「田にしの味噌煮」
主な伝承地域 厚木市飯山温泉周辺
主な使用食材 田にし、ごぼう
歴史・由来・関連行事
東京の奥座敷として知られる温泉郷・飯山の郷土料理で、甘辛い味噌で田にしを煮込んだもの。田にしには田楽や柳川鍋などさまざまな調理法があるが、代表的なものが味噌煮である。
飯山地域では、かつては春になると田にしがよく獲れ、毎年、春の恒例行事であった飯山観音の花祭り(現在の「飯山桜まつり」)には、田にし料理を売る屋台が多く出店したという。そのため「タニシ町」と呼ばれるほどであった。この地域に、飯山観音の祭りに誘う「たにしことこと」というわらべ唄が伝わることからも、いかに地元の人々にとって田にしが身近なものであったかがうかがえる。地元産の田にしが入手困難になってからも、外国産を活用するなどして周辺の温泉宿で田にしの味噌煮を提供していたが、それも品薄となり、現在は提供されていない。
食習の機会や時季
かつては農家の日常食であった。国産の田にしは田植え前の5~6月に獲れるため、田にしの味噌煮もその時期が旬となる。ただし、農業状況の変化などにより地元で田にしが収穫される機会は激減している。
飲食方法
泥抜きした田にしをゆで、ごぼうなどの具材とともに、味噌や砂糖などを入れた煮汁で煮込む。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
田にしが入手困難となっている状況から、現在では地元で食される機会がほとんどないが、貴重な郷土料理として伝承が望まれている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/35_21_kanagawa.html より
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