前回の続きです。
使用感と云っても一夜漬けです。
届いたその日の晩にベランダから固定撮影で星空を撮ってみました。
まず、気に入ったのはカメラの方向と画面構成だけ整えれば、WiFi接続でスマホでほぼ全ての操作が遠隔で出来る事です。
ちょっとモニター画面がタイムラグを起こしたり動作がスムースで無い事もありますが、そんな事で腹を立てるなんて、この極寒の最中失礼な事です。
詳細設定も家の中のぬくぬく状態でいくらでもできます。
実はこの状況は既に何年も前からビデオカメラでは当たり前に使っている機能なので自分としてはさほど新鮮味は無いのですが、スチルカメラの今までのNEX-5Nでは出来なかった事なので凄く嬉しいです。
こんな極寒の真冬でも暖かな家の中で窓越しに操作できるんですからね。
スマホからピント合わせも出来ます。
フォーカスをマニュアルにしてモニター部の右下に人と山のマークの所を押すとその上にバーが出てモニターの状況を見ながらピント合わせが出来ます。
ところが、スマホからだといまいち動作が不安定になる事が多いです。
そこで登場するのが上記のモニター画に写っているBluetooth接続のリモコン(RMT-P1BT)です。
Bluetooth接続なのでカメラの方向に向けなくても確実に動作してくれます。
スマホとの連携はWifiでリモコンはBluetoothですから干渉はしません。
オートの場合でも、中央の大きな丸いボタンのシャッターボタンを半押しした状態で+/ーボタンを押すとピントが動きます。
更に、画面拡大指定をすると最大7.7倍の拡大が出来るので星像でのピント出しが容易に出来るのはNEX-5Nと同じですが、このリモコンで操作する方がレンズのフォーカスリングを回すより格段にピント出しが楽です。
ただ、画面拡大指定は遠隔でも出来るんですが、拡大率を変えるのは本体のボタンを押さないといけないので、それは遠隔では出来ないので、カメラの場所まで行く必要があります。
更にさらに、裏面のファインクションキーボタンの中にクリエイティブスタイルがあって、「B/W」にするとモノクロ指定になってカラーノイズに埋もれて見づらい暗い星も良く分かるようになります。
ピント合わせが終わったら「Std.」に戻します。
こんな様々な設定状態をメモリーしておいて瞬時にその状態に出来る機能もあって嬉しいです。
今までは毎回複数の設定項目を一つ一つ設定していましたからね。
その状態でリモコンでピントを出して行くと、暗くて小さな星が幾つもキラッと見える様になる点があります。
これがピクセル単位で星の光を受け取った状態。
つまりジャストピンな訳です。
NEX-5Nの時にはある程度明るい星で星像を見ながらでしたが、この明らかに暗くて小さな星が「キラッ」と見える状況は気持ちいいです。
そんな状況下でレンズを変えながら試し撮りしました。
絞り解放でISO1600、10秒露出。
画像は撮った状態のままで何も処理していません。
なお、ノイズリダクションはOFFです。
まずは、パンケーキの16mmF2.8の単焦点
F値が明るいので固定撮影でもISOをあまり上げなくても数秒で星が流れずに地上風景と一緒に写せます。
次に今回セットで買ったF4-5.6/28mm-60mm の最広角側
16mmと同じISO/露出で撮ってみましたが、流石にちょっと暗いですね。
でも、星像は周辺までシャープです。
次に最望遠側
今度は、NEX-5Nで使っていたF3.5-5.6/18mm-55mmOSS の最広角側
ちょっと、ISOを上げてしまったのでちょっと明るく写っています。
左上のぎょしゃ座のカペラの星像が流れていますが、一絞り閉めれば良くなると思います。
解放値F3.5ですから悪く無いですね。
同じレンズで最望遠側
オリオン座がギリギリ入るサイズになります。
ここまで拡大だと10秒でも気持ち星が流れているのが分かります。
下の写真は上の画像のRAWデータに少し手を加えてみました。
普通のカメラなのでHα線の星雲の写りは淡白ですが、望遠鏡直焦で拡大撮影して画像処理すれば多分かなり良く見えそうな気がします。
最近は、センサーのフィルタを改造しなくてもクリップタイプのフィルターをセンサーの直前に装着する事で赤い星雲が良く写せるパーツも販売されてる様です。
それなら、一般撮影も星雲撮影も両方に使えるカメラに出来ますね。
(多分使わないと思いますが・・・)
こうして見ると、NEX-5Nで使っていたSEL1855って云うレンズって、ズーム倍率も3倍で使いやすし、OSS(手振れ補正機能内蔵)と、F値も多少なりとも明るくて、今回のセットの物より良いレンズだと思いました。
既存のNEX-5Nは星の撮影にはC-MOSセンサーのムラが出て来るようになってしまってちょっと使えませんが、壊れた訳では無いので一般撮影にはまだ充分使えるので2台をそれぞれ用途別に使って行きたいと思います。