「イタリアの魅力を発見 - 歴史、文化、芸術を巡る旅 ALLA SCOPERTA DELLE MERAVIGLIE D'ITALIA - ラヴェンナ- モザイクの街」のセミナーに参加しました-第1回前半(2021.5.22)@リンガビーバ・イタリア語教室
オンラインでいつも受けているリンガビーバ・イタリア語教室の「イタリアの魅力を発見」シリーズ 今回はモザイクの街ラヴェンナ(Ravenna)です
初期キリスト教建築物群と イタリアのビザンチン芸術の傑作の数々を紹介してくださいました
今取っているローマ歴史講座で習っている時期ともちょうど重なりラッキー♪ 今回のセミナーは2回に分けてみっちりご紹介いただき満足です💖
いつも日本語のサイトも色々読んで準備しておくのですが 前日に20ページものプリントが届くので目を通しておき 建築用語や固有名詞を押さえておくとだいぶ聞き取りやすくなり 復習もその分楽になります!!
久々にイタリア語を集中して2時間聞き続けて とても充実したセミナーでした!
第1回 : ガッラ・プラチディア霊廟、ネオニアーノ洗礼堂、アルチヴェスコヴィーレ礼拝堂、テオドリクス帝霊廟など
第2回 : アリアーニ洗礼堂、サンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂、 サン・ヴィターレ聖堂、サンタポリナーレ・イン・クラッセ聖堂など
セミナーが始まる前に 以前他の文化セミナーで生まれて初めて作ったモザイクの作品を皆さんにお見せしました💛
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- ラヴェンナ(Ravenna)の街について
ヴェネツィアのように小さな島からできた街で ガリアやケルト人に侵略され 首都のミラノから 水に囲まれてより安全なラヴェンナに逃げて首都を造りましたが 地盤沈下(subsidenza)が問題でした
東ローマ帝国ラヴェンナ総督領(Esarcato d'Italia)の首府でした
西ローマ帝国や東ゴート王国が首都を置き 東ローマ帝国ラヴェンナ総督領(Esarcato d'Italia)の首府でした
- 世界遺産「ラヴェンナの初期キリスト教建造物群」について
1996年に文化遺産に登録されました 登録基準は ⅰ(人類の創造的資質を示す傑作) ⅱ (建築、記念碑、都市計画等の価値観の交流) ⅲ (文明の存在の証拠) ⅳ (建築様式・技術や景観の顕著な見本)です
初期キリスト教建築物には 色大理石や色ガラスで作られたモザイク装飾が見られますが ラヴェンナの聖堂は群を抜いた優美さを誇っています
その外観は質素ながら 内側のモザイク装飾はビザンツ文化の影響を示す豪華さで 初期キリスト教文化の頂点を示しており 8つの構成資産は 5~6世紀に建てられました
また セミナーのはじめに モザイクの作り方について詳しく教えてくださいました 主な材料はガラスの粉(pasta vitrea)で 3人の画家(pictor)がデザイン、壁に描き写す、モザイクの小片(tesseraa)をはめ込む作業を分担していたそうです
色も 赤は鉄など それぞれの酸化物(ossido)を混ぜて作りますが 金(光を表し キリスト教で大切な色)と銀だけは別で 金や銀の薄板(lamina)をガラスで挟んだそうです
次に 世界遺産を順番にひとつひとつ見てゆきました...
- ガッラ・プラチディア霊廟(il mausoleo di Galla Placidia)
私はラヴェンナの中ではここが一番好きです💖 というのもガッラ・プラチディアの数奇な運命を知ったからです
390年にテオドシウス帝(Teodosio Ⅰ)の娘 そして首都をミラノからラヴェンナに移したホノリウス(Onorio)の妹として生まれた彼女は 410年のローマ略奪で西ゴート族(Visigoti)のアラリクス王(Alarico)に囚われて 彼の義弟のアタウルフ(Ataulfo)のもとに嫁ぐも死別 再婚したホノリウスの部下のコンスタンス三世(Costanzo Ⅲ)とも死別します 421年にホノリウスと対立してコンスタンティノープルに移り 幼い息子ヴァレンティアヌス三世(Valentiniano Ⅲ)が西ローマ帝国の皇帝となり 宰相(reggente)として皇帝を支えたという壮絶な人生でした
435年にローマで亡くなり のちに遺体は石棺(sarcofago)に戻されたといいます 石棺はガッラ 夫Costanzo Ⅲ 息子Valentiniano Ⅲ(あるいは兄Onorio)と3つあります
この霊廟の外側は装飾もなく控えめで(sobria) その反対に内側が絢爛豪華なのは 外見よりも精神が大切というキリスト教の精神を反映しているとのこと
屋根に松(pigna)があるのですが 松は不死(immortalità)と完全(perfezione)のシンボルとのこと
円形の外被(tiburio)でおおわれてクーポラ(cupola)は見えません 地盤沈下(subsidenza)により地下に一部埋まっていたそうです
中に入ると見えるアラバスター(alabastro)は光を透かします 濃い青の地に多くの美しい3枚の花弁(tripetali)の花が描かれており 三位一体(trinità)を表します
入口の上の小窓(lunetta)にあるよき羊飼い(Buon pastore)の絵は ひげのない若いキリストが描かれています 影までもモザイクであらわされていますね 三次元(tridimensionalità)の厚みを帯びています
空はまだ青ですが のちの時代には空は金で描かれるようになるそうです
小窓に描かれたロレンツォの殉教(Martirio di San Lorenzo)は 33才にして火あぶりの刑に向かう聖人が描かれており 本棚には4冊の福音書(4 Vangeli)があります
上を見るとクーポラには藍色(blu indaco)の地に570もの金の星が 頂点の金の十字架に向かってちりばめて描かれ とても美しいですね
四隅には4匹の翼をもつテトラモルフォ(tetramorfo)が描かれています
← 570もの金の星が十字架に向かっています
クーポラの下には 8人の使徒(apostoli)が描かれています 鍵を持つ聖ピエトロ(San Pietro)と 巻物(rotolo)を持つ聖パオロ(San Paolo)の下には カトリックのシンボルの鳩(colombe)が2羽 永遠の命であり救いのシンボルである水を飲んでいます
上には貝(conchiglia)が描かれており 貝はボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」の絵で有名ですが 異教のシンボルでもあり それが初期キリスト教で再利用されたとのこと
写真は上のタイトルをクリックするとみられます
後半に つづく
セミナーは こちら
いつもこの学校の自宅学習の練習問題をやっています♪
素晴らしいセミナーを開催してくださいましたリンガビーバ・イタリア語教室様に 心よりお礼申し上げます
夏季講座は「アマルフィ海岸とソレント半島 La Costiera amalfitana e la Penisola sorrentina」(2021.8.21-23)です
*写真は ガッラ・プラチディア霊廟