今日の地元紙の広告欄に、街の本屋さん来月末で閉店のお知らせ。先月、本を頼んだ時に今の時勢でがんばっている姿に感心していると話したら、励まされますと店主さん。現在地に移転する前からだから通算3~40年になるだろう。暗い夜道にポツンとある灯りが又1つ消える。畳屋、布団屋、天ぷら屋、ウドン屋・・・次々と消える中、本屋さんの消灯はとりわけ寂しい。
こんな本屋さんでやっていける街があるんだなあと、『日本の小さな本屋さん』(株エタスナレッッジ:和気正幸編)を読んでいる。心ときめく本屋体験は随分前からなく、古本屋などは夢のまた夢。写真ページを開きながら、本の香り、古本の匂い、書棚高く積まれた圧倒感を思い出す。店こだわりの本を探す楽しみは、多品種高速販売の大型書店では難しい。消える本屋さんには必死で守ろうとしていたそれが残っていた。
暗い夜道にポツンと残っている灯火、無くなった当初は困らないがそのうちジワーッと寂しさが込み上がる。コロナで三密が売りの波風食堂も3年休業し、さてさてやっと再開かと意気込んでいたら共同経営者の体調不良、親戚家族の新たな動向などで何かと慌ただしくなり、存続は風前の灯火。ゴッコ遊びでそうなんだから生業の厳しさ辛さを思う。お客さんが本当に神様なら良いのになあ。
昔の写真使う用があり選んでいて、「あの時が実はとても楽しかったんだな」なんて思う。自分で使える時間なんか全然無かったのに。それでも本読めたのはママヨさんのおかげだなあ 図書館は便利さに加えて、「古本屋にいる」みたいなくつろぎ感、いだかれ感を与えてくれる燦々と照らす明かりより、薄暗い中でポツンとだったりボンヤリと照らす灯火を好ましく思うのは歳のせいかなあ、目まぐるしい時代に暮らしているからなのかなあ。