ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

補足・ 日中再逆転 - 10 ( 環球時報の脅し )

2020-03-08 16:16:43 | 徒然の記

 「武漢コロナ」の騒ぎに惑わされ、『日中再逆転』の書評で、肝心な部分を失念していました。歴史と対面し読書していると胸を張る割には、みっともない物忘れです。

 習近平氏の来日が延期となりましたが、皇帝習氏が、共産党機関紙「人民日報」の傘下にある、「環球時報」を通じて、どんな記事を書かせていたかを、息子たちと、「ねこ庭」を訪問される方々へ紹介するのを、忘れていました。

 「環球時報」は中国最大の国際ニュース紙で、日本で言えば「共同通信社」でしょうか。余計なことですが両社の違いは、愛国の「環球時報」反日の「共同通信社」と、簡単に言えばそうなります。なぜなら「環球時報」は、自分の国の悪口を一切記事にしません。

 平成25年9月9日の記事を、近藤紙が全文紹介しています。タイトルは「東京開催のオリンピックを、中国人は楽観視していれば良い。」です。

 「日本が、6億ドル以上の宣伝費を注ぎ込み、「4億ドルも出せない、マドリードとイスタンブールを圧倒した。」「今や、国交正常化40年で、最悪の日中関係にあるけれども、」「我々はやはり日本人に祝福を述べ、7年間の準備が周到に進むことを願っている。」

 「誰もが一様に述べているように、今回の日本の成功は、政治的意味を持つ。」「この成功によって、日本社会は自信を取り戻し、」「国民は鼓舞され、経済が再度、」「飛躍するというものだ。」

 政治家と経済界とマスコミがはしゃぎ、国民の多くは冷静であったというのが実感ですが、習近平氏の中国はこのように見ていました。

 「周知のように、日本が失われた20年を過ごしている間に、」「中国経済が台頭し、中国経済の強化が、また、日本人の自信を喪失させた。」「日本社会の右傾化は、自信のなさと密接に関係しており、」「中国にやたら歯向かって見せるのも、」「まさにこの喪失感が、背景としてあるのだ。」

 当時、同じような記事を書いていた日本の新聞と、評論家がいました。出所は、こんな記事だったかと軽蔑します。

 「今世紀に入って日本は、歴史認識問題や海上の問題で、」「周辺国から、四面楚歌の状態に立たされている。」「そんな中、オリンピックが、日本人に自制心を植え付け、」「周辺国の威嚇とは、別の方向へ向かうことだろう。」「つまり今後7年間は、日本は大人しくしているということだ。」

 呆れるような内容ですが、こんなおかしな記事を読まされているのですから、中国国民もおかしくなるはずです。

 「強調しておきたいのは、日本の歴史認識は、」「世界標準とは、大きくかけ離れているということだ。」「もし今後、日本政府が、靖国参拝を助長したりすれば、」「中国と韓国は、世界の世論を喚起し、」「日本は、オリンピックにふさわしい国ではないと、」「吹聴して回ることだろう。」

 中国政府は、自らの悪事を白状しています。気に入らないことをすれば、オリンピックを邪魔してやるという脅迫です。しかも韓国とやるというのですから、慰安婦問題で、彼らが手を取り合って活動している事実が公表されました。全文の紹介など、馬鹿馬鹿しいだけでなく、腹立たしいので、省略、省略して、紹介します。

 「日本は、自ら悟ることが必要だ。」「すなわち、周辺国と、」「面倒なことを起こすべきでないということだ。」「このことを日本人が悟れば、東アジアが安定する7年間となるだろう。」「それこそ、中国人が待ち望んでいることだ。」

 これが締めくくりの言葉です。自民党の政治家たちが、この記事を知らないはずがありません。こんな中国へ、わずか何万枚かのマスクをもらったくらいで、御礼に行くという二階氏は、何を考えているのでしょう。別の見方をすれば、安倍内閣にいてここまで馬鹿ができるのは、二階氏くらいのものです。中国を宥める道化役として、貴重な存在なのかも知れません。

 国賓招聘を中止したので、かろうじて総理も国民の批判を逃れましたが、二階氏のような人物を重用している限り、国民の不信感は残ります。単純な保守人が、「中国と断行しろ」「切り捨ててしまえ」と、威勢の良いことを言いますが、中国は韓国とは違います。腐っても鯛で、今はアメリカと並び立つ大国であることに、間違いはありません。

 小国の日本は、アメリカに対すると同様、押したり、引いたりの駆け引きが大事です。一つ間違えば、国が崩壊する危険性があります。私が多くの保守人のように、安倍氏をあからさまに批判をしないのは、最前線に立つ総理だからです。

 「環球時報」の記事は、現在も生きています。中国の気に入らないことをすれば、韓国とともに、オリンピック妨害のキャンペーンをやると言っています。協力するのは、韓国だけでなく、日本の中にいる「獅子身中の虫」たちですが、さすがにそこは伏せました。

 中国に忖度したと、総理を責める一方の人々に言います。「環球時報」の脅迫を知れば、総理の逡巡も理解できるではありませんか。せめてこの、国民弾圧の独裁者習近平氏を、来日中止とした総理を理解してやりたいものと、実はこの点が補足したくて、ブログの追加をいたしました。

 今も私は、8対2で、総理への信頼は2割しかありませんが、それでも追加せずにおれない、今の中国事情です。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする