「豚丼」
主な伝承地域 十勝地方
主な使用食材 豚肉、米、ねぎ
歴史・由来・関連行事
明治時代末ごろから十勝地方では養豚業がはじまり、豚肉が食べ親しまれてきた。養豚業が盛んであった十勝地方の帯広市が「豚丼」発祥の地といわれている。厚切りの豚肉を砂糖醤油で味付けしたタレでからめ、ごはんの上にのせた「豚丼」は帯広市の名物料理となっている。
昭和初期に帯広市内の食堂で、炭火焼きした豚肉にうなぎの蒲焼き風のタレを使用した丼をつくったのが「豚丼」の発祥といわれている。当初は、農家や開拓者が汗を流し働く姿を見て、スタミナ料理を提供したいと思い、食材にうなぎを使おうと考えたものの、うなぎは高価で手に入りにくかった。そこで目を付けたのが、豚肉だった。当時は、十勝地方では養豚業が盛んにおこなわれていたこともあって、豚肉は身近で手に入りやすかったという。こうして帯広の地で誕生した「豚丼」は、いまでは全国でも知られるほど有名となった。
食習の機会や時季
地元では家庭料理としても食卓に並び、1年を通して幅広い世代に食べられている。十勝地方の飲食店でも広く提供されている。
飲食方法
主に豚肉はロースやバラ肉を使う。フライパンで豚肉を焼いた後、砂糖醤油のタレをからめていく。トッピングの具材は白髪ねぎが多いが、グリンピースなどをのせる場合がある。薬味以外の余計な具材が入っておらずいたってシンプルな料理。
炭火で焼くとより一層香ばしくいただける。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
食品メーカーが「豚丼のタレ」を商品開発し、スーパーマーケットなどで販売されている。近年はご当地グルメや郷土料理として注目を集め、グルメ雑誌やガイドブックにも掲載されていることが多い。そのため、北海道だけにとどまらず、全国各地からお客さんが訪れている。
北海道の食品メーカーが「2(ぶた)・10(どん)」の語呂合わせから、2月10日を豚丼の日(日本記念日協会登録)と制定し、十勝の「豚丼」を味わう日、楽しむ日としてPRをおこなっている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/butadon_hokkaido.html より
「豚丼」発祥の店とされているのが、帯広の「ぱんちょう」だとか。
鰻丼よりうまい!十勝を代表する豚丼発祥の名店
帯広の郷土グルメの豚丼「発祥の店」として全国に 知られているのが「ぱんちょう」です。甘辛いタレをまとったロース肉はやわらかく、肉の脂・ご飯・タレ、それぞれの甘みが絶妙に絡み合い、上品でふくよかな味わい。ここの味を知らずに、十勝の豚丼は語れない!
ぱんちょう 北海道帯広市東1条南5丁目13-1
*https://www.smartmagazine.jp/hokkaido/article/meal/18705/ より