日本で最も美しい村連合フォーラム2017でアルベルゴ・ディフーゾ(Albergo Difuso)について聞きました(2017.11.15)@イタリア文化会館+連合2017写真展のお知らせ@西武池袋本店(2017.12.12~18)
「日本で最も美しい村連合フォーラム」のシンポジウムで イタリアにできた「Alberbo difuso(AD)」協会のジャンカルロ・ダッラーラ(Giancarlo Dall'Ara)会長から イタリアでの事例を示していただきました
Alberbo Difusoとは 大きなホテルを建てるのではなく 空き家をいくつか再生して村ごとホテルにするという「集落まるごとホテル」といった試みのことで イタリアでは1980年代から始まり クロアチア スペイン スイス等にも展開しています
この日は立ち見が出るほど満杯で (私も立ち見...)スローフード協会のカルロ・ペトリ―ニ会長来日の時を思い出してしまいました 全国各地から「小さな村」連合の関係者が見えており熱い質問を投げかけ ホワイエには日本の「小さな村」のパンフがぎっしり!! 自分たちの村をどう興していったらよいか 空き家の再生の事例を真剣に聞いていました
* * *
アルベルゴ・ディフーゾ(AD)は 直訳すれば「分散型ホテル」です
持続可能なホスピタリティー形態で 家屋とサービスのネットワークのことです ひとことでいうと 大きなホテルを建てるのではなく 空き家を再生して村をひとつのホテルに見立てた地域経営の仕組みです
イタリアのBorghi(ボルギ)は village(村)と異なり 人々の居住地域が城壁などで囲まれた形を示しますが 5,000ものボルギが救いを求めており イタリア全土で700万戸もの空き家が(全戸数の22,5%)あり 南イタリアに集中しています
← カンパーニャ州エボリ(Eboli)の事例
そのボルギの過疎化をくいとめ アイデンティティーを失うことなく発展する方法として アルベルゴ・ディフーゾは 既存の建物を活かして 観光地化されたものを好まない旅行者のために作られたものです
つまり 地域になじんだ住居のままの宿泊施設に泊まり 観光客としてではなく 一時的な地域住民(residente)としてそこにいることになります 旅行者は住民たちの中で暮らし 住民たちと同じものを その村で採れたもの(キロメートルゼロ)を食べ アクティビティを楽しみます
たとえば村の「道」が「廊下」の役割をするなど 家屋とサービスのネットワークを構築するのです
←モリーゼ州(Molise)の事例 Centro storico(歴史的中心地区)に作られた
村の中心地にレセプションを ロビーは広場 家屋が宿泊部屋となり 最低7棟がアルベルゴ・ディフーゾの認定に必要とのこと なので 最初は普通の宿泊施設から始まり やがてはアルベルゴ・ディフーゾに認定されるところが多く 住民も増えて雇用も増えてゆきます 気に入ってそこに住む人もいるそうです
自治体が主導し 住民にアイディアを示し 家主が空き家を提供あるいは再生し 宿泊施設とします アルベロベッロにも2つのアルベルゴ・ディフーゾがあるそうです
2015年現在で86地区あり 2011年の35地区から2.5倍に増えました トスカーナやラツィオ州に多く サルデーニャにも10地区あります
← サルデーニャのアルベルゴ・ディフーゾ
ほんものの環境にこだわる「真正性(autenticità)」と 新しい仕組みを導入しようとする「革新性(innovatività)」が特徴です
成功のカギは経営者(gestore) また村は活気ある(viva)地域社会であること 人のいない(disabitata)旅行者のみの村では意味がありません
そしてまた 季節に左右されない(ビーチ・リゾートは夏だけ流行りますが 村の生活そのものを楽しむので年間を通して人が来ます)とのこと
小規模集落の再生に向けた新しい地域経営モデルと 環境負荷の少ない地域資源再生と ネットワーク化にもとづくホスピタリティが 持続可能なツーリズムの新しいモデルなのですね
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日本におけるアルベルゴ・ディフーゾについて
←日本におけるアルベルゴ・ディフーゾ
日本では伝統家屋の空き家は多く アルベルゴ・ディフーゾにするには問題はないのですが ノウハウが問題で イタリアのように 住民とのアイディアやコンセンサスの共有がまだなく また改築費用は イタリアでは8割が私的に 2割が公的資金で賄われているが やがては家賃収入で回収してゆくとのこと 無償で空き家を貸し出すところもあるそうです
ただ 具体的な質問に答えて会長より 「イタリアでも困難な歴史のあとで成功した」とのお話をいただきました 20州それぞれに異なったアルベルゴ・ディフーゾの法律(legge)があり 16年かかったところもあったそうで 会長はイタリア中を駆けずり回り かけあったとのことです
今は150の自治体にあるのですが 今後も増やす予定で 日本で作るには セオリー上はできるにせよ imprenditorierità(起業家としての能力)が つまりはやる気 意気込みが大切であり 横のネットワーク作りが必要で たとえば家主が若い経営者志望の若者に空き屋を売るか? ローカルガイドの育成等です
日本では今のところは北海道等で 地域活性化策として検討されているとのこと
← 日本とイタリアのパートナーシップ
トーク・セッションについては 次の予定があり パネラーの皆様の自己紹介を聞いたところで失礼させていただきました...残念((+_+)) ← なぜ同じ日に3つも重なるんだ~(泣)
私は前の予定があり 『「日本で最も美しい村」連合 設立から将来に向けて』は聞けませんでしたが レジュメをいただきました
連合は2005年に設立し 「世界で最も美しい村」連合会には イタリア フランス ベルギー(ワロン) スペイン カナダ(ケベック) と合わせて世界連合ができています
「世界で最も美しい村」連合会は こちら
ちなみに 日本では「平成の大合併」で市町村数が激減し 慣れ親しんだ由緒ある地名がたくさんなくなりましたが フランスでは合併はしなかったそうです なので小規模自治体の再生はフランスが参考になるのだそうです
ホワイエには 「イタリアの最も美しい村 全踏破の旅(I Borghi più belli d'Italia)」の写真集や 各小さな村のパンフレットに名産品がぎっしり...参加者もぎっしり...すごい熱気でした!!
← 日本の美しい村のパンフレット
NPO法人「日本で最も美しい村」連合は こちら
Tutta Italiaの展開する「アルベルギ・デフーズィ(Alberghi Diffusi)」については こちら ← いよいよ出ました 「イタリアの小さな村の古民家滞在とシンプルライフの旅」22か所!! なかなかここまではできません♡
開催のお知らせは こちら
* * *
【「日本で最も美しい村」連合2017写真展@西武池袋本店】のお知らせ
「日本で最も美しい村」連合フォトコンテストの全受賞作品の中から 珠玉の30点を集めて写真展を開催いたします
生活の営みにより形成されてきた その土地ならではの景観・環境や地域の伝統文化が伝わる写真など 小さくても輝くオンリーワンを持つ加盟村の情景を 是非お楽しみください
場所: 西武池袋本店 8F特設会場
日時:2017年12月12日(火)~18日(月)午前10時から午後9時
※12月17日(日)は午後8時まで
主催:「日本で最も美しい村」連合
写真展は こちら
これからの 美しい村そしてアルベルゴ・ディフーゾの将来に向けての発展を 心よりお祈り申し上げます
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