⑨イタリアの女性はどちらかというと愛想のない人が多かったように思います。
それに対し男性は? ものすごくおしゃべりで愛想がよいというか、コミュニケーション能力が長けていました。
ガイドさんの話によると、イタリアの女性は生まれてからずっと「蝶よ!花よ!」と、ものすごくかわいがられて育てられるそうです。
たとえば、走るのが遅い子であればそれをとがめるのではなく、少しはましな勉強を大いに褒めるのだそうです。
そうだからかどうかはわかりませんが、一般的にイタリアの女性ウエイトレスはつっけんどんでした。
(ただし、格が上のレストランなどはもちろん良かったです。)
一方、男性はものすごく話好きです。
たとえばカプリ島の海岸沿いの細い道のバスの運転手、前のバスの運ちゃんと無線で話しては大声で笑っています。
島のガイドの男性も平気で運転している男性に話を仕掛けています。
また、こういうこともありました。
レストランのピアノの演奏者に、ピアノの演奏中であるにもかかわらず、支配人と思われる男性が身を乗り出して何か話しかけます。
演奏中ずうっと話しをし続けています。
何故か彼らはそこに相手さえいれば話しかけずにはいられないようです。
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そんな、女性の無愛想、男性のコミュニケーション力のすごさをユーロスターで体感しました。
ミラノからフィレンチェまでのユーロスターは4人掛けで、2人2人が向かい合うものでした。
私と奥さんの向かいには、50近くの気難しそうな女性が座りました。
そこに、30前後の男性が後から来ました。
席に来るなりその男性は隣の女性が読んでいる本を覗き込もうとしました。
すぐに女性はそれに気づき、いやそうなそぶりをして男性をけん制しました。
しかし男性はそれにもめげず、「私はあなたに関心がある。」というそぶりをし続けます。
そして一言二言女性に話しかけます。
女性がつっけんどんな返事をして会話は一旦終了します。
しかしそれでも男性はあきらめません。
会話が途切れて15分くらい後、再度よい褒め言葉が浮かんだらしく、女性に話しかけます。
何やら女性が読んでいる本についてのようです。
ぱっと女性の態度が変わり、その後は会話がかなり続きました。
そんな男性ですから、女性との会話が成立した後、目の前にいる“おかさん”たちに話しかけたくて仕方がなさそうでした。
態度で「僕はあなた達に興味がある。」と示してきます。
そして、満を持して英語で「英語は話せる?」と聞いてきました。
「少しだけ。」と答えると、さっそく「君達は日本人か?韓国や中国の人よりも日本人の方がいい。」と、こちらをおだてる会話をしてきます。
その後いくつか話をしてフィレンチェで分かれました。
無愛想な女性、それを攻略しなければならない とっても愛想のよい男性。
そんな構図(本当かどうかはわかりませんが)に妙に感心してしまいました。
そして、“おかさん”もそんなコミュニケーション能力が高いイタリア男性を真似なければと思いました。
車内の案内板で見ると最高時速は300km/hでした。
<追記>
コミュニケーション能力といえば、“おかさん”の奥さん。
この人のコミュニケーション能力は侮れません。
イタリア語も英語もちっともわかっていないくせに、イタリアの人たちの会話の内容を理解してしまうのです。
確かフィレンチェの美術館に入るときの行列での出来事。
入り口が予約をしている団体客、予約をしてある個人客、予約をしていない客の3つに分かれていました。
もちろん“おかさん”たちは予約を入れてある団体客口に並んでいました。
そんな列に「予約を入れている個人客」が紛れ込んでいたのですが、それを美術館の整理人が見つけ何やら会話をしていました。
3mくらい先の出来事です。
その会話の内容を奥さんは何故か理解してしまうのです。
一緒にいた添乗員さんに確認したら、そのようなやり取りがなされていたとのことでした。
ことほど左様に、ユーロスターの男性客とも何故か“おかさん”以上に意思疎通していました。
イタリア男性並びに奥さんのこのコミュニケーション能力を学んでいかなければと、思いを新たにしました。
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