サイクリング初日-3
ジェイゴさんのギャラリーで出遭ったこの方、帰ってからググって見ると、手塚さんと言って、その世界ではかなり有名な方らしい。

近くの方なんですか? と聞くと、すぐ近くに越して来てまだ1週間だと云う事です。
ジェイゴさんが、彼も芸術家だと教えてくれました。 どんなものやってるんですかと聞くと、「説明するのも難しいのでジェイゴさんと一緒に見に来ませんか」と云われ、お伺いすることになりました。

ジェイゴさんの知り合いの方が海外へ引っ越してしまい、空き家になったこの家を買ったと言う事で、ジェイゴさんと繋がりが出来たらしい。 手塚さんは、その海外へ行った方と知り合いらしい。 出遭いと繋がりってホントに不思議ですね。
結構大きな家です。
最初に目を引いたのは貝殻のような光沢を放つもの。
聞くと、ガラスだと言うのです。 昔のガラスは鉛が入っていたので、長年の何らかの変化でこのような模様が出来るのだと。 へえー!
海辺でも見つける事ができるらしい。 でも、これは手塚さんの芸術品の本題では無いらしい。 いったい何が出てくると言うのか?

先ず、見せて頂いたのが純金製の品々。
写真じゃ全く分かりませんが、皆表面には0.1ミリにも満たない金の粒々が整然と装飾されており、その見事な事。
光沢とはまた違った趣のある高貴な感じのする物に見えます。

金だけではなく、プラチナも同様な技法で作られており、宝石もさることながら、それを引き立てるネックレスが素晴らしい。

実は、ネットで調べるとこの技法は古代エトルリアの技法で、純金で作られたものが現代にも歴史を経て残っているが、その技法が謎だったらしい。
それを解明したのが手塚さんで、更にプラチナで同じ技法を用いて作成する方法も新たに見出したそうで、その事もただ事では無いという。
さて、これもネックレスですが、青と赤の模様のパーツは一見ガラスの様にも見えますが七宝塗りによる古来の技法で作成されたものらしい。

また金の装飾品に戻りましたが、ブローチの所についている彫り物の彫刻がまた素晴らしく、浮き出た部分とバックの平面の色が違うので張り合わせたのかと思ったら、素材の厚みの中の色の変化を巧みに見極め掘ってあると言う。

こちらは、最新作との事。
右下のリボンも手に持ってルーペで見ると「なんじゃこりゃ」ってな位に細かい装飾にビックリ。
細いプラチナの線一本一本すべてに例の小さな粒々が整然と付いている。 全て溶接すると言うが、その方法については企業秘密だと言う。
私の頭のアイディアでは答えは出せそうにない。 長い歴史の中で謎の技法だった訳だ。
(リボンの拡大写真は手塚さんのブログに載っています)

こちらはかなり大きなダイヤモンドの指輪。 手に持っていろんな角度から眺めると輝きが変わります。女性が憧れる理由が分かったような気がします。

この後、手塚さんが世界から集めたコレクションだと言う歴史ある装飾品の数々も見せて頂いた。
この彫り物も先ほど説明した様に素材の厚みの中にある色の層を巧みに利用してバックとの色の違いを作ったもので、左の大きい方の素材は確か貝殻だと云っていたと思う。

こちらのリボン。 てに持ってルーペで細部を見てあまりの綺麗さに驚いていると、国宝級のものだと言う。
これを手に取って見れるのはかなり限られた人だけだと聞いて恐縮してしまった。 散りばめられたダイヤとサファイアの赤が何とも心動かす何かを感じる逸品です。
和服用の装飾で、これ以外にも帯など5点くらいが1セットとなっていました。 それらすべてが揃って国宝級らしい。
昔どんな女性がこれを手にしていたのか? 手に持った時、ふと脳裏にイメージが浮かび、懐かしささえ感じました。不思議なものです。

1時間以上も談義に花を咲かせ、1時を回ってしまったので急いで帰りました。

今まで、箱根で「粒金ジュエリー プチ・ミュージアム」を開いていたそうです。 まだ、こちらに来て1週間ですからまだまだ準備がありますが、早ければ6月にもオープンするそうです。
写真に撮ったのは極一部ですが興味のある方は是非、ジェイゴさんの焼き物と手塚さんの粒金ジュエリーを回わってみては如何でしょう。
ジェイゴさんは、以前は東京の三越などで個展を良く開いていたそうで、TVコマーシャルにも作品が使用されたと聞いています。
手塚さんの作品は現在も東京のホテルニューオオタニでお店があって販売しているそうです。 週1回は新幹線で東京へ行くそうなので、車内でお会いすることもあるかも知れませんね。
普段、こんな高価な物を手にすることなど無いですから、一度にこんなにたくさん手にすることが出来、とてもリッチになった気がした一日でした。
良く考えたら、私の新築の家と交換できるくらいの金額のものもあった訳で、ちょっと金銭感覚がおかしくなりそうです。
・・・・まだ続きます。 (明日へ)