田儀駅は手引ケ丘公園管理事務所、バスターミナルを兼ねた立派な駅舎。しかし。無人駅。公園管理事務所の職員なら駐在しているっぽいですが・・・。
運転士さんの横に秒単位で停車駅の情報が載っている乗務行路表が差し込まれているので、後ろからのぞき見。時間を確認すると、数分間停車なので、ちょっと下車。
赤いラインが入っている駅名票は、浜田鉄道部管理下に置かれている益田から出雲市まで。厳密に言うと、ここからは米子支社の直轄だけど、運転系統ではここで区切るのではなくすべて出雲市まで。となりの駅から色が変わると混乱を招くので、とりあえず出雲市までは赤ライン。
ずーっと大昔の国鉄時代。DD51ディーゼル機関車が旧型客車を牽引する長距離鈍行列車の「824」列車(門司発福知山行き)、「831」列車(豊岡発門司行き)の交換がここで行われたのが有名です。その頃は多くの利用客がいて、輸送需要が高かったんですけれども、今の時代に全く国鉄時代と同じやり方をするとますます赤字になってしまいそうです。
田儀駅前の風景です。
益田行きの汽車が入線。上下交換が終わると、信号機が青に変わります。青に変わっているのに確認し、出発進行。
12月の日本海はこのような風景になっています。半年後はすっかり変わっているかも知れません。
ここからは出雲市に入ります。ずっと海岸沿いですが・・・
一時は海岸から離れたところを走行。まもなく「田儀」と告げるプレートが立っています。
ふたたび海岸沿いに戻り・・・
田儀駅に入線。終点の出雲市まであと19.4キロ。ちなみに下関から出雲市まで山陰本線経由で292.7キロ。特急は益田で山口線に入るので、下関から出雲市に向かわれるときは新幹線で新山口、そして山口線経由の特急「おき」号が便利です。新幹線から特急に乗り継ぐと在来線特急料金が半額になります。逆に特急から新幹線も同様適用されます。ただし、両方とも同時購入が条件です。
まもなく波根駅です。島式の2線ホームだというのに、右側の2番線に入線。クルマと同じく鉄道も左側通行のはずです。もしかしたら、使われなくなったのかなと思ったら、特急「スーパーおき」が通過するのに1番線を利用するとのこと。
波根駅に近づいてきました。
貫禄のある立派な木造駅舎ですが、無人駅です。
まわりは民家がたくさん建っているので、秘境駅というわけではなさそう。
はね、と聞けば「羽田空港」を連想。1931(昭和6)年に東京飛行場としてスタートしてからもう91年目。埋め立て地を拡張し、国内線だけではなく国際線も発着する空港になりました。中国ウイルスの影響により、ANAマイレージマイルの有効期限が何度か延長を繰り返し、結局、2023(令和5)年3月31日までとなりました。
どこかふらりと飛行機で遠くまで出かけ、鉄道で戻るという最近の旅行パターンですけど、次の予定はいつになるのやら。仕事ばっかり明け暮れてはストレスがたまるので、気分転換に旅でも出かけリフレッシュしたいんだけど・・・。秋頃には飛行機で長崎まで行って、新開業の西九州、九州、山陽、東海道新幹線で戻るとか。
冬の日本海は白波が立つ風景ばかり続きます。次は、田儀駅。浜田鉄道部の運転士さんは便宜的に出雲市までなんですが、田儀からは米子支社直轄。直轄なので、下に「鉄道部」とは付けないそうです。
まもなく久手駅です。
久手駅前の様子。民家が多く建っているのが見えるのに、利用者は1日平均はわずか41名(令和元年度)・・・。
日本海を眺めながら次の駅に向かいます。
山陰本線の幡生から長門市までは広島支社の下関列車区。(旧組織では、下関地域鉄道部)。長門市から益田までは長門鉄道部。益田から出雲市までは米子支社の浜田鉄道部。
大田市駅。まわりは地方都市らしくこぢんまりとした佇まい。
国鉄時代なら東京発浜田行きの寝台特急「出雲号」が停車していた関係でホームは長いです。今は1両のワンマンカーが入線。
改札口前に停車。自動改札化されておらず、有人改札。改札口付近に4人掛けの椅子が2ヶ所。
群馬県にも「おーたし」という市があったような?と調べてみたら・・・「太田市」。県都の前橋市、その東側に伊勢崎市、そのとなりは太田市。東武伊勢崎線が通っていて、駅名は「太田」。太いの文字がなんで「おー」と読むのか謎。羽田空港を擁する東京都大田区もこちら大田市と同じ漢字ですが、島根県のは「おーだ」、東京都は「おーた」。
自治体の「市」をくっつけた駅名をどのくらい言えるかと聞かれたら、まず、故郷に近い「長門市」、今乗っている汽車の終点「出雲市」、宮崎県の日豊本線にある「日向市」、あとはJRと南海の共同駅、「和歌山市」しか思い浮かびません。まだまだ汽車旅は続きます。
