●放射能の不安7
最近の話題は空中放射線量から食品の放射線量に移行していますね。
でも、テレビ報道を聞いていると実にチグハグな言動を耳にします。
「現在、食品から検出されている放射能レベルはでは人体に影響ないう事ですが、放射線医療に詳しい××大学の△△先生に解説していただきましょう」
と始まる番組は、明らかにその番組の趣旨は「現状の値は安全である」事の証明をしますと云うことになります。 その紹介された先生は「現在の食品衛生上の暫定基準は大幅に安全を考慮して設定されているので、この値を超えても人体に影響ない」と「安全」である事を強調して説明をします。
ところが、その先生の説明が終わると同時にアナウンサーが内容を要約する形で話を結びます。
「・・と云う事で直ちに人体に影響はありません」 なんですか?この「直ちに」って?。
先生の説明では東京都の水道水の水を毎日1トン1年間飲まなければ人体に影響が出ないと云って「全く問題ない」と云った矢先に、アナウンサーが将来への不安を残すような「直ちには影響無い」などと口走る。人の話を良く聞ける人ならその言葉の意味を「今直ぐには症状が出ないけどいずれは出るかもよ」とも取れる訳です。
番組の流れに一貫性が無く、放射線に対して素人のアナウンサーが自分の不安を言葉に出してしまっているようにも取れます。 こんな報道ではどんなに放射能被害に詳しい先生を呼んで、現状の値が安全である説明をさせても最後にその先生の説明を否定し、視聴者の不安をあおってしまいます。
さて、この報道の目的は何だったのか? 再考すると、「安全である事の説明をし国民を安心させる」では無く、「将来に不安を残し、国民の不安を助長させる」になっています。
誰もが感じていること・・・ 今、この時が良いかよりも将来どうなのかなのです。
だから、放射線量の比較をするのも一瞬しか浴びないレントゲンの放射線量を引き合いに出すような馬鹿げた報道は大きな誤りであり、多くの人に誤った判断をさせています。
取材等で、一時だけ放射線を浴びる場所に出向いてその後は安全な場所に戻るような人を対象に「一時間そこに居たとすれば・・・」などと説明しても馬鹿げています。 恒常的に放射線を受ける事になっている現状の人達の視点で説明すべきだと思います。
そのような視点で考えれば、「地震被害7」で計算したような年間の被曝量から逆算した値で論ずるような説明があれば将来に向けて本当に安全なのか安全で無いのか理解が可能になります。
一瞬にして人を死に追いやる放射線量は10シーベルト(10,000,000マイクロシーベルト)だそうです。
500ミリシーベルト/時(500,000マイクロシーベルト/時)で、明らかに何らかの人体への影響が出る。
何度も云いますが、数字だけで判断しては駄目です。 浴びた時間の考慮が無ければ安全かどうかの判断はできません。
この「500」と言う数字も、一瞬なのか1時間あたりなのか年間の被曝量なのか、「マイクロ」なのか「ミリ」なのか説明する人によって使い方が変わります。
よーく聴きましょう。 そして、数字は同じ条件にして初めて比較できるという事を理解しましょう。
素人の私でも調べて行けばここまで理解できます。
垂れ流しの報道を理解せずに言葉遊びだけで不安に思っている人は多いと思います。
少しでも不安を無くすために自分で理解しましょう。 誤った報道を見抜く力を持ちましょう。
そして本当に危険な状態が来たら、その時こそ逃げましょう。
・・そのためには自分が理解でき判断できなければ、「また大げさな話をしている」などと云って狼少年になってしまいます。
今回の3人の被曝が正しくそれですね。 せっかく携帯している警報が鳴り響いているのに誤った判断で警報を無視して被曝する訳ですね。判断する知識と判断するための考え方が備わって無いからです。
他人の云う「安全」とか「危険」とかの言葉の裏にある「理由」を無視して言葉遊びで不安をあおるのは止めたいですね。