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志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

渡辺淳一さんの短編小説「長崎ロシア遊女館」を250円の古本を購入して読んだ印象★

2014-05-09 08:25:45 | ジュリ(遊女)の諸相:科研課題

沖縄の遊郭や遊郭の女性たち、そしてその内外の芸能について今まとめているのだが、セクシュアリティーや家族制度、国家の仕組み、対外関係のありようがすべてそこに縮図のように現れているとみている。芸能は遊郭に付随するもので、その中にまた琉球王府の感性のありかが象徴的に表れていると言えようが、有史以前から人類史の中で避けて通れない遊里の存在がある。

昨今亡くなられた渡辺淳一さんの短編小説「長崎ロシア遊女館」を250円の古本を購入して読んだ。野口英雄や他の医学的短編も網羅した書『遠き落日』である。その中に含まれている短編だ。長崎の街は出島もあったところで、異文化接触の最たる場所であり、そこでまた異人(中国、オランダ、ロシア、アメリカ、イギリス、ポルトガル国籍の男性等)と接した多くの日本人女性がいた。性が外交的に利用されたスポットでもある。この小説のポイントはロシア艦隊の医者がロシア人用に造られた遊郭で遊女が梅毒に罹患していないかどうか、前以て調べたという話である。つまり、ロシアは当時日本より医学が発達していたのである。驚くことは、多くの外国人とすでに日本の女性たちが数多く接してきたということである。近代の初期、日本女性たちはすでに異文化接触の先端にあった。

辻遊郭でのそうした梅毒関連の検査が近代以降の沖縄でもなされている。かなりの騒動になったらしい。チミジュリの存在あるいは妾の存在がそうした梅毒などの罹患ともかかわっていることは確かだろう。

しかし渡辺淳一さんは『失楽園』などで有名だが、氏の小説をほとんど読んだことがなかった。短編の「首の貌」「腑分け絵師寛平秘聞」などを斜め読みすると、やはり医者としての素地に基づいた作品を多く書かれてきたのだと、納得。多作である。でもあまり読んだことがない。遊郭に関係あったので読んだのだが、他の小説を読む余裕がないのは残念ー。

≪つぶやき≫

尾海浜彦についてご存じの方は教えてほしい。なぜその名称で決まったブログのあるデーターがアクセスされているのか、不思議な現象が続いている。(どうもその名前でアクセスが多いブログの中身を非開示にした。)もし、その推定が正しければアクセスが減るだろう。〈←様子をみてみよう!)

 


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