手の平の先っちょが分岐して5指になっている。親指、人差し指、中指、薬指、小指、それぞれに長さが違う。
中指が一番長く、次に人差し指と薬指がほぼ同じ長さで続き、小指はもっとも短い。なぜそれぞれの指の長さが違うのか。きっとちゃんとした理由があるに違いない。
どの指の先端にも爪がついている。もしも爪が先端に位置していなければどういうことになるのか。物体をしっかり捕捉できないのではないだろうか。
4指は根元、中、先で3回屈折する。親指だけは2回だけになっている。屈折するのでものをしっかりと掴むことができる。親指の向きが違うので丸い物でも掴むことができる。
指には指紋がある。顔と同様に、一人一人違う指紋になっている。それはどうしてなのか。疑問だが、日頃、あんまりそれを意識していない。
指は触感触角を司っている。敏感に反応をする。鉛筆も箸もフォークもナイフも上手に操る。あの人に触れたら電流が走る仕組みもつけている。宇宙の気と我が内なる気とを交流させることもできる。
手の平は扇状地になっていて、小川が幾筋も流れ下っている。親指の根元が小高い丘陵地帯になっている。手の平はスベスベして滑らかである。両手を使うとものを掬い受け止めるお椀になる。
いやいや、こうして書いていると、我が輩は実にいい物を持っているなあと感心する。腕、肘、手首、手の甲、手の平、指、爪、指紋すべてが高度な機能のセンサーである。