昨日の日本農業新聞e農netに「日照不足が戦後最悪 降水量も最多更新 8月の西日本 (2014/9/2)」という記事が出ていた。
内容は以下の通り
西日本の8月の日照不足と多雨が戦後最悪となったことが1日、気象庁のまとめで分かった。
日照時間は平年比48%、降水量は同274%となり、いずれも同庁がデータを取り始めた1946年以来の記録を更新した。
農業にも影響が目立ち始め、産地からは、農作物の生育遅れや病害の発生の広がりを心配する声が上がる。
日照時間は太平洋側が平年比54%と、これまで最も少なかった80年の記録(同57%)を塗り替えた。
日本海側は同42%で、80年の同41%に次いで戦後2番目の少なさだった。
方別では、九州南部・奄美(同70%)で記録を更新、統計上、最も少なくなった。
中国地方(同39%)、四国(同47%)はこれまでの最少記録と同じだった。
降水量は、西日本の太平洋側が同301%となり最多。
日本海側は同242%で3番目に多くなった。近畿(同385%)、四国(同374%)の雨量が目立った。
・「晴れ」わずか2日… 日照不足で農家苦悩 JA島根おおち管内
JA島根おおち管内の島根県邑南町。
8月に入り、日照時間は平年の3割しかなく、曇りや雨の日が続く。
若手農家だけでなく、これまでにない異常気象に、ベテラン農家も対応に苦慮している。
続く日照不足に、JA全農しまねは秋冬野菜の定植作業の遅れを懸念する。
戦後最大規模の長雨と日照不足に見舞われた西日本では、各地で著しい農作物の生育遅れが出ている。
露地でナスを10アールで栽培する邑南町の沼田高志さん(25)は天候を毎日、日記に記入しているが、8月に入り「晴れ」と書いたのは2日だけ。
「とにかくナスが肥大しない。雑草が生えやすく、根腐れも発生している」と日照不足のひどさを訴える。
玉伸びを促すため、苦肉の策として摘果を徹底、肥大が進みそうなものだけを厳選して枝に残している。
同町では8月の1カ月間の日照時間が49.5時間と平年の29%にとどまり、島根県内で最も少ない。
降水量は264ミリと平年より76%多い(気象庁調べ)。
そのため、果菜類の着果率が悪化、JA管内の8月中旬までの夏季出荷量はナスが前年同期比38%減の4万2000トン、ミニトマトが同24%減の3万7000トンとなった。
ベテラン農家も対応に頭を悩ませる。
4アールでナスを栽培する岩本秀明さん(63)は「相場は良いが着果不良で出荷できるものが少ない」とこぼす。
同JAによると、ビニールハウスの遮光資材を外したり、摘果を例年以上に徹底し樹勢を維持したりするなど「対策は限られている」(営農企画課)ためだ。
今後、秋冬野菜の作付けへの影響も懸念される。
JA全農しまねは「圃場(ほじょう)の準備が遅れキャベツやブロッコリーなどの定植に遅れが出る可能性が高い」(農産課)と心配する。
西日本各地では、長雨と日照不足を懸念する。
高知県園芸連は「台風12、11号で傷んだ作物の生育が回復しない」と被害の拡大を懸念。
「ネギやホウレンソウの出荷が減っている」(JA全農ひろしま)、「県北の産地でトマトやナス、ネギの生育が鈍い」(JA全農おかやま)、「キャベツの定植時期が遅れる」(JA全農やまぐち)と有効な解決策がない中で、今後の農産物の生育に不安を募らせている。(伊田雄馬)
というもの。
大変なことが起こっているのだが、消費地は、まだ他人事として考えている感じがしている。