ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

日中再逆転 - 6 ( 中国で活躍する日本企業 )

2020-03-05 23:37:26 | 徒然の記

 本日からメインテーマの、「中国で活躍する日本企業」です。2013 ( 平成25 ) 年に出版された本のため、統計数字に現在との誤差がありますが、マクロの傾向が分かれば良いと割り切ります。

 氏は「日経中国関連株50社」に関する、詳細な説明をしています。要点を言いますと50社は、追いつけ追い越せと頑張る中国を寄せつけず、逆に中国市場を支配していると、予想していなかった意見を展開します。

 50社だけでなく日本の企業は全部で何社進出しているのか。まずその点を調べますと、

  ・ 2013 ( 平成25 ) 年  2万3000社」 

  ・ 2019 ( 令和1 ) 年現在 1万3685社  ・・となっています。

 進出企業の業種別割合を、中国国内での拠点数と合わせ、令和元年の「東京商工リサーチ」の数字を紹介いたします。

    業  種    %          拠 点 数

   製 造 業   49.93      2,187 

   卸 売 業   24.38       1,068

   サービス業   15.48           678

   運 輸 業      4.63         203

   金融・保険      2.40         105

   小 売 業      1.78         78

   建 設 業       0.64          28

 日本人の社員とその家族数については、2017 ( 平成29 ) 年の外務省のデータを紹介します。 (  )内の数字は、前年比増減。

  1. 上海  58,161人(ー3.3%)
  2. 広州  20,669人(ー2.3%)
  3. 中国  12,452人(+4.4%)
  4. 大連    5,338人(ー6.7%)
  5. 青島    2,460人(+6.0%)
  6. 瀋陽    1,500人(ー1.3%)
  7. 重慶       889人(ー6.0%)   合計 101,459 人

  数字は会社の社員とその家族だけでなく、大使館員や報道関係者など、全ての日本人の数です。ネットの他の情報では、会社関係だけで、10万人以上という数字もあります。

 氏の著書へ戻り、「日経中国関連株50社」の叙述となり、退屈な会社名の紹介になりますが、知識欲に燃える人は退屈せず、「日本の一流企業がほとんど進出しているではないか。」「これでは日本の若者の仕事がなくなり、国内が空洞化して当然だぞ。」と、驚くはずです。

 食 品  ・・・アサヒ キリン 味の素

 繊 維  ・・・東レ 

 化 学  ・・・旭化成 住友化学 信越化学 三井化学 三菱ケミカル 花王 資生堂 

 石 油  ・・・JXホールディングス 

 ゴ ム  ・・・ブリジストン 

 鉄 鋼  ・・・新日鐵化学 神戸製鋼所 JFEホールディングス 

 日鉄・金属  ・・住友金属鉱山 住友電気工業 

 機 械  ・・・小松製作所 日立建機 クボタ ダイキン 日本精工 三菱重工業 

 電気機器  ・・日立製作所 東芝 三菱電機 パナソニック シャープ ソニー TDK デンソー ファナック 京セラ 村田製作所 キャノン 

 自動車  ・・・日産 トヨタ 本田 

 精密機器  ・・ニコン 

 商 社  ・・・伊藤忠商事 丸紅 三井物産 三菱商事 ユニチャーム 

 小売業  ・・・セブン&アイ イオン ファーストリテイリング 

 海 運  ・・・商船三井

 これだけの会社が、日本から生産工場を移転し、物流センターを移し、スーパーやコンビニを展開しているのですから、雇用が増え、賃金が支払われ、中国経済を活性化させ、利益も還元したはずです。日本だけでなく、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリス、イタリアと、他の国々も13億人の市場を目指した結果として、中国がダントツの成長をするはずです。

 中国の経済発展に、日本が他国に比し、どのくらい貢献しているのか。残念ながらデータがありませんが、きっと米国に次ぐ、二位くらいの位置にあるのではないでしょうか。貢献するだけでなく、企業も、空前の利益をあげたに違いありません。経団連にとって、「お客様は神様」「中国も神様」ですから、多少傲慢なことを言われても、我慢我慢ということになります。

 利益優先の企業は、「名を捨て、実を取る」です。政府や国民がコケにされても、口先だけの脅しなら、経営者たちは無視します。政府に対しても、「安倍さん、大人になりなさい。」「我慢、我慢。」と、ブレーキをかけたと推察できます。13億の市場と利益の大きさと引き換えに、経団連は安倍内閣の対中政策にブレーキをかけたのではないでしょうか。

 国民は選挙の一票を持っていますが、経団連は政治家への献金で影響力を及ぼします。たまにしか行使できない選挙の一票は、残念ながら金力には及びません。今回のコロナ騒ぎで、「中国人の入国全面禁止」や「習近平氏の招聘中止」に、総理が踏み切れなかった背景には、彼らの力があったはずです。

 確証もなく、陰謀論とも言えない、単なる推測ですが、次回から紹介する、近藤氏の企業説明を読めば、もしかすると、賛同される方があるのかもしれません。今夜は、ここまでとし、私は眠るといたします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日中再逆転 - 5 ( マルクシズムは、グローバリズム )

