫箱で持ち運び用色鉛筆収納箱、鳩サブレーの缶でアタッシュケース、極小磁石で取り替え自由なポストカード額などを作っている。これを『モノ語り』の題でブログに載せてみようかな総選挙投票日が近づくが、こんなに白ける政治の気分は初めて。最低線の何が正しくて何が間違っているかは庶民どうしでわかりあえる社会であって欲しい。そんなわけで、若者の低投票率はワカランでも無いがマズいな。

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4月末の読書交流会案内

2024年04月22日 | ご連絡

回数だけ節目ですがいつもと変わらず、次のように開催します。

■場所:まだ寒いので波風家本宅
■日時:4月28日(日)14:00~16:00終了予定
■参加費:お茶代200円
■交流:読んだ本が、①どんな内容、②その感想、③5段階評価で★いくつか。
■その他
・準備の都合もあり、参加希望ありの時に以下にメールでご連絡ください。
 → namikazetateomail.com
・聞くだけ参加も歓迎します。


この頃小説を読んでいないので、AIが教えてくれた「波風立男氏に文体の似た小説家」から、恐れ多いが江國香織さんという一度も読んだことの無い方の本を読んでみよう。短編だから交流会には間に合うだろう  この交流会に参加してみたいなあと思いつつ、敷居を髙く感じたり、知っている人がいないからなあなんて二の足踏んでいる方がきっといるはず。そこらは自分で解決して靴を履いて波風宅に向かってください(笑)TVドラマ『舟を編む』が昨日終わってしまった。話が面白く、役者が上手で一人一人に愛着が持てた、こういうのは久しぶり。仕事の描き方が秀逸。

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漫画『東京ヒゴロ』を読む

2023年11月07日 | ご連絡

1年1冊、2年で3冊完結の松本大洋作『東京ヒゴロ』読む。大手出版社をやめた漫画編集者が理想の漫画雑誌を作るために奔走するドラマらしいドラマは無いが熱い想い伝わる漫画。漫画に対する哲学を濃厚に感じるのは、すべてのコマがペンで丹念に描かれているから。スクーリーントーンも最小限しか使わず、雨脚も街並みもアパートの片付いていない仕事部屋も、じっくり見るに値する。どこを開いても作家の呼吸や拍動がある、白黒のイラスト集のよう。瀟洒た軽快なマンガでなく、力勝負の圧力を受ける漫画。読み飛ばせない持ち重りする文体の小説に似ている。

松本大洋は、30年前に『ZERO』で驚き、『花男』『鉄コン筋クリート』『ピンポン』、『Sunny』と感心して読んできた。その世界に引き込む力は、暴力的とも情緒的とも言える詩情。絵本『かないくん』(谷川俊太郎作、松本大洋絵)で、作者の色彩感覚が好ましく絵柄が詩だと感じた。「死を重々しく考えたくない。かと言って軽々しく考えたくもない」という主題に迫る見開き頁の色調と図柄がとても印象的だった。絵画とイラストと漫画を区別する必要なんか無いなあと思った。
漫画世界外からも高い評価を受ける作者だが、『東京ヒゴロ』はそういう評価にあぐらをかかず独りよがりの信念や満足感にも陥らない漫画を描き続ける宣言のように思った。人による好き嫌いがあっても、否定出来ない漫画だからこその心を揺さぶる凄みがある。それも最初から。

捨てないし売らない漫画、マンガ棚でなく画集の隣に並べたくなる。こういう感じは、『漫画家残酷物語』の永島慎次、『ねじ式』のつげ義春に似ている。ドラマらしいドラマはないのに、絵が見せ、吹き出しが読ませ、繰り返し開かせる磁力がある。


【続々 もの言えば】前回記事で言いたかったのは、自分と縁のある人が悪く言われたら(それが本当かどうかは問わず)、「そんな人ではない」と言えるだけの人間らしさは持ち続けたいということ。後で自分が間違っていて謝ることになっても。文句を陰で言わず本人に直接言うことと意味や勇気の度合いは同じ。これをやっと思い出した。波風立男の名前に恥じずこのぐらいのプライドは揺るがずに暮らしたいなあ。

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間違い探し

2023年02月17日 | ご連絡

イラスト「散歩の踏切」、どうも納得いかない1か所あって、再び散歩して確認してきた(たまたま買物に行った時に)。すると、やっぱり間違っていたので描き直した。どこかわかるかなあ?

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