
先輩の美代さんの語学力は、凄いと思ってきた。英語で亡きお母様とふるさとに思いを寄せて書かれたメモイアは、アメリカの出版社から発行される事になった、その喜びの声がカリフォルニアからやってきた朝9時だった。
彼女はフリッツさんとバッハのクラシックコンサートを今から聴きに行くのだと、少しはなやいだ声だった。いつもつれあいの不満をこぼしているが、あのフリッツさんゆえに、美代さんは、アメリカと沖縄、京都を往復できたのだ。
しかし、76歳から8年間84歳まで学長として、奮闘していた恩師も、また同じく80代にご自分の著書を2冊出版することになる美代さんにしても、聡明で尊敬すべき生涯現役のお二人だ。
志のなせる美しい晩節。
さて、それぞれのスクブンを生き生かされている私たち。まだ完結していないスクブンが目の前にある。
おめでとうの言葉を何度も繰り返していた。
おめでとうと何度でもいいたい朝だった。