ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

終戦の日の特集記事 - 3

2020-08-25 18:50:08 | 徒然の記

 終戦の日の特集記事、第三回目です。

 《  9. 千葉県・空襲体験者 千葉通子氏 (82)の話 》

・見出し・・「燃える家 重なる遺体」「平和願う 元軍国少女」

・本人の話・・「授業では級友と、ヒノマルノハタ バンザイ バンザイと音読し、」「日本の勝利を信じる、軍国少女だった。」「家族は幸いにも、全員無事だった。」「父親も戦地から戻り、六畳一間のバラック建てで、」「食料もなく貧しい日々だったが、平和な暮らしに期待を膨らませた。」

 「空襲から75年、あの戦争を経験した、最後の世代だと思っている。」「平和の尊さへの想いを原動力に、市民団体で、」「空襲体験を伝える、活動をしている。」「戦争は、人間が引き起こすもの、災害は防ぎようがないが、」「空襲は、平和が続けば起きない。」

・記者のコメント・・ 「今の中心市街が、一面焼け野原。」「想像できる ? 」と、千葉さんに言われた言葉が、心に残った。平和のバトンを後世につなぐため、何ができるか。自分に問いかけている。

 10. 8月19日  第一回学徒動員による勤労学生 峠久雄氏 (92) インタビュー記事

 11. 8月20日  シベリア抑留 中山輝夫氏 (94) インタビュー記事

 新聞記事のスクラップは、上記のようになっていますが、考えるところがあり、順番を入れ替え、11.番目の記事を先に紹介します。

 《  11. シベリア抑留 中山輝夫氏 (94) の話 》

・見出し・・「極寒の地 過酷な労働」「夢断念 仲間も息絶え」

・本人の話・・「日本の敗戦を知った時には、初めて悔し涙を流した。」「獣医師の夢を断念し、国のために戦った苦労は、なんだったのか。」

 「家族を戦地に連れて行かれ、残された人が逃げる姿を、」「嫌になるほど、見てきた。」「私自身も戦地へ行くことになり、親不孝なことをした。」「戦争はもう、二度とあってはならない。」「当時の経験を伝えていくことで、悲劇を繰り返すことがなくなれば・・・」

・記者のコメント・・戦争を経験していないから、知らないと片付けるのは、無知だと痛感した。風化させないよう、同年代や、若い世代に継承していきたい。

 《 10. 第一回学徒動員による勤労学生 峠久雄氏 (92) の話 》

・見出し・・「孤児の姿に 不戦誓う」「客観的検証で、争い防ぐ」

・本人の話・・「戦後、都内の友人を訪ねた帰りに、上野の地下道に足を運んだ。」「戦禍で親を失った子供らが、雨風をしのごうと、」「道路の両側に折り重なり、身を寄せ合っていた。」「悲劇をより感じたのは、この時。」「一番弱い者が犠牲になるのが、戦争だと実感した。」

 「『戦争はだめだ』『軍部が愚かだった』と、分かりやすくパターン化してしまっている。」「しかし戦争は、そう単純なものではない。」

 「『終戦』を、太平洋戦争だけに集約するのでなく、」「この機会に、もっと振り返るべき、戦前の史実がたくさんある。」「2・26事件や、日中戦争、日本が経済的に追い込まれた、米国などによる経済封鎖・・」「戦争に至る経緯に、より目を向けてこそ、次の戦争を防げるのでないか。」

 「好んで戦争をする国はない。」「自己弁護でなく、当時の状況を客観的に検証し、」「今に置き換えることが、幸福につながる。」「終戦記念日は、そういう意味で、過去を見直す大事な機会。」

・記者のコメント・・戦争の惨禍に焦点を当てるだけで、次の戦争を防ぐことにつながるのかと、思い始めていた。戦争体験者も減っている。戦争の伝え方を考える時期に来ていると、再認識した。

 私は記事を読んだ時、信じられない思いがして、二回読み返しました。千葉日報社が実行しているのは、「両論併記」でした。二度読んでも、記事には衝撃を受けました。簡単に言えば、スクラップした他の10件の記事を、否定しています。

 峠氏の意見は、いわば常識です。しかし、今日まで、決してマスコミが認めなかった常識でもあります。珍しいことに、11件の記事には、反日・左翼の共同通信社の配信記事がありませんでした。千葉日報社は、今回の特集記事を、自分で取材し、県内に発信したことになります。

 「戦争特集」記事の中に、同社は、全国マスコミの特集報道を否定する、自社記事を掲載した・・・この事実は、勇気なのか、常識なのか、信じられない思いがいたします。他県でも、地方紙が同じような記事を掲載しているのなら、今年から始まった、全国的趨勢となります。国民の不評に気づき、マスコミ各社が今年から改心した、ということです。

 千葉日報だけが、常識的記事を掲載したのなら、それは日本一の快挙でしょう。堅牢な「祭りの土手」に空けられた、蟻の一穴です。私が「ねこ庭」を訪問される方々と、確認したいのはこのことです。

 1. 千葉日報だけの「常識記事」なら、愛する郷土紙の「誇るべき快挙」

 2. 他の地方紙も「常識記事」掲載なら、今年から始まる、マスコミの改悛

 いずれにしましても、国を愛する国民には、朗報です。1.のケースなら、私は鼻高々です。

コメント (7)
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