日本農業新聞e農ネットに「14年産米概算金 10年産下回り最安 (2014/9/17)」という記事が出ていた。
内容は以下の通り
2014年産米の概算金が出そろった。
新潟「コシヒカリ」など一部を除き、ほとんどの銘柄が前年より3000円前後下げ、60キロ当たり1万円を割る過去最安値となった。
13年産繰越米を含め、過剰感が強まっているためだ。
全農県本部などは、早期販売を目指して大幅に引き下げたが、政府が育成しようとする担い手の採算ラインを割り込む恐れもある。
概算金決定は8月末から始まり、今月16日までに、最終組の東北が出そろった。
上位の1万2000円台は新潟コシや山形「つや姫」などで、前年比1000円台の下げ。
北陸コシや北海道銘柄が1万円台で続いた。
その他は、他産地「コシヒカリ」9000円、東北の主要銘柄が8000円台で、下位価格帯ほど下げ幅が大きい。
回安値だった10年産の水準を1000円ほど下回った。
スーパーには、5キロ1500円を下回る超安値米も出始めている。
[米安値時代 '14年出来秋事情 1] 競争過熱 産地激震、5キロ1180円も
2013年産の低落相場を引きずりながら、14年産新米が出回り始めた。
産地は、販売のテンポを速めるため、苦渋の60キロ当たり1万円割れ概算金を決断した。
一方、米卸は先安観の不安に縛られ、新米の動きは鈍いままだ。
概算金が出そろった今、米流通の出来秋情勢を追う。
・前年売れ残り響く 「売り切るため」概算金圧迫
今年3月、スーパーの店頭で5キロ1500円(税別)を切る「コシヒカリ」が出回り始めた。
既に2000円割れは珍しくなかったが、それでも1800円どまりだった。
販売見通しのつかない米業者が、消費税率アップ前の駆け込み需要に乗って米をさばこうと、安売り合戦に参入したためだ。
主要産地は、13年産の販売見通しを年明けから真剣に検討していた。
米穀機構に売り渡す隔離分35万トンを除いても、売れ残りの不安が高まっていた。
特に、販売量の多い主産地の全農県本部は「30万トン前後の売れ残りをどこの産地が持つか。うちだけは避けたい」と、売り込みに懸命だった。
売り込み策の一つに値引き販売があるが、「共同計算の赤字を出すわけにもいかない」と、大幅な値引きに、産地は慎重だった。
しかし、在庫を抱えた商系業者などから流れた米が、「1500円米」となって出回るにつれ、値引きに走る産地も出てきた。
「1500円米」は、米卸の仕入れ値が1俵(60キロ)1万2000円(玄米・税込み)でないと実現できない計算だ。
この時期、卸の仕入れ値は、関東産「コシヒカリ」で1万4000円水準(農水省相対価格)だったため、スーパーの特売用に1俵2000円を超える値引き米が出回り始めていた。
こうした中、14年産の 概算金決定の出来秋を迎え、「今年ほど先が読めない年はない」と、各産地とも 難しい判断を求められた。
昨年の出来秋から、在庫を抱えた米卸への売り込み苦戦が続き、春先からは相場の急落も加わった。
さらに、東日本大震災以降、全国流通の4割を占めるまで増えてきた事前契約が、14年産は大幅に減り、販売見通しが立たなくなった。
8月末から各産地の概算金が明らかになると、前年より1俵当たり3000円前後安い水準に、「一体どうなっている」「どうしてこんなに安くなる」と稲作農家は衝撃を受けた。
しかし、各産地とも「一刻も早く売り切る」ことを大目標に掲げ、超低概算金に踏み切った。
実は、春からの「1500円米」の出現が大きく影響していた。
「1500円米」が可能な概算金は、1俵9500円水準。
「1400円米」となれば、1俵9000円を割る水準となる。
9月に入り、新米商戦も活発化。
税込みでも1500円を割る「1380円米」の「コシヒカリ」があふれるまでになった。
中には、「1180円米」の関東産「あきたこまち」を売り出す大手スーパーまで出現。
「早くもここまで来たか」と、関係者に衝撃を与えている。
というもの。
総崩れとは、まさにこの事だ。
あちらが立てば、こちらが立たない。
