イタリア文化特別講座 第2回『イタリアテレビ広告の歴史と生活を変えたCAROSELLO』に行ってイタリア版トッポジージョを初めて見ました(2018.6.17)@LCI/吉祥寺
LCI主催のイタリア文化セミナーの2回目は イタリアで愛された多くの製品とその広告を担ったCAROSELLOのテレビの歴史 番組や広告の数々を見てゆきました
この古き良き時代のアニメや白黒フィルムがとてもなつかしくて 自分が小さい頃見ていた白黒アニメと似ていますね また「トッポジージョ」のイタリア語版を初めて見たのですが 日本版と声がそっくり!! でもあの可愛さはイタリア版が数段上ですね♡
女の子に 「トッポ・ジージョ 歌って!!」とおねだりしてくれたら歌ってあげるとすりよるジージョ 可愛いというかイタリア人(ねずみ)っぽい色気を感じました(;・∀・)
まずは1957年1月にCarosello(テレビ広告番組)が始まった時代背景の説明と番組構成の紹介から始まり 1分45秒の短いドラマに続くコディーノ(codino)と呼ばれる30秒の広告が さまざまな制約がある中で(商品名は6回まで、放送は1回のみ等)人気を博し ミラノ弁の登場人物は現代的な ヴェネト方言の登場人物は単純で知識が乏しいキャラとして描かれる等の当時の特徴をみてゆきました
このカロゼッロは イタリアにだけ起こった現象です 広告を集めてひとつの番組にしてしまうのです 他の国ではもっと短いのです そして60年代にだんだんと女性の理想のイメージが変わってゆき 食糧欠乏問題がなくなったことからスリムな女優に人気が集まりました: たとえばGina Lollobrigida から Catherine Spaakへと
またローマのパイパークラブ(Paiper Club)で歌うPatty Pravoが それまでは量り売りだったジェラートを パッケージ商品として紹介するアルジダ(Algida)の広告も見せていただきました Minaもバリラのパスタのテレビ広告で歌っていました
フェリーニの作品でオスカーを受賞したピエロ ゲラルディ(Piero Gherardi)もバリラのテレビ広告の衣装を作っていたそうです 創業者ピエトロ バリッラ(Pietro Barilla)は当初から俳優や監督に投資して独自のカロセッロを創ってゆき 国際的になってゆきました
さてイタリア人はスーツケースに MOKAとヌテッラを忍ばせて旅行に出るといいますが 次はいよいよMOKA EXPRESSの登場です
モカ ビアレッティ(la Moka Bialetti)は1950年代に この創業者であるレナート・ビアレッティ(Renato Bialetti)を風刺漫画にした髭のあるオミノ・ビアレッティ(Omino Bialetti)という生意気な男の子を主人公にしたアニメ広告が人気で 7万台から100万台へと売り上げを伸ばしたのだそうです それまではNapoletanaという 扱いの難しいものが使われていました ← ここLCIにはなんと両方ありました!!
このMOKAの発想はなんと フランスの初代洗濯機が元となったそうで 原始的なバケツのような洗濯機の下に水を入れて熱すると蒸気が上がり それがあふれて洗濯ものを洗うその仕組みを コーヒーメーカーに応用したのですね!! そして創業者のレナート・ビアレッティのお葬式では なんと このMOKAの中に灰(cenere)を入れたのだそうです...(;・∀・)
そして錆びないステンレス鋼(acciaio inossidabile) ラゴスティーナの圧力鍋 これは"La Linea"という線のアニメが使われたそうです
次に 子供のためのものでは Milioneのチーズ(formaggio) Susanna Tuttapanna というまるまるした可愛い女の子がイメージキャラクターで 今もガジェットがプレミアムの値がつくとのこと 講師の先生はこれを小さな頃見て大好きだったそうです♡
また 1965年に登場した そして今でも買えるCaramelle Ambrosoliというキャンディー(caramelle)! はちみつ(miele)だけのと はちみつとミルク(lattemiele)のと 両方ともお土産にいただきました!(^^)!
← Caramelle Ambrosoliというキャンディー
Pavesiのビスケット(biscotti)は 軽くて子供用のティラミスにも使われるそうです
そしていよいよ 1963年に Pavesiniのビスコッティの宣伝に トッポジージョ(Topo Gigio)が登場するのですね♡ ちなみに日本では1966年からです 声優さんも同じような声の方でした 日本でもPavesiniは買えるとのこと
そして時代はウエスタンへと人気が移り グリンゴ(Gringo)も カウボーイ姿からバイクへと変わりました
1977年1月1日 約20年間続いたCaroselloの最終回が放映され 幕を閉じます コマーシャルは30秒と短くなり テレビの役割も変わってゆきますね 1978年にベルルスコーニの作ったプライベートテレビ番組ネットワークである"canale 5"が登場します
2017年には カロゼッロ生誕60周年記念切手が発売されたそうです
ちなみに 「食文化の変容にみる戦後イタリア社会 - 1960年代を中心として」(泰泉寺友紀著/日伊文化研究56号)によると 食料事情の厳しかったイタリアに 家族で食卓を日常的に囲む風景が見られるようになってきたのは1950~60年代 それを表す食品のひとつとして「ヌテッラ」が挙げられています 「カロゼッロ」でもヌテッラが「幸福な家族」の象徴として登場してきたのですね
LCIイタリア文化特別講座 第2回『イタリアテレビ広告の歴史と生活を変えたCAROSELLO』は こちら
第1回のリポート「イタリア文化セミナー『イタリア広告が庶民の生活に及ぼした影響(l'influenza della pubblicita' nella cultura popolare Italiana)』に参加して なつかしのカリメロに再会してきました(2018.2.25)@LCI」は こちら
* 写真は クイズのあとの休憩の時にMOKAでコーヒーを作ってくださり アフォガート(affogato)でいただきました♡
お知らせ: LCIでは 「東京オリンピック通訳ボランティア準備セミナー 」を開催するそうです もうオリンピックのボランティア募集が始まるのですね~
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