まもなく静間駅。昭和に改元する直前の1926(大正15)年開業なので、駅舎もその頃に建てられたかも知れません。
古き良き時代の木造駅舎。
ここってどこの市町村に属しているか調べてみたら、大田市内でした。
次は石見銀山への拠点、大田市駅。撮影日の令和3年12月5日は「みどりの窓口」あり。しかし、今年3月のダイヤ改正からMR52端末は撤去され、リモートの「みどりの券売機プラス」に置き換えられました。長門市駅もそうだし、東萩駅は「POS端末」に格下げ、益田駅、浜田駅は主要駅だというのに「みどりの券売機プラス」。辛うじてMR52端末が置かれているのは江津駅。生身の駅員さんが対応してくれます。「みどりの券売機プラス」はカメラを通して対応してくれるオペレータさんの姿が見えるんですけれども、本当に通じているのかちょっと不安もある。JR西日本ではこういった機械を増やし、みどりの窓口を減らすらしいですけど、ついにJR東日本も・・・。リモートなど何でも機械化されると人間が対応してくれる温もりが無くなってしまうのはちょっと残念。
この駅のほぼ向かい側に、全国的に有名になったヤクバ、およびバンクの支店があります。5月12日、実名や住所を晒し、訴訟に踏み切ることになりました。
こちらは、とんずらされた最寄り駅。ここから車で15分前後、およそ10キロ先の山奥。戸建ての家1軒が買えるほどの金額が振り込まれているのに気づいたら、すぐヤクバに問い合わせし、返還に応じるのは普通の感覚だと思いますが・・・。訴状が公開されたヤクバのホームページでは全国からアクセスが殺到し、サーバーダウンの状態が続いています。素直に応じていれば、ごひゃくまんえんもの追加請求が来ることはなかったはず。
仁万駅で下り特急と交換です。山陰本線は単線なので、長く停まっていたら、交換待ち。ワンマンの案内テープに何時何分に発車しますと放送があったはずだけど、ろう者は長く停まっているな、いつ出発するんだ?とスマホの駅すぱあとアプリで確認。
30年以上昔のJR西日本発足時は博多発米子行きのキハ181系による特急「いそかぜ」があったのに、2005(平成17)年廃止。山口線経由のほうが陰陽連絡がスムーズになり、山陰本線で特急空白地帯は益田から下関間。
幡生ー益田 特急無し
益田ー鳥取 スーパーおき
鳥取-城崎温泉 はまかぜ
城崎温泉ー京都 きのさき
仁万駅を出発。
12月の日本海を眺めながら・・・・
まもなく次の駅に停まります。
なかなか読めませんね。五十猛と書いて、「いそたけ」。五十嵐さんはすぐ読めるんですけど、こちらも同じ「五十」だというのに、全く読みが異なります。日本神話に登場する「五十猛神」(いそたける)を由来。
次は静間駅です。
温泉津温泉。頭に「温泉」が付いているので、温泉地であることは間違いないんですけど、ゆのつ温泉と読みます。
国鉄時代の東京駅。夕暮れになると、矢継ぎ早のように九州や西日本方面のブルートレインが発車。その中の「出雲号」は出雲市までではなく、浜田行き。温泉津駅も停車駅だったと鉄道雑誌で読んだ記憶が・・・。寝台特急の停車駅だったので、「スーパーおき」や「スーパーまつかぜ」の停車駅になっているのではと時刻表で確認してみると、やはり停車駅でした。しかし、2022(令和4)年3月から無人駅。
次は・・・山間にぽつんと佇む小さな駅です。
湯里駅でした。ここでも「湯」が付く駅なので、近くに温泉があるのではと思いましたが、このあたりはありませんでした。次は若者言葉の駅です。
まもなく黒松駅。下りの汽車が交換待ち。
1つ前の駅は「あさり」駅、北海道でも同じ駅名があるんですけど、ここ、黒松駅も同じ駅があったっけ?と路線図を確認してみたら、函館本線に「黒松内」駅がありました。長万部から小樽方面に2つ目の駅。
新しいキハ126系ディーゼルカー。山口県も同じ山陰本線だけど、広島支社は国鉄のキハ40や47を大切に使われているのか、私が子どもの頃通学に乗ったキハ40や47がバリバリと現役。もし、新型車両に置き換える計画が出たら、ぜひ小湊鐵道に譲って欲しい。山口県で子どもの頃乗った車両が千葉県に移して、老人になった私がまた乗る、ということもあり得そう。
次は石見福光駅。
旧国名を冠せず「福光」だけなら、富山県の城端線にあります。「みどりの窓口」のマルス端末が置かれていますが、簡易委託駅のためクレジットカードやe5489の取り扱いはありません。
次は・・難読駅です。「ゆのづ」と書いて、温泉津。
