
(琉球新報 7月13日)
琉球新報の整理部記者の見出しが眼を惹いた。「幻のラストに衝撃」である。確かにロマンがあり、ワクワク感が最後まで伴う舞台だった。脚本だけ読んで実際の舞台がどうなるのか、期待感は膨らんでいた。虚構の作品に実態が伴ったのである。特にこの仇討物系統の時代劇のおわりの部分が、衝撃なのはその通りゆえに、この見出しは、新たな感慨を与えてくれる。
記念誌の表紙は、真喜志康忠が演じた「大川敵討」(忠孝婦人)の谷茶の按司の写真に決めた。それなりの理由があった。この「落城」は谷茶の按司を彷彿させるゆえである。
時代劇というジャンルの沖縄芝居の根の部分にあり続ける組踊を理解してほしいという思いも勝っていた。
その試みはある程度成功したとみているが、今後も上演を続けてほしい。
作品のラストに関しては多様な演出が可能だ。
組踊的な終わらせ方と異なるのは言うまでもない。