「がっぱらもち」
主な伝承地域 津軽地方
主な使用食材 ごはん、小麦粉、黒砂糖、黒ごま
歴史・由来・関連行事
昔、家庭でアイロンがけをする際、パリッとさせるために布に塗ったのが「米糊」で、水に浸した米をすりつぶしてつくっていた。この時うまくすりつぶせずに米のかすが残ったものを「糊かす」と呼び、これを無駄にしないよう黒砂糖をまぜて生地にし、フライパンで香ばしく焼いておやつにした。材料を焼き鍋に「がぱっ」と一気に移して焼くことから「がっぱらもち」と呼ばれるという。青森県の中では比較的暖かい気候に恵まれ、稲作が盛んだった津軽地方らしく、また食べ物を粗末にしない文化が生み出した郷土のおやつである。「のりかす餅」とも呼ばれる。
食習の機会や時季
子どものために、おばあちゃんが家庭でつくるおやつ。もちもちした食感で、たっぷり入ったごまがアクセントになっている。
飲食方法
もともとは水で浸した米をすりつぶしてつくったものだが、現在では米粉や冷ごはんを使って手軽につくることが多い。砂糖と塩、黒ごまを混ぜて水を加えてのばし、油をひいたフライパンいっぱいに流し入れ、両面を焼く。小豆や金時豆、くるみなどを入れるアレンジもできる。厚みのある円形をピザのように放射状に切り分ける。道の駅や物産館などでは1切れずつ包んで販売されているが、地域外の人には珍しいおやつである。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
津軽出身者にとってはふるさとの懐かしい味だが、手軽な食品が出回る昨今ではなかなか見られなくなっている。地元の道の駅やイベントなどで販売されたり、食育イベントで子育て中の母親に料理教室が開かれたりする。若い世代向けにはクレープのように果物やクリーム、あんこを巻いて食べるアレンジも紹介されている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/gappara_mochi_aomori.html より
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