7月29日配信の、虎ノ門ニュースの動画を観ました。ゲストが、元海上自衛隊海将伊藤俊幸氏と評論家の有本香氏で、テーマは、自衛隊の「敵基地攻撃能力」に関する誤解、についてでした。
この問題が最初に現れたのは、6月16日に、河野防衛大臣が「イージス・アショア配備計画」を断念すると、発表した時からでした。当日の千葉日報では、「イージス・アショア配備計画」につき、次のように説明しています。
・イージス艦と同様の、レーダーやミサイル発射装置で構成する、地上配備型の弾道ミサイル迎撃システム
・陸上にあるため、イージス艦と比べ常時警戒が容易で、長期の洋上勤務が不要となり、部隊の負担軽減につながる。
・政府は平成29 ( 2017 ) 年に、秋田県と山口県にある、自衛隊演習場内に、2基の導入を決定した。
私がここで、虎ノ門ニュースの話を離れ、新聞の記事について述べるのには、それなりの理由があります。先日のブログで紹介しましたとおり、ドイツは、基本法 ( 憲法 ) と、安全保障問題について、国論を二分する議論を経て、NATO軍との一体行動を是とする結論を出しました。
第二次世界大戦の敗戦国であったドイツは、日本と同様に、米国が関与した基本法 ( 憲法 ) により、武力行使に足枷をはめられました。つまり「ドイツ軍に許されている活動は、防衛のみ」と言う規程で、私たちに馴染みの深い言葉に言い換えますと、「専守防衛」です。
現在のドイツ軍は、NATO軍と国連の指揮下にある場合は、他国軍と同様の行動が可能となっています。国家の安全保障問題について、戦後74年をかけても結論の出せない日本と、2年間で結論を出したドイツとの違いを、前回報告しました。
同じ敗戦国であり、同じく連合国による軍事法廷で裁判をされながら、日本は軍隊を解体し、ドイツは軍隊を維持した事実に、注目する必要があります。諸説があるようなので、深入りをやめますが、ネットで調べますと、昭和20年に日本は軍を解体し、陸軍を第一復員省、海軍を第二復員省と名前を変えています。
戦勝国は、敗戦国の軍隊を必ず解体すると言う話がありますので、ドイツの軍隊が維持され、日本が解体されたところには、連合国軍というより、アメリカの意思が働いていた、と考えるのが自然です。戦勝国が触ってはならない憲法まで、アメリカは日本に押しつけていますから、ドイツとの違いは、同じキリスト教を信じる、白人同士と言うところにあったのでしょうか。
「自衛」の場合しか武力行使ができないと言う、アメリカの干渉があっても、ドイツは軍隊を維持したのですから、ここは決定的な違いです。
政治家や評論家の中には、「日本の憲法は、世界一進んだ思想で作られている」と、見当違いの自慢をし、国民をたぶらかしている者がいて、多くの人間がその気になっています。憲法についてこれ以上は言及しませんが、私たちは、そろそろ幻想と決別し、本気で国の安全を考える時期に来ています。
平成21 ( 2009 ) 年時点での、各国が所有する核弾頭数は次のとおりです。
・アメリカ 9,400発 ・ロシア 13,000発
・イギリス 185発 ・フランス 300発
・中国 240発 ・インド 60 ~ 80発
・パキスタン 70 ~ 90発 ・北朝鮮 10発 ?
・イスラエル 80発 ?
この核弾頭を搭載できるミサイルを、中国は日本に向け、1,000発設置し、北朝鮮は 2 ~ 300発準備していると聞きます。核弾頭やミサイルの数は、確実な情報とは断定できませんが、こうした状況が、日本の周りにあると言うのは事実です。
「日本がアメリカに従うのなら、東京を一瞬のうちに灰にしてやる」と、中国解放軍の将軍が脅したり、「核は、国を守る最高の武器だ」と、北朝鮮が得意がるのは、少なくとも、こうした事実が存在している証拠になります。
河野防衛大臣の発言から始まった、自衛隊が「敵基地攻撃能力」を持つのは是か否かと言う議論が、どれほど焦点の外れた議論であるのか。
私は是非とも、大切な息子たちに伝えたいと思います。終戦の日が近くなり、マスコミが行う「戦争特集」が始まろうとしているせいなのか、「敵基地攻撃能力」の議論が、歪んだ形で発信されています。反日・左翼の野党や、反日の学者や評論家だけならまだしも、肝心の自民党の政治家たちも、曖昧な議論を進めています。
これでは、「憲法改正」と同様に、問題が先送りされるだけで、日本の安全が脅かされます。なぜ政府は、実情を国民にわかりやすく説明しないのか。私は、自民党への失望と怒りも含め、ブログに向かっています。
次回から、虎ノ門ニュースと、私の新聞記事のスクラップで、日本の状況を説明いたします。政治家も学者も、文化人と称する人間も、マスコミ各社も、果たして本気で日本のことを考えているのでしょうか。
息子たちに言います。
「他国頼りでなく、」「自分で考えないと、国がなくなります。」「日本がどんなにおめでたい国なのか、目を開いて見なさい。」