今朝の新聞(25日の産経新聞)にこんな記事が載っていました。
ある大手のコンビニチェーンでは、仕入原価で月30万円以上の商品を廃棄すると言う目標を各店舗に定めているそうです。その背景には廃棄を恐れずに品揃えを豊富にしなければ「コンビニ戦争」を勝ち抜けないと言った大義名分があるらしいのです。
とは言っても、たくさん商品を廃棄する店舗が優良店と言うのは、道徳的におかしくないでしょうか?
今やスーパーを抜いて流通業界をリードするコンビニですが、コンビニのやっていることって結構無駄が多いのです。
私も食品業界に関わっている人間ですが、コンビニ独り勝ちの現状ではコンビニを無視した商売は出来なくなっているのです。しかし、コンビニを相手に商売をすると言うことは大変なことなのです。
コンビニと言うのはスピードが物を言うので、コンビニから注文を受けたメーカーは短い時間で商品を納入しなければなりません。万が一、納期に間に合わなかったり、欠品をしてしまったりしますと、売り上げの機会を失ったと言うことでペナルティーを取られたり、場合によっては取引停止になってしまうのです。
また販売する商品の入れ替わりも激しく、コンビニではPOSのデータ(レジ打ちのときのデータ)によって売れないものは、1,2週間で販売を中止してしまいます。
結局、メーカーとしては欠品しない程度の在庫を持ち、生産体制を組んでおかなけらばなりませんが、突然販売中止になれば在庫や原料が無駄となる場合もあります。
また、同様にメーカーに納めている原料や資材を扱う業者もメーカーの注文に備えて同様にある程度の在庫を持っていますので、これも無駄になる可能性があるのです。
消費者が常に新しい物を求めていると言いますが、実のところ この流れを作ったのもコンビニなのです。コンビニ戦争の中で各コンビニチェーンは他の店にない特徴を出そうと、独自の商品を出したり、常に新しい物を求めてきた結果が、新しいもの好きの消費者を生んだのだと思います。
昔のようなロングセラー商品と言う物が本当に少なくなりましたし、良い商品が育たなくなってきています。
とは言っても今やコンビニなしでは私の生活も成り立ちませんし、便利なことは確かですが・・・。
この先コンビニは何処へ向って行くのでしょうか?
消費者のニーズに合わせる、と言う事なんでしょうか?・・で、あれば我々にも責任はありそうですね。
狭いスペースでお客さんの入ってる割に、何時も品物が揃ってる、、ということも凄い事ですが・・そんな事が、これだけ成長してきた理由でもあるのでしょう。
・・もっとスローでもいいような気もしますが・・。
私たちもコンビニの戦略に上手く乗せられているのだと思います。
コンビニとしては客を飽きさせない、品揃えを考えているのでしょうが、逆に気に入っていた弁当などが無くなってしまうこともありますから・・・。
店も客も本当に良い物を見極めることが出来なくなってきているのでしょうね。
確かにおっしゃるとおりですよね~。
コンビニへ便利ですが、色々な食べ物も無駄にしていることもあるみたいですし・・・
コンビニも競争が激しいようですが、色々便利になっていくにも何かが犠牲になったりして、難しいですね。
とりあえず何でも置いてあって便利なので、ついつい利用してしまうのですが・・・。
でも儲ける為なら、どんな手段を使ってもいいと言う訳ではありませんし、難しい問題ですよね。
それにしても勿体無いです。
私はあるコンビニチェーンで副店長をしています、ちなみに私の店での廃棄金額は原価で毎月40万の廃棄予算を計上しています、もちろん食べ物を捨てるという行為は道徳上好ましくありません、「これだけの食料でどれだけの飢餓が救えるのだろう」と思うこともあります、でもこれは決してコンビニだけのはなしではなくて、資本主義経済の中で皆が「より豊かに」「より便利に」を追求した結果であることは、理解して下さい。
いつ行ってもお弁当が無いコンビニ、皆さんの近所にもありますよね、「ここはいつ行っても物が無い」これはコンビニとってはレッテルです、このレッテルを貼られない、つまり「いつでもお弁当がいっぱいあるコンビニ」と言われるためには廃棄を予算化して政策的に出していかなければいけません。
それに発注が入るというこは、それを生産する工場も潤うということです。
需要を作ることで、雇用を促進し所得を高めやがて消費が増して購買需要が高まる、これは経済活動の基本です。
つまり廃棄も経済活動であり、無駄なことをしているわけではないのです。
これからの時代は我々がいかに「がまんする」ことが出来るのかにかかっているのだと思います、将来どこまでも「便利」と「豊か」を追求した結果、日本は「がまん」という言葉が死語になっていないことを祈ります。
コメント有難うございます。
おっしゃる通り、品揃えが充実していて欲しい物が買えるお店の方が私も便利だと思います。その中で、ある程度の廃棄品が出てしまうのは私も仕方ないことだと思っております。
しかし、申し訳ございませんが、「廃棄目標」と言うのには賛同致しかねます。
私はある食品添加物メーカーの資材管理や製造プランを計画する仕事をしております。私の仕事は納期に間に合うように生産計画を立てることですが、如何に原料や資材を無駄なく使っていくかと言うのも重要な仕事となっております。
食品ですから原料などにも品質保証期限が存在しますので、期限内に使い切るように原料の購入量などを調整するのにも神経を使っております。それでも1年間の廃棄金額は数千万円にものぼります。
当然、この廃棄金額は会社の利益を削ることになりますので、如何にロスを少なくするか?と言うことを常に考えなくてはなりません。
バブル崩壊後に日本企業は徹底的にコスト管理をして、経営の健全化を図ってきました。そのおかげで今があるのです。
効率化を考えれば廃棄量を少なくしても売り場を充実させることは、可能ではないかと思うのですが・・・。私は流通業界で働いたことがありませんので、実際のところは分かりませんが、無駄をなくすことは何処の業界でも同じだと思っております。