先輩の美代さんの語学力は、凄いと思ってきた。英語で亡きお母様とふるさとに思いを寄せて書かれたメモイアは、アメリカの出版社から発行される事になった、その喜びの声がカリフォルニアからやってきた朝9時だった。 彼女はフリッツさんとバッハのクラシックコンサートを今から聴きに行くのだと、少しはなやいだ声だった。いつもつれあいの不満をこぼしているが、あのフリッツさんゆえに、美代さんは、アメリカと沖縄、京都を . . . 本文を読む
朝6時過ぎ、ゴーヤー棚の前に立つと、耳元に聞こえてきたブンブンの羽音はミツバチだった。スマホを急いで取りに家の中に駆け込んで戻ると、もう姿はなかった。 しかし、ゴーヤーの黄色い花々が微笑んでいるように見えた。風雨に煽られた後に陽光を得て嬉しい顔に思えた。 どことなく心が弾んだ爽やかな雰囲気、こちらの思いとも異なる。ゴーヤーの喜びなんだ! ただ、2年前と比べて、ゴーヤーの実は小さい。土の養分が良くな . . . 本文を読む