日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

「ビバ!公務員(Quo vado)」を見て背景を考えてみました@アマゾンプライム

2021年05月08日 | イタリア映画・映画

「ビバ!公務員(Quo vado)」を見て背景を考えてみました@アマゾンプライム

 

良くも悪くもこれがイタリア人!って感じのコメディー映画 楽しめました💖

その反面身につまされるというか... 自分の家庭と一部似ているところがあるので 

ノルウェーの家族からそこを思いっきり笑われると...(/ω\)

 

マンモーニ(マザコン)のイタリア男は けっこうな年になっても親元で暮らしてる人も多く 

一番大切なマンマに面倒見てもらいながら独身生活を謳歌してる主人公ケッコ(ケッコ・ザローネ/Checco Zalone)

 

しかしいくら安泰な公務員といえど 行政改革によってとうとうリストラの対象となり 僻地に飛ばされて...というストーリー

子供の頃からの夢をかなえて一生安泰の公務員となったものの イタリアの行政改革(デルリオ改革)により早期退職か転勤かの選択を迫られ 数々の嫌がらせにも屈せず職にしがみつくケッコ

子どもの頃のケッコが 先生から 将来何になりたい?と聞かれて元気よく「posto fisso!」と答えるのですね...

それが 公務員(impiego statale他)いう単語ではなく 「posto fisso」(定職/permanent position)と答えて それが「公務員」という日本語をあてられているわけですね~

 

ちなみに原題の「Quo vado」は ラテン語で 「私はどこへ行く?」とのこと

 

でもあのヴァレリアはすごい女性!!  同性からみても 最初の恋人よりはずっと好感度アップ

でも北欧の urbanoの精神からいくとイタリア人はダメダメ... クラクション鳴らさないの! 順番守るの!

人種差別を子供に教えないの!  

そしてヴァレリアと家族のためにノルウェーの地で次第に変わってゆく公務員ケッコは やがてイタリアが猛烈に恋しくなり..

民族性の違いについても考えさせられる映画でしたね

 

    *    *    *

 

さてこの面白いコメディーのネタバレも書けないので この映画の背景について...

イタリアではそうそう解雇ができないために若者の失業率が高いと聞いていたのですが 変わってきたのですね またサボりも常態化していたり 汚職や賄賂やコネもあって...

 

また 30代後半にもなって親元暮らしなんて...と子供たちに(子供は正直で容赦ないね)笑われるシーンですが 

その背景は 独身の若者が独立するには所得が足りないからというのもあり 

税金は高いけど社会福祉がしっかりしている北欧などではそんなことはないのですよね

 

ちなみに 各国のパラサイトシングル比較の表は 「日本の若者の貧困化が「パラサイト・シングル」を増加させる」 日本は42.15% スゥエーデンは 4.64% 

 

ここにはイタリアの数字がありません なので検索したのが

恋愛の国イタリアが超・低出生率のワケ

この記事によると 「例えば、親の家から出て独立する平均年齢を比べると、スウェーデンは男性が20.0歳、女性が18.6歳なのに対し、イタリアは男性が26.7歳、女性は23.6歳。イタリアは、いわば「パラサイト」王国なのです。この原因は、福祉政策の貧弱さにあると言われています。失業補償や所得保障が手薄なため、若者が経済的に自立しにくく、親に長く財政的に依存せざるを得ません」とあります

 

ともあれ 公務員はどんな僻地にも飛ばされる そして最後は人々のために英断を下したケッコに拍手!!

 

ビバ!公務員(Quo vado)」(2017年劇場公開)は こちら

作品紹介(2015年製作)は こちら

 

日伊協会のセミナー『Viva! 公務員』を楽しむためのセミナー「イタリア映画で笑うために」のご報告」は こちら← 受ければよかった~!!

 

他にも記事いろいろ:

Altro che flessibilità, l'italiano medio vuole (ancora) il posto fisso」(2014.8.24) は こちら

タイトル: 「フレキシビリティどころじゃない、 平均的なイタリア人は(まだ)公務員(恒久ポスト)を望む」

抜粋:   Checco Zaloneが映画で演じた公務員は 今もなおイタリア人が求める労働形態であり 一方10人中2人が自営業(un’attività in proprio)を望む とあります

 

Posto fisso, in Italia è un mito degli anni ‘90」(2017.8.3)は こちら

 タイトル/「イタリアではposto fisso(公務員・定職)は90年代の夢物語

抜粋: Il 74% degli italiani non crede più al posto fisso, vale a dire 3 su 4. Oggi il lavoro è visto come un qualcosa di provvisorio, flessibile direbbero i nostri politici, precario dicono i lavoratori.

イタリア人の74%がもはや定職を信じてはいない、つまり4分の3がだ。 今日では仕事は何か臨時のもの、と見られている、フレキシビリティとは我々の政治家たちのことを言うのだろう、非常勤というのは労働者のことをいうのだ。

職を求めて海外移住も増加(fuga di cervelloの問題)ともあります

 

イタリアの公務員の給与」(2005年)は こちら

イタリアの公務員改革」(2007年)は こちら

 

楽しい映画でしたけど 色々考えさせられもしました!!

 

 


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