今回の現地視察と打ち合わせの中で、一番急を要する産地が、伊万里市黒川町の「伊万里深山米(旧名:深山清流米)」である。
具体的な取り組みとしては
1.安心・安全な農産物の生産
・佐賀県特別栽培農産物の認証
・稲わらすき込みを目指した栽培管理
2.おいしい米づくりを目指した栽培管理
・土づくり資材の配布
・適期・適量な施肥の実施
・生育ステージに合わせた細やかな栽培管理
3.こだわり米の製品化
・特別栽培と葉色診断に基づく区分荷受けによる、こだわりの追及
・販売販促活動
・実力を知るための食味会の実施や米専門店による食味の評価
・品質向上への意識向上(色彩選別機の導入 H25導入)
26年産では、栽培技術のレベルアップ(タンパク質含有率のバラつきを減らす、減肥栽培においても収量を確保)、販売力強化、生産者数の増加に取り組んでいる。
現地に行って驚いたのは、かなり歴史のある石垣(高さ1~5m弱)の棚田が、谷に細く長く続いていて、生産者の平均年齢からは考えられないほど、綺麗に畦の管理がされているし、棚田にありがちな生育ムラが無かったという事。
第一印象としては、「これは凄い」だった。
しかし同時に、「これは緊急事態だ」とも思った。
緊急事態というのは、放棄水田が広がり始めているのが、明らかに判るからである。
ブランドに育てるために必要なのが、お米の物語。
その地域の歴史・風土から考えられる、その地域だけの物語。
そして、それを証明するお米の美味しさと特徴。
自分がネットなどで調べた中では、深山については殆ど情報が得られなかったが、現地で年配の生産者が話してくれた歴史には驚かされた。
記録ではなく、口伝え。
早急に全てを聞いてもらって、物語を組み立ててもらいたいものだ。