電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

高畑正幸『究極の文房具カタログ』を読む

2018年08月09日 06時01分38秒 | 手帳文具書斎
河出書房新社から2015年に刊行された単行本で、高畑正幸著『究極の文房具カタログ』を読みました。著者のことはあまり存じあげず、白衣に王冠、手には虫眼鏡というヘンなオジサン、という程度の認識でしたが、どうやらテレビの文房具選手権で何度かチャンピオンになった人らしいです。でも、著者が本書の「はじめに」で書いていることが、実に共感できます。

というのは、多くの文具本で扱っているものが自分が実際に使っている文房具とかけ離れていると書いた後で、

 (前略)確かに外国の万年筆は素晴らしいだろう。文豪の書斎やエグゼクティブなデスクにはそんな文具も似合うのかもしれない。でも、何だかそういう文具を使う人たちが、左ハンドルの車をちょっと無理して乗ってるように見えることがある。
 確かにフェラーリはいいんだろうさ。俺も乗ってみたい。でもさ、農家にはフェラーリより軽トラックのほうが便利だったりするじゃない。(後略)

というところで、ウンウン、そうなんだよね〜と共感(^o^)/

本文ページで、著者自身のイラストに添えられた解説も、たしかに愛用している人の視点で書かれていることがわかります。取り上げられている製品も、

  • 三菱鉛筆 POWER TANK スタンダード
  • ぺんてる サインペン
  • 三菱鉛筆 ダーマトグラフ(7600)
  • TOMBOW MONO 消しゴム
  • PLUS ホワイパープチ
  • OLFA MZ-AL型
  • NT A-300GR、D-400
  • TOMBOW 消えいろPiT
  • 3M スプレーのり77
  • サンスター文具 トジッパー
  • CARL ゲージパンチ・ネオ
  • コクヨ ファイルボックス FS TタイプA4横
  • 三菱鉛筆 ジェットストリーム 4&1
  • MAX バイモ11フラット

と、なんと14種も共通点があります。記載の観点や内容も、パワータンクが米国のフィッシャー社のスペースペンに比べて「だって安いんだもん」という理由で選ばれ、魅力が充分に伝えられていない点は大いに不満ですが、それ以外はほぼ同感です。

逆に、本書で興味を持った製品もいくつかありました。例えば

  • プラチナ Preppy 蛍光マーカー コンディション・グリーン
  • PLUS サンプルボックス
  • コクヨ ノビータ クリアーブック

などです。

奥付によれば、著者は元サンスター文具の社員だったらしく、日常的な実用性を重視した選択眼には共感するところが大でした。
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