
(数匹の幼虫から唯一つのオオゴマダラが誕生した!無事卵をまた産んでね!)
朝予想通りにオオゴマダラは羽化していた。蝶になるまでには時間がかかる。長いこと蛹の殻にしがみつき、その周りの蔦にしがみつきそして空中に飛び立つ。花の蜜を求め番を求め、そして卵を生む。これから何日か、オオゴマダラの冒険が始まる。すでに雉鳩に食べられた幼虫が記憶の扉を開く。なぜか勇んで蔦を走るように動き回っていた姿が痛く思い出される。あの幼虫が鉢の根っこで隠れるように幹にしがみついていた姿もあった。蛹になり蝶になり、そしてまた卵を産むまでのサイクルは短い。そのサイクルを繰り返すオオゴマダラの姿にため息がでる。
そして気がつくと鉢の近くにクマゼミが仰向けに転がっていた。手にとると殻から孵ったばかりにも思えない。クワァクワァと元気のいい鳴き声ではない。メスだろうか。けたましく愛を叫ぶのは雄である、メスはクヮアクワァと泣くのだろうか?生き物は全て鳴く・泣く。
仰向けになったクマゼミを手にとったらクワァクワァと泣いた。
(仰向けのクマゼミ)
美しい自然の生き物に見とれる
こんなにしっかりと蝉がーー
ああ詩のことばを思いつくゆとりがない!