ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

第19次支援活動<気仙沼市>(その7)~いざ唐桑

2014-02-05 00:58:42 | 能楽の心と癒しプロジェクト
そろそろ全員が揃うようなので昼食後すぐに出発して一路 唐桑へ。

唐桑は巨釜・半造という名所や大理石海岸で知られる気仙沼の北端にある半島です。こちらは2年前の夏に撮影した巨釜にある「折石」。なんでも明治の三陸大津波で先端が2mほど欠けたのが名前の由来だそうですが、それでも現在の岩の高さは16m(!)もあるんですって。ということは明治の大津波はそれをしのぐ高さのものだったのか。。



この巨釜は半島の中部にありますが、今回向かう「旧唐桑小学校応急仮設住宅」は半島の付け根近くにあります。南に突き出た唐桑半島なので、気仙沼市街からはまず北上して岩手県との県境ちかくまで行ってから半島を南下するルートになるのですが、気仙沼からも陸前高田からもちょっとした距離があって、それだけに自然が多く感じます。

それと。。これはどこに行っても思うのですが、市街の中心部と比べると復興の度合いが極端に遅れているのを感じますね。これはこの翌日。。元日に大島に渡ったときにも同じ印象を持ちました。





こちらは国道から唐桑半島に入ってすぐにある只越港。小さな川があって、そこに水門が設けられていますが、窓ガラスも割れたままに放置されていました。その周囲は堤防が壊れたままに、土嚢さえも置かれていません。それでも漁業は再開されたのでしょう、漁船を陸にあげるための地ならしだけが行われているようでした。

こうして唐桑小学校に到着したのですが、ずいぶん新しい校舎です。校庭に仮設住宅が建てられているのかな? 。。じつはこれは ぬえの勘違いで、こちらは移転した新しい唐桑小学校です。目的地はこれとは別の、元・唐桑小学校。到着してわかったのですが、正式な名称は「旧唐桑小学校跡地応急仮設住宅」というようです。なるほど学校の広い跡地が仮設住宅の敷地になっていたのですね。

立派な門柱が残されていましたがだけが、これだけがここがかつて唐桑小学校だった事を物語ります。



唐桑小学校跡地応急仮設住宅は12号棟まである比較的大きな仮設で、集会所も立派なものが建てられていました。





でも。。イベントのポスターは ぬえたちプロジェクトのほかは見あたりません。年末年始のことだから仕方ないとはいえ、やっぱりイベントは減っているのかしら。

かと思えば、住宅案内図の左下に、なにやら送迎バスの案内があります。





この「Big House」という店舗は、後日検索してみたところスーパーマーケットでした。なるほど、交通の便が悪く、車を運転しない高齢の方が多く暮らす仮設住宅の住民さんの買い物の便のために、こういう工夫がされているのですね。顧客確保のための店舗のサービスという意味ももちろんあるでしょうが、やっぱり便利だと思います。だって、ここに書いてある店舗の所在地の「本郷」というのはJR気仙沼線の「不動の沢駅」の近く。。市内の中心部で、唐桑からは30分はかかる道のりなんですもの。。