
寒い冬の夜、沖縄でも10度を切った夜、羽化したオオゴマダラがいた一方で、いつも写真を撮り続けていたもう一つの黄金のさなぎはやがて黒に変色しながら羽化を始めた。寒い寒い夜の闇の中、心配したように羽化は十分に成功しなかったのである。6度まで気温は下がっていた。その中で体温を温めることができず、エネルギーを蓄えることができず、羽は開かなかったのである。時間をかけて羽を広げる。それが寒さの中で片方の羽は押し広げる力を失せていた。大学から翌日の昼戻った時、オオゴマダラは、コンクリートの上に落ちていた。それを見た時の痛ましさは誕生の痛ましさそのものに思え、いかなる生命の営みもまた気候や時節に左右されるのだという事にしばし唖然として見つめていた。蜂蜜水を作り飲ませたいと思い立った。羽を手で押し広げようとした。オオゴマダラはまだ生きていて懸命に力を振り絞っていた、羽を広げたいその営みをしばらく見守るが、すでにそれがかなわいということが分かった時、蓬莱鏡の鉢の中に置いた。「ここがお前が再生する場だよ」とーーー。冬なので蟻はいない。蟻に喰われるよりはと思い、しばらくして動かなくなった彼に土をかぶせた。安らかに飛んでいる夢を見てね!
そしてふと上を見上げると、ほとんど葉っぱが落ちているホウライカガミ(蓬莱鏡)の木に青い芽が芽吹いている事に気がついた。そしてなんと幼虫が一匹そこにいるではないか!その黒い胴体には白い環のようなデザインが均衡についていて、その横に赤や黄色の斑点が見える。なぜかホッとした!命は巡る!春は来る!あまり葉がついていないのにどうして食欲を満たすのだろうか?芽を食べ、黄色くなったわずかな葉で身体を維持するのだろうか?
そして今日、また見てみたらいない!何かに捕食されたのだろうか?心配しながら目を凝らしてみると、何と鉢植えのホウライカガミの根の部分にいた!蓬莱鏡には毒があり、オオゴマダラの幼虫は毒素を身体の中に蓄えることで天敵から身を守っているとネット検索で知った。そうか、食べられることはないのかーー。久しぶりにまたデジカメを向ける楽しみができた。黄金のさなぎに一月間もトキメイテいたのである。これからはこの幼虫がまたさなぎになり黄金の光を放ち、羽化する様子を見つめてみたい。
暖かい春の風が吹いている。鶯が小さく啼き始めている。春満開、緋寒桜が琉球大のキャンパスでも咲いている。桜は意識してみると結構咲いている。ただそれを愛しく思う心がなかっただけだったのかもしれない。桜の木にメジロや鶯が飛び交う姿は風流そのもの、ただじっくり見つめて味わうゆとりが失われたのである。しばらくオオゴマダラの幼虫を見つめる春に心浮かれるのはいいと思いつつーーー、この永遠の今と明日を思う。

<写真は蓬莱鏡の根の部分で休んでいるように見える幼虫と蓬莱鏡の芽ぶき>
そしてふと上を見上げると、ほとんど葉っぱが落ちているホウライカガミ(蓬莱鏡)の木に青い芽が芽吹いている事に気がついた。そしてなんと幼虫が一匹そこにいるではないか!その黒い胴体には白い環のようなデザインが均衡についていて、その横に赤や黄色の斑点が見える。なぜかホッとした!命は巡る!春は来る!あまり葉がついていないのにどうして食欲を満たすのだろうか?芽を食べ、黄色くなったわずかな葉で身体を維持するのだろうか?
そして今日、また見てみたらいない!何かに捕食されたのだろうか?心配しながら目を凝らしてみると、何と鉢植えのホウライカガミの根の部分にいた!蓬莱鏡には毒があり、オオゴマダラの幼虫は毒素を身体の中に蓄えることで天敵から身を守っているとネット検索で知った。そうか、食べられることはないのかーー。久しぶりにまたデジカメを向ける楽しみができた。黄金のさなぎに一月間もトキメイテいたのである。これからはこの幼虫がまたさなぎになり黄金の光を放ち、羽化する様子を見つめてみたい。
暖かい春の風が吹いている。鶯が小さく啼き始めている。春満開、緋寒桜が琉球大のキャンパスでも咲いている。桜は意識してみると結構咲いている。ただそれを愛しく思う心がなかっただけだったのかもしれない。桜の木にメジロや鶯が飛び交う姿は風流そのもの、ただじっくり見つめて味わうゆとりが失われたのである。しばらくオオゴマダラの幼虫を見つめる春に心浮かれるのはいいと思いつつーーー、この永遠の今と明日を思う。

<写真は蓬莱鏡の根の部分で休んでいるように見える幼虫と蓬莱鏡の芽ぶき>