ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

習近平に中国は変えられるか - 3 ( 巨大自動車市場・中国 )

2020-03-28 23:00:19 | 徒然の記

 今回は、二大経済閥のもう一つである「機械工業閥」です。こちらは、江沢民氏の支配下にあり、「江沢民閥」と言っても過言ではありません。この説明の難点は、江沢民氏に重点を置き過ぎ、閥を形成する企業の名前や活動内容が、何も語られていない処です。日経新聞の記者にも、間抜けな人物がいるのか。それとも、石油閥に力を入れ過ぎて、気力が続かなかったのでしょうか。58ページです。

 「石油閥に匹敵する経済閥が、江沢民直系の、機械工業閥といえる。」「江沢民は第一機械工業省、ロシアの自動車工場で働いていた、技術者だ。」

 初めて知る経歴ですが、ロシアの工業省の中にある、自動車工場なのか、両者は別々のものなのか、この記事では第一機械工業省とロシアの関係が不明確です。以下の記述も、省略が多く、説明になっていませんが、そのまま転記します。

 「中国は、年二千万台の世界一の自動車市場で、」「イタリア・ランボルギーニ ( 日本では7千万円 ) の超高級車でも、」「トップの売り上げ、利権は大きい。」

 年二千万台が販売台数なのか、生産台数なのか分かりませんが、それ以上に意味不明なのが、「トップの売り上げ、利権は大きい。」の文章です。なんと比べてトップなのか、利権が大きいとは何を語っているのか。よくもこれで、経済紙の記者が勤まったものです。ネットで検索をし、日本のメーカーの国内での販売台数を調べてみました。令和元年のデータで、赤字は中国での販売台数です。

 1.   トヨタ  155 万台   ( 162 )          5.   日 産           57 万台       ( 155 )    

 2.   ホンダ    72           ( 155 )           6.   マツダ            20              (   23 )    

 3.   スズキ        70                                7.   スバル             13              (     3 )    

 4.   ダイハツ     66                                 8.   三 菱            10              (   14 )    

 年二千万台というのは6年前の数字で、ネットで調べた販売台数は、令和元年ですから、そのまま比較できませんが、中国市場の大きさは予測できます。トヨタ以下、メーカー5社の販売台数を合計しますと、512万台となり、二千万台の約4分の1を占めています。

 貧民層がいても、13億の人口ですから、メーカー各社が中国を重点市場としている理由が分かります。3月12日の千葉日報によりますと、コロナ騒ぎにかかわらず、トヨタとホンダが生産再開を始めたということでした。日本国内の騒ぎがどうなろうと、自社の利益を優先する企業の姿が見えます。

 話が大きくそれましたので、本に戻ります。まだ58ページです。

 「機械工業がらみの江沢民の部下が、全国政治協商会議主席だった、買慶林だ。」「1990 ( 平成2 ) 年代、大型密輸事件に、」「彼の妻が関わるが、江沢民の傘の下で、」「地位を守り切る。」「だが、同じように妻が犯罪を犯した薄熙来は、」「すでに失脚した。」「力の落ちた江沢民が、自らに近い薄熙来を守りきれなかった、」「との解釈もできる。」

 「機械工業閥の後継者は、今回、政治局常務委員になった兪正声だ。」「高齢にもかかわらず、上海市トップから昇格した。」「同じく張徳江も、常務委員入りしたが、」「彼も江沢民に近く、機械工業系の人脈の周辺にいる。」

 機械工業閥の内容は分かりませんが、二大経済閥の一つですから、大きな利益集団であることは、想像できます。習近平氏登場の背景には、元主席の江沢民氏と、前主席の胡錦濤氏の暗闘が繰り広げられていました。

 こういう中国の政治家たちを相手にするには、安倍総理のような、掴みどころのない政治家でないと太刀打ちできません。ですから「森友問題」や「総理の花見会」などが、取るに足りない些事と見えます。中国や北朝鮮や、韓国の実情を知っていながら、国会で総理を追及する野党の議員たちを軽視してしまいます。

 ただし、今回発覚した昭恵夫人の「花見会」は、とんでもない失態です。総理が今日の緊急記者会見で、「武漢コロナ」制圧のため、国民に不要不急の外出や宴会の自粛を求めている時、事もあろうに取り巻きの馬鹿者を集め、「花見」をしていました。

 これでは総理の、国民への訴えが台無しですし、野党から責められて当然です。今回で何度目の、昭恵氏の愚行でしょう。

 「この国難の時、自分の妻も管理できない人間の話など、誰が聞くものか。」「日本のため、総理の使命を全うする気なら、自分の身の回りのケジメをつける方が先でしょう。」

  言いたくもなります。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

習近平に中国は変えられるか - 2 ( 石油閥と機械工業閥 )

