ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

第9次支援活動<雄勝町・気仙沼>(その2…まずは宿舎へ)

2012-08-29 02:53:10 | 能楽の心と癒しプロジェクト
さてそんなわけで始まった第9次支援活動ですが、もとより今年の3.11…震災から1年を過ぎたその月末に、とうとう災害ボランティアセンターから発給されていた「災害派遣等従事車両」の制度も廃止になりまして、それ以来交通費の節約のためにETCの深夜割引制度を利用することになり、活動のために東北に向かう、少なくともその往路は深夜に東京を出発して終夜運転して現地に向かうことになりました。

今回は ぬえと笛のTさんとが同じ車…「レイちゃん2」で向かう事になっていたのですが、あいにく出発のその日はTさんは何カ所かの仕事を掛け持ちする超多忙なスケジュールで、一方 ぬえは夕方頃には終わる稽古の予定がひとつだけでしたので、渋るTさんを説得して、この日…8月9日の深夜に東京を出発しました。。もちろんTさんは運転は免除。車中じゃゆっくり眠れないでしょうけれども、ともかく休んで頂いて、そして翌日からは みっちり働いて頂こう、という ぬえの魂胆は残酷ですかあ?(^◇^;)

久しぶりに東北道を一人でずうっと運転しました。まあ、プロジェクトの活動ももう9回目ともなると、その間にはそんなことも5~6回はあったと思いますが。。でも、意外に往路は終夜運転していても、不思議に眠くてつらい、ということはほとんどありませんでしたね~。ぬえが もともと睡眠障害、ということもあるかとは思いますが。帰りは大変で、やはり滞在期間いっぱいに活動してからの帰京は疲労困憊。。SAのたびに仮眠、なんてこともありますが。。

【8月10日(金)】

早朝。。というわけでもなく朝食どきくらいに石巻に到着して、いつもの牛丼屋さんで朝食。2ヶ月前にも活動の冒頭に立ち寄った店で、そのときは いきなり震度4の揺れが起きてびっくり。まだ続いているんだ。。と思いながら、顔色ひとつ変えない店員さんにまた驚いたものでした。今回は地震もなく無事に「朝食セット」を頂いて、それからひとまず今夜のお宿に顔を出すことにしました。

今回は、参加能楽師が3人(気仙沼からは4人)ということで、宿泊所には地元の住民ボランティアさんのご自宅に泊めて頂くことになっていました。毎度お世話になっている「チーム神戸」さんも、たまたまこのときに神戸から来るという学生ボランティアさんを受け入れるために事務所「ふれあいサロン」はいっぱいで、別のルートからご紹介して頂き、また前回6月の活動の際にもご挨拶だけはしておいた、渡波の住民ボランティアさんに泊めて頂くことになりました。

こちらにも大変親切にして頂いて、「早朝に到着なら、どうぞどうぞ休憩・仮眠においでください」とあらかじめ仰って頂いて。。そうした事もあって、観光協会さんにお邪魔したあとはこちらの宿泊所にとりあえず荷物を置きに行きました。

リーダーさんは ぬえらの顔を見るなり「挨拶は抜きで!こっちの部屋を自由に使ってください。さあ、まずはゆっくり休んで!」と言ってくださって、ありがたく仮眠を取らせて頂きました。いや~~快適~~

。。って、そのお部屋がトップ画像なんですけどね。
。。ん? ゴチャゴチャ雑然でわけわかんない? これはみんな支援物資やこの住民ボランティアさんの活動資材です。ぬえたちが寝たスペースはこの横。



ほらあ? こんな快適なスペースが! 寝袋持参したのにマットレスが用意されてるなんて信じられないほど幸運!

それでもボランティア宿泊の人数が多いときは、この奥の押入も使うことができますっ



こちらはリーダーさんの事務室ね。さすが整理整頓が行き届いています。清潔。



。。ぬえたちも感覚が変わってきたかなあ?? 皮肉でなく快適だったんですけどね。

。。でもこのご自宅も津波で被災したのです。壁が真新しいベニヤ板張りなのはそのため。ここで渡波の海岸からは200mくらい離れていますかね。。それでも津波はこの家の1階を呑み尽くしました。住民ボランティアさんは、半壊状態だった家をこの状態にまでなんとか戻して、ご自身は地域のために奔走、しかも(ここが大切)他県から来るボランティアの宿所として自宅を開放しておられる。。これは並大抵の気持ちではできないことだと思います。

いや。。それはともかく。。 いまの ぬえはまずお休みなさ~い。。(-_-)゜zzz…