最近、世界各地でヘンな社会現象が発生しているようです。コロナ禍の際には米国等の反ワクチンの動きが無視できないほど高まりましたし、トランプ現象も似たような背景を持っているようです。某国の大統領は何をトチ狂ったのか唐突に戒厳令を出してしまいましたし、日本でもパワハラ等の告発者が亡くなったと報道されていた某県の出直し知事選挙では大方の予想を覆す結果となりました。
こうした社会現象に、どこかへんだなと違和感を感じる人も少なくないものと思います。その背景に、おそらくは YouTube 等が採用しているアルゴリズムが影響しているのではと感じます。例えば Google の場合、検索したキーワードに関連した広告が表示される仕組みが同社の最も重要な収益源となっているのは有名です。Amazon の場合、検索表示された商品に関連性の高いアイテムが優先的に表示され、過去に検索し購入した商品も含まれてきます。YouTube の場合も、ユーザーがある動画を最後まで視聴するとその動画と関連性の高い動画が優先的に表示されるようになります。また、逆に途中でスキップした場合はその動画や関連する動画の優先順位は低くなってしまいます。さらに検索履歴に関連する動画が優先的に表示されますので、ある動画を視聴すると「どんどん深みにハマる」仕組みになっているわけです。
たぶん、最初は漠然とした不安感からワクチンの安全性について調べた人が今まで見聞きしたことのない反ワクチンの動画にじっと見入ってしまい、提示される関連動画を見続けていくうちに反ワクチンの考えに変わってしまうということなのでしょう。ワクチンをトランプ、◯◯知事、北朝鮮などという語と取り替えてみると、なんとなく腑に落ちる感じがあります。
これは、勉強熱心な人ほどハマるアルゴリズムです。言葉は悪いですが、強く思い込む確信犯製造プロセスと言っても良いかもしれません。ケネディ家の御曹司でも反ワクチン論者になり得るというのは理解できます。こういう仕組みを利用して YouTube 等で知名度を上げ、稼いでいる人もいることでしょうから。ある日、YouTube で動画をよく見ていた家族の誰かが何かヘンなことを主張し始める、そういった現実がもうあるのかもしれない。一方的で強固な確信的思い込みに、なんだかカルト集団に近い怖さを感じます。
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画像は記事内容とは全く関係がありません。コーヒーで一休み、ほっとするひとときです。
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