日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

トークイベント「食とアイデンティティ」(カルミネ・アバーテ他)のお知らせ(2020.11.17/イタリア文化会館)&「ふたつの海のあいだで」(カルミネ・アバーテ作 関口英子訳)の感想

2020年11月10日 | イタリアの本・絵本・雑誌
トークイベント食とアイデンティティ」カルミネ・アバーテと作家の楊逸の対談のお知らせ(2020.11.17/イタリア文化会館)&「ふたつの海のあいだで」(Tra due mari)」(カルミネ・アバーテ/Carmine Abate作 関口英子訳)の感想



今年の夏に取ったアバーテの購読レッスンで読んだ「海と山のオムレツ(il banchetto di nozze e altri sapori収録/la frittata mare e monti」が つい最近日本語版出版(関口英子訳)となりました!!  ← これでようやく答え合わせができる(笑)



そして 原作者のカルミネ・アバーテ氏と 作家の楊逸氏 司会はアバーテの本を翻訳された関口英子先生という夢の対談が 11月17日(火)にイタリア文化会館で開催されます!!

トークイベントは こちら

     *     *     *

以下は アバーテの本「ふたつの海のあいだで(Tra due mari)」の感想です:

アバーテの短編の購読レッスン(メール)が無事終わったので まだ日本語ではアバーテの作品は読んでいなかったため 借りてきて一気に読みました

アバーテの短編は 少数言語アルバレシュ語*の話されるカラブリア州出身の作家自身の子供時代の思い出がメインで アルバレシュ語・カラブリア方言などもしょっちゅう出てきます
これはわからなかった~ ネットでも出てこないし 
先生からは訳す前にアドバイスをいただけますので だいぶ助かりました!!

*15~16世紀にかけて オスマントルコの侵略から逃れてきたアルバニア人が持ち込んだ バジリカータ州やカラブリア州などに点在するアルバニア語(少数言語)のこと


とりあえず最初は「ふたつの海のあいだで(Tra due mari)」!!
今までさんざん四苦八苦して訳してきたものが なんとここに書いてあった!! そういうことだったのか~!!と 答え合わせができたっていう感じです(;´∀`)

訳すのに苦労した郷土料理や食べものの名前とか カラブリア方言とか... 小さい字で原語も書いてあるので (ドイツ語やイタリア語でも)  それらも味わいつつ読みました
cresta di galloは 雄鶏の鶏冠 すいかの中心の一番おいしいところをいうのだそうです (花の名前にもありますが)

内容は まるで映画を見ているかのようにそのシーンが頭に浮かんできます なので一気に読み終えてしまいました
それに 少しでも離れると 登場人物が分からなくなってしまうので(笑) 2回読みました

だしぬけに驚かされるシーンもありますが きっとこうなるだろうなぁ...とはらはらしながら読んでいくと やはりそういう展開になって...
並行してシチリアのマフィア映画も見ていたためか あぁやっぱり...と思うところあり 
主人公の若者の恋愛シーンも まるでM.ベルッチ主演の「シチリア!シチリア!」のワン・シーンみたいでしたね💛

代々カラブリアにある架空の村ロッカルバ(アバーテの生まれ故郷カルフィッツィを思わせるとのこと)に伝わる宿屋
《いちじくの館》の主人の孫ジョルジョ・ベッルーシと たまたま出会って旅をした写真家と
その家族たちの 世代を超えた壮大な物語 とてもスケールが大きく ちょっとした伏線が あとになって膝を打つように謎を解いてくれる 読む楽しさにドキドキしました

かつて存在した《いちじくの館》の再建に人生を賭けるジョルジョ・ベッルーシ 決して屈することはない男
その孫であり ドイツ人を父に持つフローリアンは アバーテ自身を反映させているとのこと 
なので他の短編とも通じるところがあり合点がゆきました

しかし 日本語で読むのって 楽ですね~スイスイと(笑) 
まだまだ他の作品も読み続けます(^.^)  もっと長編も読めるようになりたいなぁ...

あらすじ:

ティレニア海とイオニア海を見下ろす場所に、かつて存在した《いちじくの館》。
焼失したこの宿の再建を目指す祖父と孫を中心とする数世代にわたる旅は、時に交差し、時に分かれて、荒々しくも美しい軌跡を描いてゆく――。
豊饒なイメージと響き渡るポリフォニー。
イタリアの注目作家による、土地に深く根差した強靱な物語。


ふたつの海のあいだで(Tra due mari)」の本は こちら



イタリア語ランキング

にほんブログ村 外国語ブログ イタリア語へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする