日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「EUフィルムデーズ2013」の初日にポーランド映画「他人の手紙」を観てきました(2013.5.30)

2013年05月31日 | イタリア映画・映画
「EUフィルムデーズ2013」の初日にポーランド映画「他人の手紙」を観てきました(2013.5.30)

イタリア文化会館アニェッリホールで 今日から始まった「EUフィルムデーズ2013」の初日に ポーランド映画「他人の手紙」「私の叫びを聞け」を見ました 

終了後には記録映画作家マチェイ・J・ドルィガス監督のインタビューがあるとのことで 挨拶のあと なんと私たちのすぐ後ろに監督が座られました

他人の手紙」(2010年) 社会主義時代のポーランドでは公安局が年間数百万通の手紙を検閲していました それを元にポーランド人の内面生活を描き出した作品で 使われた手紙も本物です 
手紙は著名人ではなく市井の人々のものを選び出し ナレーションも普通の人々(しかも様々な方言で) 音声も当時の本当の音を探したという緻密な作業 


私は1982年3月に西ドイツ(当時)のドイツ語学校に通っていた時 クラスにいた2人のポーランド人が まさに当時は戒厳令下にある祖国からドイツに移り クラスの中で彼らだけが 祖国からの手紙が「届かない」ということを 映画を観ながら思い出しました 検閲だけではなかったのですね


次の映画は1991年のデビュー作「私の叫びを聞け」 これは衝撃的なラストに向かって その事件の目撃者や家族のインタビューがコラージュで次々と映り そして最後は…体制への怒りの声を挙げながら十万の群衆の前で…(ネタバレなので書きませんが)

歴史の中で隠されようとしたこの事件が 今こうして私たちの目の前に映画という形で現れたのだと思うと 監督のインタビューの最後の言葉「使命感を持たずに映画を撮ることはできません 芸術の力を借りて世界を助け 変えるのです」が しみじみと心に残ります

監督の次回作はスーダンで ダムに消えゆく小さな村を描いた「アブハラス」 監督は村の人たちに「あなたがたの村はダムに消える しかし私の映画に残るのです」と言ったそうです こうして監督のインタビューが聞けて本当によかった 貴重な機会でした

    *      *      *

終了後は1階エキシビションホールで開催中の「福本章-二都物語」の「ヴェネツィアの光展」を観ました 
ヴェネツィアの風景画の数々 そしてスケッチブックやメモ 画材なども展示されており 絵についての様々な思い等が伺え大変興味深かったです 

EUフィルムデーズは こちら 6月26日まで開催 
イタリア映画「やがて来たる者へ」(映画K) は6月14日(金) 15:00~と 最終日6月26日(水)19:00~です (ナチスがパルチザン掃討の名目で大量殺りくを行った「マルサボットの虐殺」を少女の視点で描いた作品)


料金500円 定員制です 開場は30分前です 上映開始30分を過ぎたら入れないそうですが だいたい席は座れます 前売り券なし 
私はこのあとドイツ映画「ドイツの空から」を見に行きます
なお いくつか英語字幕の作品もあります 

いただいたチラシは こちら:

ロマン・ポランスキー 「初めての告白
ポルトガル映画の巨匠たち
アフリカ人の描くアフリカ
イェイツ・デー(アイルランド詩人)


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