銀ステ根なし草

銀のステッキ旅行・スタッフの雑記帳

新緑の嵐山、寂庵の朝

2013年05月09日 | のほほん同志Aの日常
箱根駅伝でいうならば「権太坂」みたいな今週。

隠岐から一夜明けて今日は、
京都嵐山の寂庵にておこなわれる瀬戸内寂聴さんの法話へ。

銀ステ・ツアーのお客様のみならず、
自治会の皆様や視力障害者協会の皆様など、
100名を超えるお客様をご案内してまいりました。
(さすがに疲労困憊)。

今年91歳になられるという寂聴さん。
ぎっしり埋まったお堂は1分に一度は笑いにつつまれ、
寂聴さんのエネルギーと「愛らしさ」に
ご参加の皆さん、ただただため息のひとときとなったのでした。

そして、法話のあとの質疑応答の時間。

「一期一会よ。いま聞いとかなきゃ、次は死んでるよ」

寂聴さんのそんな言葉にうながされ(?)
たくさんの方の手があがりました。

そのなかに、視力障害をもつ女性がいらっしゃいました。
マンツーマンで付き添われてのご参加です。

手を挙げ、立ち上がって、こう問いかけられました。

「私は交通事故で視神経が傷ついてしまって
 目が見えなくなったのですが、
 やっぱり今でも見えないのがつらくて…。
 いったいどうしたらいいですか」

その質問に、私の手がとまりました。

慌ただしくお堂の外側で、
お食事場所や訪問地の確認をしながらの片耳での拝聴だったのですが、
手配書をカバンにしまい、お堂正面に向き直り、
次の言葉を待ちました。

この問いに、寂聴さんはどうお答えになるのだろう。


…とそこに、

ル~ルルル~

添乗カバンからケイタイの着信音。

え、今ですか?!

午後の手配先からでしょう、
出ないわけにもいかず、少し離れた場所で要件をすまし、
あわてて戻ってきたら――

女性は涙ぐんでおり、
そのもとへと寂聴さんがゆっくり歩み寄り、
手を握りしめ、そして抱きしめられました。

なになに、どうなったの?

お堂に割れんばかりの拍手がわきおこりましたが、
私ひとり、かやのそと、いえお堂のそと。


寂聴さんはその女性にどんな言葉をかけられたのでしょう。

そして私はこの、やたらと見える目で
いったい何を見て、何を見ていないのだろう…?

午後からは、そんな想念にぐるぐるととらわれました。
まだ権太坂は終わっていないというのに!


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