江津を出ると、次の駅は「あさり」駅。「あさり」と聞いただけで中国産のあさりを熊本県産と偽って全国のスーパーで売られていて問題になったというニュース。中国産あさりからはA型肝炎ウイルスや農薬が検出することはしょちゅうあるので、ほとんどの国民は「中国産」の表示に警戒しているからでしょう。
「あさり」は大好物でバター酒蒸しとかよく作っていたんですけど、産地偽装のこともあるので、最近は食卓に出ることはなくなりました。
北海道の函館本線にある「あさり」は、朝里駅と書きますが、こちらは浅利駅。
浅利駅舎の中に山陰合同銀行のATM設置。本店は島根県松江市にあり、「山陰」と名乗っているのに経営基盤は山陽側の広島県、岡山県、兵庫県も含まれています。
久しぶりに見かける江津駅。前回は今は無き三江線を全線乗り通すための旅行でした。いつ頃だったかなと調べてみたら、なんと2015(平成27)年。今だったら、駅前に高層ビルが新しく建っており、その名は「スーパーホテル」。当時のことを思い出してみると、江津駅を朝6時に出発する三江線の汽車に乗らないとうまくスケジュールに組み込めない。駅近くの旅館や民宿をネットで探し、電話リレーサービスを利用して電話。「すいません、5年前に廃業しました」とか「今はやってないです」。楽天トラベルで探してみたら、かなり離れた海側に旅館あり。朝5時半頃チェックアウトになってしまう。バタバタしすぎて疲れそうなので、友人のお取り計らいで江津からではなく三次から江津に向かい、途中で泊まる。当時は「ゴールデンユートピアおおち」という美郷町役場の指定管理施設だったけど、今は民間会社に引き継ぎ、「ステイ スイム アンド テニス美郷」という名称に変更。わざわざ英語にしなくてもいいんですけど、ステイは泊まる、スイムは水泳。確かに年間泳げる温水プールも付いています。
あれからもう7年経つんですかねぇ・・・。三江線旅の拠点に駅前のスーパーホテルがあれば便利だったはず。廃線のあとに建っても後の祭り。
江の川の始点は広島県北広島町。三次市で3つの川と交流し、三次から今は無き三江線に沿うように日本海の江津まで。ここが終点です。大雨などで川があふれ、億単位もの修復費用を投じたこともあったのに2018(平成30)年に全線廃線・・・。
日本海を眺めながら次の駅に向かいます。
まもなく敬川(うやがわ)駅に到着。山陰本線は100年以上の歴史なんですけど、この駅だけは1959(昭和34)年開業。「この付近に駅を作って欲しい」と国鉄に請願して設置されたかも知れません。何もない田舎の故郷、宇賀本郷駅も1958(昭和33)年なので、請願駅だと伺っています。
今から半世紀以上昔、需要があるからと新しく設置された駅だというのに、近年の利用者がかなり減少しています。
「敬う」の字が付く駅名はあまり見かけないんですけど、手話で駅名を表示するとしたら、「尊敬」に「川」かな。
次は都野津駅です。
「東京都」の「都」に「野」、「津」で「つのづ」と読みます。都合の「つ」とも読めるんですけど、ひらがながなければ、「とのづ」と読んでしまいそうです。
波子(はし)駅で下り列車と交換。比較的新しいキハ126ではなく、今は無き三江線で使われた車両がここで活躍。
2021(令和3)年12月当時、簡易委託駅だったんですけど、2022(令和4)年4月1日から無人駅化。
立派な駅舎です。
日本海側の12月にしては珍しく青空。
再び海岸沿線を走行。
次は、敬川(うやがわ)駅です。
縦型駅名票は「くしろ」と書かれています。北海道の「くしろ」と同じですが・・・
漢字は久代でした。
車内放送で「次はくしろです」とか「まもなく、くしろ」と流れてきたら、私のような地元ではない方だと頭の中では「釧路」を連想してしまいます。
JR北海道の釧路駅みどりの窓口で「くしろまで最短距離で1枚ください」とリクエストしたとしても、「釧路から釧網線、石北線などで回って釧路まで1周するようなきっぷですか?」と聞かれそう。「山陰本線の久代までですね」と即答する駅員さんは皆無かも・・・。もし、本当に発券するとしたら、いくらかかるか調べてみました。
乗 車 券
釧 路 → 久 代
経由:根室線・石勝・千歳線・静狩・函館線・新函館・新幹線・新青森・新幹線・東京・新幹線・岡山・山陽・伯備・山陰
5月5日から5月18日まで ¥24,750
釧路駅MR1発行 (1-タ)
駅の待合小屋はありましたが、出口はこちら。
右側にきっぷを入れるポストのようなものが見えます。秘境駅が続く飯田線でよく見かける「青空改札口」。浜田市はここまでで隣の駅から江津市に入ります。