旅は終わり。帰郷心矢の如し。畑の水撒きが気になって止まない。こうも日照りが続けば、枯れてしまいかねない。島根県の鹿野インターより280数キロを、矢になって飛ぼう。途中1回2回は休息を入れよう。無理はすまい。
今日、5月第2日曜は母の日。女性を讃える日。カーネーションの鉢植えを土産にしよう。
旅は終わり。帰郷心矢の如し。畑の水撒きが気になって止まない。こうも日照りが続けば、枯れてしまいかねない。島根県の鹿野インターより280数キロを、矢になって飛ぼう。途中1回2回は休息を入れよう。無理はすまい。
今日、5月第2日曜は母の日。女性を讃える日。カーネーションの鉢植えを土産にしよう。
1
おおははよようございます。午前3時を回っています。もう寝足りてしまいました。9時には入眠していましたから。年寄りは朝が早いのです。
2
「応無所住而生其心」
おうむしょじゅうにしょうごしん
応(まさ)に住(とど)まる所なくして 而(しか)して其の心を生ず
3
大空を流れて行く雲は、流れを押し止める特定の場所というものを持たない。流れて行く。消えて行く。そしてまた生まれて行く。雲はそれを雲の心としている。
4
蓋をしておかない。するとそのところそのところで雲が湧く。
5
人も雲である。此の世という蓋をしておかない。すると浮かんでは消え浮かんでは消えして、仏法の大空を流れて行く。何処までも何処までも自由自在に。
6
雲は、消えたことを我が死とはしていない。消えて行かないと生まれてこない。消えるのも生まれて大空に浮かぶのも、それがそこに働いているダンマだからである。
7
抑えつけられるか、雲を。流れて行く雲を。
8
なんだ、おれは雲だったのか。おお、そうよ、おれは雲だったのよ。元の形を持たず。
しかもその都度その都度に大空あり。真如というハタラキあり。
9
雲は元の形に執着執心をしない。其処を以て自在の心とす。人も人の形を追わなければ、そこに自在の心が生じて行く。案ずること勿れ。
10
「応無所住而生其心」の句は「金剛経」の句。今朝は此処を味わってみました。人間の形をした「わたし」に拘(こだわ)ることはなかったのですね。
何がいいかは分からんなあ。だから、人を羨ましがることはないなあ。人様だけが順調で、巧く行ってて、幸福で、自分はそうではないように思える。頭のいい人だけがいい人生を送るわけではない。美貌の人だけが、いい人生を送るわけではない。お金持ちだけが、いい人生を送っているわけではない。高い地位を確保した人だけが、いい人生を独占しているわけでもない。名誉を誇れた人だけが、いい老後を味わっているわけでもない。そう見えるけど、その人はその人でその人らしい苦労もしている。差し引きすると万人ともにあまり変わらないのかもしれない。
蝶々が芍薬の花に来て止まっている。それを見ている。僕は短所欠点だらけの人間だったけれど、それを見ている。見ていられる。落ち着いていられる。今はそれを見て幸福でいられる。老いて今、此処へ到着している。人様に振り回されないでもよかったんだなあという結論へ到着している。
車の運転を長くしていると、どうしたわけかきっと眠くなる。ガムを噛む。左手で左のホッペをピシャリと叩く。強く叩かないと効果がない。思い切り強く叩く。しばらくこれで覚醒する。が、また眠くなる。危ない危ない。また叩く。何度も叩く。右手で右のホッペも叩く。これでダメなら運転を中止するしかない。木陰で車を止められるスペースを見つけて、眠ることにする。運転席を倒して、やや窓を開けて涼しくして。30分から1時間はぐっすり寝てしまう。居眠り運転は危険だ、まして老人は。早め早めに対処することが大事だ。お昼ご飯を食べた後が特に眠気が襲う。
で、寝てしまった。ぐっすり寝てしまった。ああ、いい気持ち。
「老いというのは滑稽滑稽」
あなたは知らん顔をしている
そりゃそうだろうなあ
僕は老人である
老人になるまで生き延びて来ても
それらしい箔がついていない
ちらりともついていない
夏子さん あなたは知らん顔をしている
そりゃあ そうだろうなあ
僕は夏子さんの上に広がる夏空を仰いでいる
僕が3歩近づいてきても
あなたは知らん顔をしている
いやいや 逃げだそうとしている
老いというのは滑稽滑稽
「それは詩とは呼べない」 薬王華蔵
あなたの胸に届いて行かない
あなたの心に置かれている琴を爪弾くことができない
あなたの魂のさびしさを慰めない
だったらそれは詩とは呼べない
僕がこれは詩だと主張してもむなしい
あなたの胸の野原にスミレの花を咲かせてあげられない
あなたの大空に小鳥の声を響かせてあげられない
あなたの深い地底の沈黙の玉を割ってあげられない
だったらそれは詩とは呼べない
僕がこれは詩だと主張してもむなしい
「大空さん」 薬王華蔵
おおい ブルーの色を水で百倍に薄めたような大空さん
わたしの小さな目の中にどこまでも広がった大空さん
大空さん大空さん
今日は
いちにち野原に寝転がって
大空さんを呼んでいればよさそうな
そうしたらわたしの父のような母のような
大空さんになっていてくれそうな
目を開けていても瞑っていても大空さんが宿っていてくれそうな
「雲」 薬王華蔵
電車もバスも 行き先が書いてあります
雲は書いてありません
雲も人も書いてありません
何処へ向かっているのか行く先が書いてない
なにしろ一直線ではない
回り回って行って最後に一つの到達地点に落ち着く
でも落ち着く場所がある
だから 美しい月のないところも
楽しい花のないところも
何処でも見て肯いて行く
行くところが決まっている雲
雲には此処に居る執着がない
だから遊んでいられるのだ
此処を遊んでいられるのだ
雲は今日は背振の山にいる
「顛倒妄想」 薬王華蔵
おいのちさま
外なる宇宙のおいのちさま
内なる宇宙のおいのちさま
春酣のこのあたたかな日に
親しく「さま」をつけてあなたをお呼びします
背振嶺の新緑の里山に来て
あなたの名をお呼びすると
あなたへの親しさが倍倍に増し加わって来ます
わたしの見るあなたさまが 慕われてまいります
手に取って触れ撫で回して抱いてみたくなります
ほんとうはあなたにさまに抱かれているわたしです
主客転倒妄想でありました
わたしの孤独も
寂しさも
いずれ妄想の間違いだったことが分かって来て
ほっとして
渡って来たシジュウガラの 鳴く音を聞いています