先日のヒルクライムトレーニング走行の下り道でロードバイク前方方向からの定期的に「バキッ」という音の発生があり、家に帰ってから詳しく調査してみた。
サイクルショップで確認した様にあの音は確かにスポークの交差部分を指で2本のスポークを摘まんでいくと出る音その物だ。
交差部分からの少し離れた部分を手で握って力を入れていくと、交差部分の接点が移動して行くが、少し移動したところで一旦動きが止まり、それを超えるといきなりひっかりが解放されてあの「バキッ」と云う音になる。
ただ、本当に油を注せば直るのか??
ネット検索すると、リムが振れていると音が出る事があると云う情報が幾つかヒットした。
早速、前輪を中に浮かせてリムを回してみると緩やかに左右に振れる事が分かった。
やっぱりリムに歪みが生じてる。
以前にどこかのブログでタイラップを利用して振れを確認しながらスポーク調整をする記事を見た事がある。
スポーク調整は難しいと聞いて居たので躊躇したが、チャレンジしてみたのでレポートしたい。
先ず、横振れと縦振れを検知するための帯ラップの取り付けから。
ホークにタイラップを取り付けてからリムに当たる位の長さで先端をニッパーで斜めに切った。
タイラップを前後してリムを回転した際にタイラップの先端が触れたり離れたりするギリギリの位置にセッティング。
リムを回転させると、センサーにリムが接触すると「サー」と音が出るので簡単に振れている個所が特定できる。
自転車をひっくり返して作業開始。
良く観察すると、丁度バルブと対角線にした半分ずつで、ねじれが生じていた。
スポークを指で一本づつ弾いて行くと、音が鈍い(張りが弱い)スポークが3本程あって、逆に音が高い(張りが強い)ところが2箇所あった。
とりあえず緩む事はあっても締まる事は無いので、その張りの弱いスポークの所のリムにマジックで印を付けて、1/4回転づつ締めて見た。
スポークは車輪中央部分からフォークの幅分の別な場所から出たスポークがリムの内側に線状に整列している。
なので、横の振れを無くすには取り付けたセンサーとの間隔とは逆の方にスポークでリムを引っ張る必要があるので、最初は頭をひねりながら、どちらの方向のスポークの根元のネジをどちらに回せば良いのか恐る恐る試しながら修正していった。(張りを強めるにはスポーク根元のナットを普通のネジで言えば緩める方向に回す)
2,3本調整すると要領を得て、難なく調整完了し30分程で横の振れは全く無くなった。
注意点は、リムの上の部分で調整したり下の部分で調整すると向きが逆になって回転方向を混乱するので、調整する場所を決めておいてそこに調整するスポークを持ってくるようにして行うとスムースに調整が可能です。
あとは、縦の振れについても、取りつけたセンサーをブレーキパットの当たる金属部分の一番内側1mm位のところへ持って行ってセンサーと金属部分の内外の間隔が変化しない様に、出っ張っている部分を今度は左右から来ている対の2本のスポークを同じ分だけ締めてあげて縦の振れも全て無くした。
スポーク調整ってこんなに簡単だったんだね。
因みに、使った工具は以前に紹介したツールセットに入っていた「スポークレンチ」と云う物です。私の自転車の場合、3.2mm径でピッタリでした。
やっぱり、セット物はイザと云う時にはこれらの特殊工具を個別に買う必要無くて便利だね。
じゃあこれで音鳴りは無くなったか?
同じように、スポークを握ってみたが、同じように2箇所で「バキッ」と音が出る。
念のため、その部分にシリコンオイルを注してみた。(実はあまり変化は無かった)
さて、その状態で先日の土曜日にまたトレーニング走行でやまに行ったが山に向かって走って行くと、ほんとに時たま音は出るが気にならない。
が、しかし、峠から下りになると、先週同様に「バキッ バキッ」と音が出た。
どうやら、下りでブレーキを掛けて前輪に体重が掛かると音が出るらしい。
ゆっくり走って何処で音が出ているのか注意深く確認すると、バルブ位置が路面に近くなると「バキッ」と音が出る。 毎回では無く2,3回転毎で一定では無い。
帰り掛けに再度サイクルショップに寄って話をしていたら、私のチューブのバルブはネジが切ってない物だったのだが、ネジ止め出来ないので時々リムとの隙間にバルブの金属チューブが当たって音が出る事があると云うのでお店の方が、一旦チューブを外してバルブの根元にビニールテープを巻いて隙間を無くしてくれた。
確かに巻く前は、バルブの先端を前後左右に振ると、同じような音が出た。
さて、これでどうだ!
家までの区間に坂は無いので、途中の公園の小高い丘を登るコースに行って5周したが、やっぱり下りで音が出る。
家に着いてから再度詳細調査。
前回の調査で、手で握って音が出るスポーク交差部分は2箇所、その交差部分の内側を良く見ると、どちらもスポーク同士が擦れて黒い塗装が無くなっていて少し窪んでいた。
(音が出ないところのスポークは、擦れて窪んだりはしていない)
その窪みがあるために、体重が前輪にかかってスポークがたわんで交差接点が移動した際に窪みから抜け出すまで引っかかっていた力が、一定以上の力が加わる事で一気に解放されて「バキッ」と音が出ると判断した。
その後、そのスポーク以外の音が出ないスポークとの違いを調査した。
交差している2本は必ずフォイール中央の同じ方向の円盤から出たスポークで円盤の裏と表から出ていてそれが交差している。
交差部分が擦れて溝が出来ているところは、どちらも交差部分で外側になっているスポークの張りがもともと強くなっていたスポークだった事が分かった。
最初から張りが強かった2本が気にはなっていたが、こんな影響を起こしていたとは知らなかった。
取りあえず、原因が分かれば対処も簡単だ。
そのきつすぎるスポークを緩めてあげて、指でスポークをはじいた時に他のスポークと同じくらいの音になる様に調整し、再度横振れ縦振れを無くして完了。
同じように手でスポークを握って見ると引っかかる感じはかなり軽減した。
最後に今度はグリースを交差部分に塗って見た。やっぱり、こう云った金属部分にはシリコンオイルは役に立たない。
塗ってから交差部分を数回手で握ってグリースを馴染ませると、全く引っかかりが無くなりスムースになった。
これで、今度は音は出ないと思う。
それでも、もしまだ音が出る様なら、交差部分に出来てしまった溝部分の窪みの段差を緩和するため、コンパウンドを付けて滑らかにして、間にフィルムを挟むとか何かの策を試みようと思う。
実際のところ走らないと分かんないからね。
次回走った後に、結果を公表します。 おたのしみに・・・・・
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