このダムは少量しか貯められなくなった。ダムそのものが小さくなったのだろうか。放水の水位が下がったのだろうか。ダムに注ぎ込む水量が増大しているのだろうか。兎も角頻繁に放水をしたがる。我慢強くない。
一夜に幾度となく目が覚める。ふらふらよろよろしながらトイレへ向かう。ただ今、真夜中。03時42分。夜明けまでにはもう少しある。眠くなるまでまた本でも読むとするか。それがいいだろう。
枕元に司馬遼太郎の本を置いて、目が覚めると、読んでいる。彼は読ませる。飽きさせない。第一、語彙が実に豊富だ。物識りだ。遙かな距離感を抱かせる。
室内の湿度は78パーセント。気温は26℃。窓から夜の冷気が流れ込んでいる。薄手の掛け布団を、折り畳んで、お腹の上に掛けた。全体を覆うとやや暑い。