全てを立て直すのは、すでに不可能だろう。
内容は以下の通り
2014年産米の概算金が出そろった。
新潟「コシヒカリ」など一部を除き、ほとんどの銘柄が前年より3000円前後下げ、60キロ当たり1万円を割る過去最安値となった。
13年産繰越米を含め、過剰感が強まっているためだ。
全農県本部などは、早期販売を目指して大幅に引き下げたが、政府が育成しようとする担い手の採算ラインを割り込む恐れもある。
概算金決定は8月末から始まり、今月16日までに、最終組の東北が出そろった。
上位の1万2000円台は新潟コシや山形「つや姫」などで、前年比1000円台の下げ。
北陸コシや北海道銘柄が1万円台で続いた。
その他は、他産地「コシヒカリ」9000円、東北の主要銘柄が8000円台で、下位価格帯ほど下げ幅が大きい。
回安値だった10年産の水準を1000円ほど下回った。
スーパーには、5キロ1500円を下回る超安値米も出始めている。
[米安値時代 '14年出来秋事情 1] 競争過熱 産地激震、5キロ1180円も
2013年産の低落相場を引きずりながら、14年産新米が出回り始めた。
産地は、販売のテンポを速めるため、苦渋の60キロ当たり1万円割れ概算金を決断した。
一方、米卸は先安観の不安に縛られ、新米の動きは鈍いままだ。
概算金が出そろった今、米流通の出来秋情勢を追う。
・前年売れ残り響く 「売り切るため」概算金圧迫
今年3月、スーパーの店頭で5キロ1500円(税別)を切る「コシヒカリ」が出回り始めた。
既に2000円割れは珍しくなかったが、それでも1800円どまりだった。
販売見通しのつかない米業者が、消費税率アップ前の駆け込み需要に乗って米をさばこうと、安売り合戦に参入したためだ。
主要産地は、13年産の販売見通しを年明けから真剣に検討していた。
米穀機構に売り渡す隔離分35万トンを除いても、売れ残りの不安が高まっていた。
特に、販売量の多い主産地の全農県本部は「30万トン前後の売れ残りをどこの産地が持つか。うちだけは避けたい」と、売り込みに懸命だった。
売り込み策の一つに値引き販売があるが、「共同計算の赤字を出すわけにもいかない」と、大幅な値引きに、産地は慎重だった。
しかし、在庫を抱えた商系業者などから流れた米が、「1500円米」となって出回るにつれ、値引きに走る産地も出てきた。
「1500円米」は、米卸の仕入れ値が1俵(60キロ)1万2000円(玄米・税込み)でないと実現できない計算だ。
この時期、卸の仕入れ値は、関東産「コシヒカリ」で1万4000円水準(農水省相対価格)だったため、スーパーの特売用に1俵2000円を超える値引き米が出回り始めていた。
こうした中、14年産の 概算金決定の出来秋を迎え、「今年ほど先が読めない年はない」と、各産地とも 難しい判断を求められた。
昨年の出来秋から、在庫を抱えた米卸への売り込み苦戦が続き、春先からは相場の急落も加わった。
さらに、東日本大震災以降、全国流通の4割を占めるまで増えてきた事前契約が、14年産は大幅に減り、販売見通しが立たなくなった。
8月末から各産地の概算金が明らかになると、前年より1俵当たり3000円前後安い水準に、「一体どうなっている」「どうしてこんなに安くなる」と稲作農家は衝撃を受けた。
しかし、各産地とも「一刻も早く売り切る」ことを大目標に掲げ、超低概算金に踏み切った。
実は、春からの「1500円米」の出現が大きく影響していた。
「1500円米」が可能な概算金は、1俵9500円水準。
「1400円米」となれば、1俵9000円を割る水準となる。
9月に入り、新米商戦も活発化。
税込みでも1500円を割る「1380円米」の「コシヒカリ」があふれるまでになった。
中には、「1180円米」の関東産「あきたこまち」を売り出す大手スーパーまで出現。
「早くもここまで来たか」と、関係者に衝撃を与えている。
というもの。
総崩れとは、まさにこの事だ。
あちらが立てば、こちらが立たない。
全てを立て直すのは、すでに不可能だろう。