2020-03-05 16:28:53 | 徒然の記

 本日のテーマは、「中国で活躍する日本企業」についてです。

 「アベノミクス」を理解するには、発想の転換が必要でしたが、「中国で活躍する日本企業」についても、同じ姿勢が必要となります。「アベノミクス」同様、日本のマスコミが、肝心の事実を国民に伝えないからです。

 人が言わない、意表を突く意見が、さも重大そうに語られる時、それは「陰謀論」と称されます。胡散臭い、いかがわしい話として多くの人が敬遠します。これから述べる事実も、読む人によっては、そう言う受け取られ方をするのでないかと、そんな気もしています。

 しかし私には、何かのため捏造情報を流し、無用な混乱を生じさせようとする意図はありません。「ねこ庭」を訪問される方々が、ご存知のように、私の意見の元は、図書館からもらった廃棄本と千葉日報の記事と、後はパソコンで得られる動画の情報だけで、特殊な団体や組織からの秘密情報とは縁がありません。

 今回は最初から話が横道へ逸れますが、テーマの大きさを思えば、息子たちや、「ねこ庭」を訪問される方々のため、と言うより、自分自身のため、事前の準備が必要です。

 20世紀最大の偏見思想とは、「マルキシズム」です。日本語にしますと、「共産主義思想」、「社会主義思想、」、時には「グローバリズム」と言う言葉になります。共通する思考は次の5つです。

  1. 国家 ( 国境  ) の否定  2. 民族の否定  3. 宗教の否定

  4.   個人主義の徹底    5.    単一共同体としての世界国家、地球国家

 ソ連は崩壊しましたが、社会主義国家として中国と、北朝鮮と、後はよく知りませんが、何カ国かが残っています。中国や北朝鮮が、どうして「グローバリズム」なのかと、疑問を抱かれるかもしれませんが、この国が自国の特異な思想を掲げ、世界制覇を進めている事実を知る人は、なるほどとうなづかれるはずです。

 北朝鮮は、自由を奪われた国民が飢えていると言うのに、「チュチェ思想」などと言う思考を拡散し、世界制覇を狙っています。今にも潰れそうな国なので、世界の注目を引いていませんから、中国ほどの差し迫った危険はありません。

 「チュチェ思想研究会」と言う、秘密組織の会員が、沖縄の独立運動、基地反対運動の組織内、あるいは日教組の中にもいます。今回成立した「アイヌ新法」を推進する、北海道のアイヌ団体の中にもいます。

 北朝鮮の世界制覇の計画 ( 夢想 ) が日本の中で育ち、日本の中の「反日・左翼」勢力が、片棒を担いでいると言う話になります。しかし北朝鮮の話は、ここで止めます。

 中国はこれまで、一国社会主義の建設に邁進していましたが、習近平氏が、大きく方向転換をしました。彼の演説を、148ページから紹介します。

 「中国は、古代から長く、世界一偉大な国家だった。」「1840年のアヘン戦争に敗れて以来、欧米列強の半植民地と化し、」「その後日本軍に、全面的な侵略を受けた。」「毛沢東が率いる中国共産党が、日本帝国を蹴散らし、」「1945年に、中華人民共和国を設立した。」

 「そして今や、いつの時代よりも中国夢 ( ドリーム ) に近づいた。」「我々は今こそ、毛沢東の建国精神を受け継いで、」「中華民族の偉大な復興という、中国夢 ( ドリーム ) を果たすのだ。」

 偉大な漢民族が歴史の屈辱を晴らし、再び世界の中心になると、彼は宣言しました。つまり、中華思想の世界宣言です。最初の頃はまだ謙虚で、彼はオバマ大統領との会談で、世界を半分ずつ支配しようと提案しました。トランプ大統領になると、「やられれば、やり返す」と対抗心をあらわにし、現在に至っています。

 忘れてならないのは、「中国」「北朝鮮」だけでなく、「アメリカ」も「グローバリズム」の国だと言う事実です。日本人の中には、アメリカを自由と平等の国と信じ、平和憲法をくれた国と、今でも有難がっている人間がいますが、少し本を読めば、悪辣なことを世界のあちこちでしていると、すぐに分かります。現実は、どっちもどっちの国同志です。

 頑固なマルキストは思想を優先し、経済には目を向けませんので、たいてい経済音痴です。国民生活を豊かにするには経済の活性化が必要と、そのようなことは考えません。計画し、管理し実行すれば、全ての問題は解決すると単純な思考をします。

 だから毛沢東は、建国したけれど国を豊にする方法が分からず、大躍進とか、文化大革命とか、国を破壊し、国民を弾圧するだけで終わりました。中国を豊かにしたのは、鄧小平で、彼はマルキストであると同時に、現実主義者でした。「改革」「開放」の先にあるのは、「自由」だと分かっていましたが、そのタイミングが掴めないまま亡くなりました。

 鄧小平路線の上で、江沢民、胡錦濤と続き、中国が発展し、世界第二の経済大国となりましたが、同時に様々な矛盾が生じています。こうなりますと次は、中国の閉塞状況を打破する第二の鄧小平である、李克強のはずです。しかし現実はそうならず、近藤氏のフレーズとなります。

 「極左の習近平」「中国にとっての凶」「韓国の盧武鉉とウリ二つ」

 前準備だけで、スペースが無くなりましたが、大事な予備知識です。こういう中国に、進出している「日本企業」は何をしているのかと、次回から本論に入ります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする