志情(しなさき)の海へ

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友人に誘いをうけてご一緒できなかった映画「PERFECT DAYS 」をシネマℚで観たのは先週だった。

2024-01-24 09:22:40 | 映画
確か坂手洋二さんのブログでも言及されていて、「観なければ」と思い立った。
朝一本の上映の日曜日だった。シネマQはよく来るわけではないので、多くの若者を見て驚いた。映画は人気があるんだ。
 以前アマゾンプライムでやはり役所広司主演の映画「すばらしき人生」を観て、、感銘を受けたので、なぜかその映画とどことなく類似する点が感じられた。
しかし驚いたのは、「すばらしき人生」が身分帳 - Wikipediaという佐木隆三の長編小説。実在の人物をモデルに、13年の刑期を終え出所した元殺人犯の男の苦労と生きかたを描いた作品で、1990年6月26日に講談社より刊行され、1993年6月3日に文庫化され、第2回伊藤整文学賞受賞作品だったことだ。 
  佐木隆三 - Wikipediaさんは沖縄とも関係の深い方で再婚された方が沖縄の女性ゆえだけではなく、映画化された「復讐するは我にあり」など興味津々で観た覚えがある。しかし、映画は意外と何年もたつとどんな映画だったか、忘れてしまう。小説として読んだ中身は記憶が鮮やかだろうか。
 いずれにしても「すばらしき日々」は心が温まるようないい映画だった。殺人を犯した一人の人間が社会復帰していく姿は、周囲のやさしい眼差しに支えられていた。人間はすばらしいと思える映画だ。

 このPERFECTDAYSは第76回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞受賞作品である。そのせいか、映画館は意外と観客席は埋まっていた。
 東京都の渋谷のトイレのモダンさは凄いと思った。トイレ清掃員の主人公役所広司さんの日常を淡々と描いていたのだが、彼のモノクロの夢と、些細な関わりの日常が、なるほどと思えた。
 幸田文の「木」という本が読みたくなった。
トイレ清掃員の日常を淡々と過ごしているように見える彼の素性は明かされない。ほのめかし的な筋書だが、何らかの理由で社会の階段を踏み外した男が、上流階層から転落したが、一人の自由な自然をいつくしむ日常、読書三昧で浅草の空気になじんでいる姿が、ほのぼのと描かれていた。
 職業に貴賤はないようであるこの社会にちがいないが、人の幸せは職業や社会の通念や常識では測れない。個人がどう生き、どう感じるか、それは自由だ。社会の仕組みやピラミッドのシステムの中に、陥穽の中に幸せの雫がこぼれているのかもしれない。
 ささやかな喜びがある。生きる哀感はどこにも秘められている。それぞれの生きる道しるべは異なり、意外と類似するところもあるのかもしれない。
 心の平安をどこに求めるか、多様だ。
 一人の自由な空気感はいいと思えた。
 
 


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