ぶろぐ猫の目

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実験中

お腹召しませ 浅田次郎

2024-09-13 15:03:55 | 読んだ本の紹介

お腹召しませ 浅田次郎



あとがきにも書かれてましたが

浅田さんの歴史小説は、時期が幕末のものばかりだそうです

そうしたほうが、時代背景を勉強する量が少なくて済むって。

200年以上続いていた徳川政権。いろいろな不都合が明るみにでて

いよいよほころびをみせ始める時代です。



6編の短編とそれに付随する、浅田氏の幼少時代祖父から受け継いだ

昔話をセットで書かれてます。

表題にもなった「お腹召しませ」は、

高津又兵衛の家督を譲った入り婿が、公金を横領し遊女と駆け落ちしてしまう。

お家を残すには腹を切るしかないと上司から説得される又兵衛。

妻や母も、しれっと「早くお腹を召しませ」とせっついてくる。

武士のたしなみとして、腹を切ることは怖くはない。

が、又兵衛の下した決断は?



安芸守様御難事

14代安芸守、茂勲は、老いた側役から「斜籠(はすかご)」というのを

練習させられる。それは庭に置かれた籠に飛び込み逃げる

というもの。なぜそんなことをするのかその理由は誰に聞いても教えてもらえない。

ある夜、老中の屋敷に呼ばれる安芸守。側用人が「今日こそ斜籠を披露するとき」と

言い出します。わけがわからない茂勲は・・・



とまあこのような話が6話続くのですが

なかなか面白い。

短い話なのですぐに読めますが、話の先がなかなか読めないw

どんでん返しというのもちょっと違うか?

幕末当時の時代背景、徳川の末期薩長の台頭の中で武士とは侍とはいったい何だったのか

を物悲しくもおかしく描いてますね。

お腹召しませの中で、腹を切るのは怖くない武士としてそう教育されてきたという

セリフがありましたが、武士とは侍とはそういうものなのか

いっぽう、幼友達に介錯を頼むと「人なんか切れるか!」と断られる

それも武士なのか

200年続いた武士道ですが、連綿とつづいているものもあり

時代をおって風化していくものもあるていうことでしょうか



まあ面白かったです

















コメント (2)
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