ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

第19次支援活動<気仙沼市>(その6)~食材を揃えました。炊き出しって大変。

2014-02-02 15:00:05 | 能楽の心と癒しプロジェクト
さて朝食も済んで宿を出発し気仙沼へ。まずは緑さんをピックアップして、今夜の仮設での炊き出しのための食材を買い出しに行きました。

今回は気仙沼の唐桑半島にある仮設住宅の支援活動で、大晦日にも仮設にいらっしゃる住民さん。。いろいろな事情により親族とともに新年を祝うことができない方々に寄り添う活動です。能の上演ももちろんありますが、昨年の夏に地福寺さん主催の催しをしたときに知り合ったフルートの うっちー、キーボードのひでこさんによるコンサートもあり、そして紅白でも見ながら住民さんと一緒に鍋でもつついて。。という計画でした。

幸いに我がプロジェクトの気仙沼リーダー。。支店長。。?支部長。。? である緑さんが主婦の知恵をいろいろと提案くださいまして、鍋は豪華「かに鍋」と早々に決まり、その手配もしてくださいました。この日は野菜など当日に仕入れた方がよい食材や酒などを調達。大川の近くにありながら震災で壊滅的な被害は免れ、その後復興したイオンがありますので、食材は一気に揃いました。よかったよかった。

今回は初めての炊き出し支援ということでしたが、準備が本当に大変なんですね~。鍋が一番簡単な炊き出しだと思いますが、事前の買い出しでは発泡スチロールの皿や割り箸、小分けにする調味料を買い込み、鍋やコンロはみんなで持ち寄る事としました。食材の購入には、申し訳ないけど参加するボランティアが負担し、プロジェクトからも1万円を拠出して。。住民さんのうち集まってくださる人数もわからないから、食材は少し余分に買い込むことにしました。足りなくなるのは惨めな感じですから、どっさり余って、参加者が手分けして持って帰るくらいのつもりで。。





こちら、食材やら装束やら鍋やらクーラーボックスやらを積み込んだ ぬえの愛車「レイちゃん3」。もうここまでくると何がなにやら。。使いたいものを見つけだすのも容易じゃありません。。

費用の面でも手間の面でも、炊き出しというのは大変だということがよくわかりました。これが震災の年の秋くらいまでは石巻市の場合では毎食1万人分の用意が必要だった、というのですから。。震災直後から夏くらいまでは自衛隊が炊き出しをやっていましたが、その後は市の職員やボランティアが中心となって行われました。人海戦術でないと、とても出来ない。。

なお今回は伊豆で ぬえが指導している「子ども創作能」のママさんから、椎茸を提供頂きました! あとで住民さんからも大好評だったのですが、当初は ぬえにお歳暮代わりに頂いたもので、ちょうど良い時期だから今回の活動の炊き出しの食材として出すことに。ママさんはそれを聞いて、ちょっと足りませんかね~? と心配頂いて、さらに多くの椎茸をくださるとのこと。かれこれそんなやりとりをしていたのが出発間際の頃だったため、椎茸は宅配便にて仮設に直接届けて頂くことになりました。年の瀬にお手間とらせてしまいました~

さて食材も大体買いそろえたところで浩乃ちゃんと日出子さんから連絡が入り、そろそろ気仙沼に到着するとのこと。ぬえたちは昼食を摂ることにして気仙沼横丁(仮設商店街)に行きますと、今度は太鼓の大川典良さんから すでに仮設住宅に到着した、との連絡が。。それはいくら何でも早過ぎだろう。。

大川さんはスケジュール多忙の中、毎度かなりハードな日程でお手伝いくださいます。大概は夜通し走って朝に到着すると、そのまま活動に参加してくれて。。今回で3回目の活動協力だと思いますが、いつもなぜか気仙沼での活動ばかり。彼とは震災前の石巻と気仙沼で ぬえの師家による学校公演にもご一緒していて、そんな事から ぬえたちの活動に協力してくださるのでしょう。この日も前日まで東京近郊で予定があるとのことで、活動の日に直接東京から駆けつけてくださいました。