ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

第9次支援活動<雄勝町・気仙沼>(その4…ラジオ石巻に出演①)

2012-09-04 11:03:18 | 能楽の心と癒しプロジェクト
ラジオ石巻は地域コミュニティ局で、正式な名称は「石巻コミュニティ放送」といいます。。が、震災後に臨時災害FM放送局「いしのまきさいがいエフエム」として放送を続けています。

震災当時、備品が散乱しパソコンの通信が途絶する中、唯一生き残った無線LANを備えたPCをスタジオに持ち込んで放送を続けたそうです。インターネットを通じて情報を流すかたわら、リスナーに向けてメールでの情報提供を呼び掛けたところ、次々と救助を求めるメールが。。時間が経つにつれてメールは安否確認を求める内容に変化していき、やがて日が傾くと、自家発電の電源は放送機器のみに使うことにして、スタッフは懐中電灯やらPCの画面の明かりを頼りに放送を続けました。。しかし、やがて放送が中断されてしまいます。

技術担当者が送信所のある日和山に向かうが、津波の被害で道路は寸断され、また冠水のため進むことができず断念。。放送が再開されたのは2日後の3月13日だったそうです。このあたり、ぬえは今年の3月に石巻に行った際に「ラジオ石巻」が震災1年を契機にその当時を振り返る特番を1日中流しているのをずっと聴いていました。現実は相当に大変だったらしく、通行止めの道路のために日和山に近づけないところ、スタッフの一人が自衛隊員に放送再開の必要性を説得して特殊な車両に乗せてもらい日和山に到達することができた事、局舎から見えた門脇地区の火災の様子。。(これは毎回プロジェクトに同行してお手伝いを頂いている石巻市民の相澤さんからも伺いました。なんでも河南の石巻赤十字病院から真っ赤に染まった空が見えて、大火災を予感したとのこと)

その後4月には当時の管首相も石巻を視察した際に放送に生出演したり、国内外からの援助の橋渡しをしたり。。八面六臂の大活躍を続けています。とはいえ放送局舎も被災したため、現在は石巻駅前のビルの3階にスタジオを移転して放送中。

ぬえたちは、昨年の夏頃からラジオ石巻。。略して「ラジ石」さんには度々足を運んでいまして、能楽の上演活動の宣伝を放送して頂いていました。お願いに上がった笛のTさんは、担当の方にいきなり「公演の宣伝。。わかりました。それじゃここに原稿を書いて」と言われて放送原稿まで書き上げたそうです(笑)。

その後、河南のイオンモールのイベントスペースで公演している時に、司会者の女の子が声を掛けられて、なんとその子はラジ石のアナウンサーでもあって、ぬえたちプロジェクトの上演情報の原稿を読み上げた、その人だったりしました。なんて奇遇。

そんな事もあってなんだかラジ石にはぐっと親近感も湧いてきて。今年6月にはじめて石巻でプロジェクトの自主公演「星と能楽の夕べ」を上演した際に、いつものようにその宣伝のお願いにスタジオに伺った際に、出演のお願いをしてみたのです。ま急なお願いではその日では無理なのですが、やがて東京に帰ってから活動の主旨などを伝えて交渉を続け、ようやく今回は石巻に到着してすぐ、活動の前に放送に出演させて頂けることになりました。

前述の石巻市民・相澤さんにもご一緒に出演をお願いして、こちらも快諾。やはり市民の立場から呼び掛けて頂くのは大切です。

出演が決まった番組は「復興へ1・2・3はつらつラジ石ワイド」というもので、午後1時~6時まで続く生放送番組。パーソナリティは鈴木元気さんと高橋幸枝さん、とのこと。この番組の中で3時頃から約15分間出演させて頂ける、ということでした。

で、よくよくお話を伺うと、あり得ない偶然がある事がわかって びっくり!