2020-03-28 15:58:42 | 徒然の記

 中国の巨大国営企業と、政権幹部との関係が詳しく語られています。日本の銀行や政治家の名前も出てきます。これを息子たちに伝えたいと思うのですが、複数の記者の説明が錯綜し、うまくまとめられません。

  1.   巨大国営企業の名前と業種、規模、

  2.   国営企業に関係する政権幹部の名前と政権内の役職

 個別の詳細が語られても、企業全体の構図が欠けているため、体系的把握ができません。恐竜の手や足や頭など、各部位が詳述されても、恐竜の全体像が掴めないという話に似ています。13億人を支配する大国ですから、企業と政治家が複雑に絡み合い、関係する人物が、密着したり裏切ったりで、簡単にいかないと言う理由もあります。

 それでもなんとか、政治と利権との関係を伝えたいと思うのは、ゴシップ探しの興味からでなく、尖閣領海への侵犯行為や、激しい中国の反日政策と、密接な関係があり、そこが伝えたいためです。まとまりに欠けるのを承知の上で、必要部分の転記を試みてみましょう。55ページから、始めます。

 「中国共産党大会で決まった、中央委員会の人事には、」「人脈を長く追うと、興味深い事実が分かったと言う。」「経済利権を共有する人々が、個々の人間関係をテコに派閥を作り、人事をろう断する。」「代表は、石油閥と機械工業閥だ。」「二大経済派閥の動きは、中国の政治史を如実に映す。」

 ここで話が一気に、1929 ( 昭和4 ) の毛沢東時代まで戻り、余秋里氏の説明になります。氏は、中国最大の大慶油田が発見されたとき、石油工業相として開発にあたり、「中国石油工業の父」と呼ばれます。その後、国家計画委員会主任や、国家エネルギー委員会の主任を歴任します。

 当時の彼の懐刀と言われたのが、曽慶紅氏でした。氏は、東シナ海の油田開発での日中摩擦にも絡み、中国海洋石油総公司での実力が認められ、出世します。やがて氏は、江沢民氏の側近として頭角を現し、1989 ( 昭和64 ) 年の天安門事件後、いきなり江沢民氏が総書記になり、北京入りをした時、唯一の側近として行動を共にします。1997 ( 平成9 ) 年政治局員候補に昇格し、2002 ( 平成14 ) 年常務委員となり、石油閥のまとめ役を引き継ぎます。

 次の叙述が興味深いので、そのまま転記します。 

 「反日教育を進めた江沢民だが、その江の下で、」「対日関係を仕切ってきたのが、彼だった。」「彼は日中関係にも興味を抱き、日本政界の実力者だった野中広務氏と、親しかった。」

 自民党中にいる「獅子身中の虫」と、私が酷評した野中氏は、こんな処で中国海洋石油総公司と、江沢民氏につながっていました。中国寄りの意見を表明したり、共産党の機関紙「赤旗」に投稿し、安倍総理の批判をしたりする理由が、一つ分かりました。

 「曽慶紅は、すでに引退したものの、キングメーカーとして、」「再び、耳目を集めている。」「彼は今回の人事で、胡錦濤の押す李源潮を退け、」「中国石油化工集団 ( シノペック ) の張高麗を、滑り込ませた。」「習近平を、次期トップに推薦したのも彼だった。」

 「張の出身母体であるシノペックは、原油の大半を中東や、」「アフリカから輸入し、マラッカ海峡を通過している。」「中国経済の命運を握る同海峡の、制海権を強化するため、」「海軍力の強化に、積極的と見られる。」「中国政府関係者は、釣魚島 ( 尖閣の中国名  ) を含めて、」「海洋権益で妥協することはない、との見解を示す。」「石油閥の台頭は、中国の政策にどう言う影響を与えるのか。」

 日本のマスコミの報道だけ読んでいますと、中国の状況が掴めませんでしたが、マレー半島とスマトラ島の間にあるマラッカ海峡は、日本にとって重要な海洋ルートであるだけでなく、中国にも同様な生命線でした。中国の軍事強化の理由も分かりました。

 私たちが、中国の軍事行動を警戒している以上に、彼らも警戒している訳ですから、火種となっている尖閣の領有問題が、簡単に解決しないと分かりました。黙っていれば、沖縄も中国領だと、言い出しかねない危険な状況が見えてきます。

 と、ここまでが、石油閥の説明です。今回はここで一区切りとし、機械工業閥の説明は、次回といたします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする