日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

ドキュメンタリー映画「日本と原発 4年後」を見てきました(2016.6.4)@練馬文化センター

2016年07月08日 | イタリア映画・映画
ドキュメンタリー映画「日本と原発 4年後を見てきました(2016.6.4)@練馬文化センター


今年1月末に「日本と原発」(河合弘之弁護士監督作品)を見てから 今回は練馬でようやく「日本と原発 4年後」を見ることができました 

前作と重なる部分もありましたが 2作目では原発を推進してきた人たちに膝を付き合わせての直撃インタビューで本音を聞き出すところが 人間と人間のぶつかり合いというか 迫力がありましたね

今3作めの「日本と自然エネルギー 未来からの光と風」を制作中とのこと

     *     *      *

2011年4月14日まで 浪江町請戸地区の被災者たちは見殺しにされた 消防団員たちは3月12日の朝 助けを求めるクラクションや音を聞いてスタンバイしていたが 原発が爆発するかもしれないと完全撤退を強いられたのだ
のちに東電が地元に謝罪に訪れた時に 「我々のところに来る前に 池戸地区で亡くなった人たちに手を合わせてから来るのが人として当然のことではないか」と叱責される

「放射能がなければ助かった命はたくさんあった」と悔やむ町長

浪江町の住民が語る あの黒いフレコンバックを見ると涙が止まらなくなると 何世代にもわたって土づくりをしてきた 有機肥料たっぷりの土が 放射能に汚染されて...

20兆ベクレル ゆうに広島原爆168発分の放射能が放出された福島原発事故

3月14日に1号機と3号機の水素爆発 国家壊滅の危機 東電社長と原発所長の生々しいやりとり 当時の空気が会場にしみわたる

あれ程の津波は予見できなかったとするが 事故の3年前の調査結果は握りつぶされていた 


規制委員会は再稼働ありきの組織 「新規制基準は安全基準ではないから 首相が世界一安全な原発と宣伝されても...」と口ごもる委員長  新規制基準は同時多発故障を想定しておらず 全電源喪失もないという設定の上の 机上の論理でしかない

2012年に自民党が帰り咲き 再稼働へと突き進む オリンピック招致時の首相の「アンダーコントロール」発言 


電源三法交付金 総括原価方式により 高い原発を作れば作るほど利益が上がるしくみができあがり 電力会社に足を向けて寝られない 経産省の天下りは長年のなれ合い 社会の実に6割を支配する利権構造ができ上がっている

東電株主65万人に訴えが届く株主代表訴訟 その成果のひとつは 事故後のテレビカメラ会議画像を国会図書館に証拠として保存させたこと 消される恐れがあった

推進側の「夢のエネルギー構想(自己完結型永久エネルギー構想)」は 六ケ所村の再処理施設やもんじゅの事実上の破たんによりストップ しかし1950年代から伏せられ続けていたプルトニウムを核兵器に転換できる能力の保持という推進理由は 事故後に核抑止力の必要性を説く政治家も現れ 浮き彫りとなる 

2013年9月から約2年にわたり原発は動いていなかった しかし同時多発故障を想定していないという福島事故の教訓から目をそらした新規制基準を 「世界一厳しい安全基準」だとして再稼働した首相

さらにテロや戦争の標的となる原発 サイバーテロは実際に2010年でイランで起きていた
原発こそが 「自国にのみ向けられた兵器だった」という矛盾 


飛行機や車の事故と原発事故が決定的に違う点は 個の死ではなく「種の死」の危険で不可逆的(もとに戻らない)
科学技術は失敗の上に進歩してゆくというが 無限定で究明困難なチェルノブイリやフクシマを さらに続ける「覚悟」の上での再稼働だというのか 

世界平均の130倍地震国日本での原発44基(2015年現在)
  
浜岡原発の津波は19メートルとの試算に対し 実は42メートルと指摘される 核燃料はまだ外に出されていない

フィンランドのオンカロは安定した地盤があり 再処理せずに地下深くに保管する

福島原発は立地当時から地下水の問題があり 1千億かかる遮水壁を事故後にとりやめたが 今はさらに莫大な金がかかることがわかる 公害犯罪だ 今も毎日雨水すらも汚染させながら外に出している
 
電力は不足していない(統計局データによる)
「電力会社にとって」原発は安い というからくり 事故処理のコストを載せていないから5.3円と主張する「お約束」だが 実は事故対応コストは青天井

安倍首相の「国富の流出」理論 化石燃料の輸入が3兆6千憶だが 円安等で実は1.5兆
しかしGDPは5~600兆であり国富は3千兆 そのわずか0.5%のコスト増でしかない

推進派の女性議員へのインタビューの中で 「不安な気持ちはよくわかるが もう昔の不便な生活には戻れない だから原発を動かし続けるしかないと思っている」との正直な気持ちの吐露 これは初めて見た 


2014年5月の大飯原発差し止め勝訴「司法は生きていた」のシーン 基準値地震動 福井地裁の「CO2を出さないからという根拠は筋違い」との一文 

2015年の小泉・細川元首相の立ち上げた脱原発構想 自然エネルギーはもうかるから 自然に増えてゆく 


「次にまた福島のような失敗をする覚悟あっての再稼働なのか?」と問われている
原発の危険性に目をつぶった上での日々のすべての営みは 砂上の楼閣でしかない

この映画のラストの重い音楽とともに 日本にある54基の原発施設が次々とスクリーンに映し出されるのを見ながら私は 「あの日」のことを思い出していました

爆発のニュースを知って 自分はもう今まで充分精一杯に生きたのだから もういいかな...諦めないとダメかなって...
でも自分はいいけどまだ若い人たちは...新しい人生の舞台に立ったばかりの子供たちは... そう思いながら日々を過ごしていた 一番思い出したくなかったあの日のことを...

ある日突然 自分の家に帰れなくなってしまうことを 考えてみてほしい...

  *     *      *
   
日本と原発」HPは こちら


ドキュメンタリー映画「日本と原発」の記事は こちら

また 「太陽の蓋」という3.11からの5日間を再現した劇映画が7月16日(土)から渋谷ユーロスペースで公開されます 
炉心溶融/メルトダウン という言葉を使うなと指示したのは 官邸か電力会社か? タイムリーな映画ですね

地球の子ども新聞」というところが Not 20mSvというアピールの新聞を出していました チェルノブイリの地図と日本の地図の比較をよく見てみてください 

あの事故のあとに生まれた近所のお子さんが もう幼稚園に通い始めています...


*     *      *

Disastro nucleare di Fukushima Dai-ichi 福島第一原発事故
Centrale nucleare 原子力発電所
Terremoto e maremoto(Tsunami) del Tohoku del 2011 2011年の東北地震と津波
Resistenza allo tsunami    津波への耐久力
Cause delle esplosioni chimiche   化学爆発の原因
Evacuazione della popolazione    住民の避難
Contaminazione della popolazione  住民の汚染

地震/terremoto:
una scossa di magnitudo 〇〇  マグニチュード〇〇の揺れ
raggiungere la scala(il grado) 〇 del sistema nipponico 日本のシステムの震度〇に至る
l'epicentro 震源地
le scosse di assestamento continuano 余震が続く
le case crollate dopo il sisma 揺れのあとで崩れた家
feriti rimasti intrappolati sotto le macerie がれきの下に閉じ込められているけが人たち
Meltdown nucleare 炉心溶融
materiale radioattivo 放射性物質
Incidente nucleare 原子力事故

la scala INES /International Nuclear and radiological Event Scale è stato classificato al grado 7 国際原子力事象評価尺度でレベル7に分類された

un accumulo (堆積) del materiale fuso (溶けた/fondere) alla base dei recipienti(容器) 容器の底に溶けた物質の堆積

spegnimento stabile 全電源喪失(持続した消失)
i recipienti di contenimento dei reattori 原子炉格納容器
rilasciare di radioattività nell'ambiente 放射能の環境への放出
raggiunto solo dal disastro di Černobyl' チェルノブイリ事故に匹敵する
impianti del ciclo(サイクル) del combustibile(燃料) nucleare 核燃料サイクル施設
l'edificio è stato quello maggiormente danneggiato dalle esplosioni di idrogeno(水素)  建屋は主に水素爆発により破壊された

radionuclide 放射性核種
 iodio ヨウ素 I
 cesio セシウム Cs
cobalto コバルト Co
 plutonio プルトニウム  Pu

residenti evacuati (避難した)dalle zone entro i 20 km dagli impianti di Fukushima  福島原発プラントから20キロ圏ゾーンから避難した住民たち

L'incidente nella centrale di Fukushima ha sollevato discussioni in vari Stati del Mondo
福島原発事故は世界の多くの国で議論を巻き起こした
l'utilizzo dell'energia nucleare 核エネルギーの利用


 
 

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