ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

第9次支援活動<雄勝町・気仙沼>(その1)

2012-08-28 17:20:20 | 能楽の心と癒しプロジェクト
去る8月10日より13日にかけて、「能楽の心と癒やしプロジェクト」では第9次支援活動として石巻市内、石巻市雄勝町、気仙沼市内、気仙沼大島にて能楽の上演を行うことで被災地の応援に行って参りました。

今回はぬえと笛のTさんのプロジェクトメンバーに加え、久しぶりにワキ方のNさん、初参加の太鼓方Oさんもゲスト参加してくださり、本格的な能楽の公演を行える体勢で活動することができました。

ところが、今回はちょうど活動の時期が夏祭りの季節に当たりまして、仮設住宅などでの活動というよりは、むしろこの夏祭りイベントへの参加という形での上演となりました。初めて活動に参加してくれたOさんには是非 仮設住宅での活動で住民さんとのふれあいをして頂きたかったし、またワキのNさんも、以前気仙沼の児童劇団へのワークショップで演技指導に絶大な力を見せてくれたのですが、今回はそういう場面もなく、それぞれの力量を示すには不利な条件だったと思います。

しかしながら、昨年夏はまだまだ震災の直接的な影響が大きくて、軒並み中止になった夏祭り。この復活は地元の住民さんたちにとっても悲願であったでしょうし、復興のひとつの到達点であろうと思います。そのイベントに参加できたことはプロジェクトにとっても名誉と考えるべきでしょう。そして現実的には2度に渡って花火大会の前座イベントへの出演ができ、これは我々にとっても印象深い活動になりました。さらには災害FM「ラジオ石巻」への生出演、先日心にしみるお礼状を頂いた女川町の仮設住宅の住民さんへの表敬訪問、初の自主公演+支援物資のバザーを行うなど、プロジェクトとしても目新しい活動があり、ひとつの新しい段階に進んだような思いがありました。

また今回は能楽師が最大4名も参加したため、宿泊場所を探すのに苦労しました。とくに気仙沼では市内最大のイベント「みなとまつり」の復活ということで、本吉町や唐桑も巻き込んで気仙沼市全体が大盛り上がり! 各地から人が集まるために宿泊施設も満員の状態で。。ところがこれは前述の気仙沼の児童劇団「うを座」の関係者の方がご協力くださり、呉服店の店舗に宿泊させて頂きました。ありがたや~。また石巻では前回ご挨拶だけ申し上げた住民ボランティアさんのご自宅に泊めて頂きました。どちらも大変なご厚意を頂き、深謝申し上げます。

収支の面からいうと、今回は参加能楽師が多かったために交通費が大きな支出になりました。しかし参加者がそれぞれ深夜割引制度を利用して高速道路の通行料を節約してくれたり、また一部の交通費のプロジェクトからのの支出を辞退して頂いたり。。いろいろな面で協力を頂きました。また活動の直前に佐藤仁重さんが率いる「女性だけの写真展」のオープニング・パーティーに ぬえが招待され、そこでプロジェクトの活動を説明、募金をつのることをお許し頂き、久しぶりに活動資金の協力を頂くことができたのは望外の幸でありました。

それでも活動費の残余は、現実的には、これほどの規模で活動を行えるのはわずか あと1回分しかありません。。今回の活動のご報告を申し上げるに先立ち、今後も息長い支援活動が続けられるよう、みなさまの善意をお願い申し上げる次第です。

【お振込先】
三菱東京UFJ銀行
練馬光が丘支店(店番622)
普通預金 口座番号 0056264
名義 ノウガクプロジエクト ハツタタツヤ